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□ 夏実×美幸 □

夏実の寝起きの悪さはもう公式ですよね(笑)




「ん、んーーーっさて、起きますか」
 朝6時半。
 美幸の起床時間は夏実より少しだけ早い。
 一緒に暮らしていて、同じ職場で、同じ時間に出勤なのだが、美幸にはこれから一仕事が待っていた。
「さて、起こさなきゃね」

  ☆

 かちゃりとそっとなるべく音を立てないように夏実の部屋のドアを開けると覗き込む。
 ベッドの上の膨らみがもぞもぞと小さく動いている。
「やっぱりね」
 ふぅっと小さな溜息をつくと、今度はバンっと音を立ててドアを開放した。
「夏実!起きなさい!」
 ツカツカとベッドに歩み寄ると、仁王立ちになって大きな声で呼びかける。
 が、そんなことで起きる夏実だったら苦労はしない。
「なーつーみっ!」
 ペシペシっとおでこを叩く。
「ん、んんっ、なんですかぁ?かちょぉ~」
 小さく眉を寄せて薄目を開けた夏実が、何の夢を見ているのかすっとぼけた答えを返す。
「課長じゃないわよ!」
 ムっと美幸の口がヘの字に歪めると、今度はむにーーーーっと両方の頬を引っ張った。
「いひゃい、いひゃい、ほへんひゃひゃい」
「起きた?」
 やっと目を開けた夏実の目に涙が浮かんでいる。
「何すんのよみゆきぃ~?」
「いい夢見てるとこ悪いんだけど、もうすぐ7時よ」
 くすくすと小さく肩を震わせて笑う美幸。
「ん、わぁってる」
「じゃあ起きなさい、朝ご飯トーストと目玉焼きでいい?」
 ニッコリ笑いかけると立ち上がりかけた美幸の手首を、きゅっとまだしつこく寝転んだままの夏実が掴んだ。
「え?ちょ、夏実?」
「美幸ぃ~」
 夏実が少し甘えたような声をあげると、頬をうっすら染めて流し目で見上げてくる。
「・・・え?」
 ギクリっとイヤな予感に背筋が凍る。
 掴まれた手から逃れようと抗うが、夏実のパワーに勝てるわけもなく、無駄な抵抗に終わった。
「へへぇ~も・う・ちょっと」
 グイっとベッドに引きずり込まれると、ぎゅぅーっと抱きしめられた・・・夏実の全力で。
「痛い痛い!夏実ってば!」
「へへぇ~」
 少しだけ力を緩めてくれるとすりすりと頬をすり寄せる。
 夏実の全力パワーは人体を破壊しかねないのに、時々歯止めが効かなくなる。
 普段は一応理性で加減しているらしい。
 ということは・・・.
「まさか・・・起き・・・てる?夏実?」
「ZZZ」
「ちょっとなつみぃ~?」
 そこには抱きしめたまま再び気持ち良さそうにスヤスヤと眠りにつく夏実がいた。
「遅刻するぅ~っ」
 ベシベシと夏実の顔を叩いたり、押しのけてみたりあらゆる抵抗を試みるが夏実のパワーが緩むことはなかった。
「ん・・・どうしよ」
 困惑しつつもかろうじて手が動く範囲で動かしてみる。
 手首しか動かなかったが、指先が脇に触れたので、こちょこちょとくすぐってみた。
「ん・・・」
 ピクンと仰け反る。
「ん?」

 こちょこちょこちょ

「ひっ、ちょ、やめっ」
 スルリっと夏実の力が緩んだ瞬間を美幸は見逃さなかった。 
 そして思いがけずな夏実の反応に、今度は美幸の瞳がキラーンと光る。
「さっきはよくもやってくれたわね~」
 美幸の魔手から逃れようと夏実は身体を丸めて脇をガードしている。
 そんな夏実におかまいなしに美幸がマウントポジションを奪い取った。
 こんなチャンスは滅多に訪れることはないだけに、少しだけ美幸のテンションが上がる。
 最早本来の目的も忘れ去られている。
「ふっふっふ、覚悟しなさいよぉ~夏実ぃ」
 わきわきと指先を器用に動かすと、ソレっと夏実の脇腹に襲いかかった。

 こちょこちょこちょこちょ

「や、は、きゃははは、ちょ、やめっ、みゆっ、ごめっ」
「ふふふ、夏実が悪いんだからね!」
「ごめ、も、勘弁して・・・」
「起きる?」
「起きる起きる!」
「ホントに?」
「ん、ホント」
「しょうがないわね、それじゃさっさと起きなさい」
 美幸は腰を浮かすと夏実を解放した・・・瞬間だ。
 グラリと身体が傾いたかと思うと。くるりといつの間にかポジションが入れ替わっていた。
「・・・え?」
 美幸はいつの間にか天井を見上げていた。
 天井というより、夏実を。
「なつ・・・み?」
 ニッコリと極上の笑顔の夏実。
 タラリと美幸の額を流れる汗。
「よくもやってくれたわねぇ~?どうしてくれようかしら?ねぇ・・・美幸ぃ」
 フっと唇を寄せると耳元に息を吹きかける。
「ちょ、や、夏実?」
 ぽむっと頬を上気させて身体をよじる。
「あ~らら、美幸ってば真っ赤になっちゃってか~わいい」
 美幸の両手首をガッチリ押さえ込むと、唇を首筋に押し付けながら囁く。
「朝からこんなこと出来るなんて・・・一緒に暮らしてるあたしの特権だよねぇ」
 チラリと中嶋の顔が夏実の脳裏をよぎる。
 同僚で友人で・・・美幸に想いを寄せている中嶋。
 いいヤツだけど美幸に関しては譲れないと密かにライバル視していたりする。
「何・・・ばか、んんっ」
 恥ずかしそうに顔を反らす美幸。
 夏実は脳裏の中嶋を振り払うように頭をふるふると振った。
 そんな夏実の気も知らず、必死で我慢している美幸の姿が更に欲をかき立てる。
 独占欲。
 美幸のパジャマのボタンに手をかけると、一番上だけ外す。
 露になった肌に寒さを感じ、美幸が異変に気づいた時には夏実の唇が鎖骨の辺りを這っていた。
 どこか甘えるように。
 かと思うと突然チクリと小さな痛みが走る。
「痛っ!?」
 這っていた唇が、いつしか強く吸いついていた。
 中々離れてはくれそうにもないその唇。
「夏実?何・・・」
 どれくらいそうしていたのだろう。
 やっとのことで満足したのか夏実が顔を上げる。
「へへっ」
「な、何?」
「あたしの・・・」
「え?」
「印つけたっと、また消えたらつけるからね」
 さっきまで夏実が吸い付いていた辺りにはくっきりと紅い痕が残っていた。
 夏実の唇がつけた痕。
 所有の証。
「夏実!!!!」
「ははっ、さあ、起きた起きた!ご飯食べよ!遅刻する・・・よ?」
「ち・・・こく?」
「!!!」
「今何時?」
 ガバっと勢いよく身体を起こすと、夏実のベッドの脇に並んだ、すでに飾りと化している時計の数々を見上げて二人は石化した。
「遅刻だ!」
「遅刻よ!」

  ☆

「夏実のばか!」
「美幸だってその気になりかけてたじゃない!」
「なってないわよ!どうしてそんなに寝起き悪いのよ!」
「しょーがないじゃない!眠いんだもん」
「あーーっ!開き直ったわね?」
「美幸こそあんな顔で誘うから!」
「ばっ、誘ってないわよ!夏実のパワーにあたしが勝てるわけないじゃない!」
 バタバタっと着替え、朝食を食べる間もなく二人は出勤準備に追われながらいささか的の外れた口論を続ける。
 先に準備を終えたのは夏実だった。
「先に行くよ!」
 ヘルメットを片手に玄関から声をかける。
「あたしも出る!」
 パタパタと玄関に現れた美幸の胸元に、靴を履き終えた夏実が今更ながら頬を染めて指を差す。
「ボタンは一番上まで止める!」
「え?」
「見えるから」
 え?っと指された指の先を追うと、先ほど夏実につけられた印が少しだけ覗いていた。
「きゃっ」
「しばらく胸元は隠してなさい」
「夏実のばかっ」
 じゃねっと高らかに笑い声を上げながら玄関を出て行く夏実の後ろ姿に美幸は叫んだ。
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Date:2008/08/26
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