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□ 静留×なつき □

つながる糸4

なつき視点




なつきは覚悟を決めた。
 人を大切なものを想うことで迷い、間違いを犯すのかもしれない。
 ならばわたしは恋なんて知りたくもない。
 静留がどうしてわたしのことをそんな風に想うのか理解に苦しむが、それでもだからといって静留を憎むことは出来ない。
 静留がわたしのせいで手を汚そうとするのなら、わたしはそれを止めなきゃいけない。
 それが答えだ。

  ☆

 なつきのバイクが廊下を疾走する。
 最早誰もいなくなった学園だ、文句を言うヤツはいない。
 目的地は二人が最も多く時間を共有した場所、生徒会室だ。
 一番地を一人で潰した・・・他のHiMEたちを容赦なく倒した静留を止められるかどうか正直不安だが、それでも止めなきゃいけない。
 これ以上あいつの手を汚させちゃいけない。
 わたしの想いを伝えないといけない。
 なつきはデュランを呼んだ。
 デュランは必ず現れると、なつきは信じていた。
 自分が逃れる為に戦うのではなく、相手を想って戦うからこそ現れてくれるチャイルド。
 デュランが来てくれないわけがないと、妙に確信めいたものがあった。

――大切な人への想いが生み出す異形の子、想いの強さが力となる――

 泣きそうな顔で静留が襲って来る。
「そんなにうちが嫌い?」
 静留は人一倍他人のことには敏感なクセに、自分のことになると全然わかっていない。
 わたしがデュランを呼び出せたワケも、静留と戦うワケも。
 だが、わからなくても当たり前かもしれない。
 わたしは逃げてばかりで、何一つ自分の気持ちを伝えていないから。
 だから今度は逃げちゃいけないんだ。
 もうわたしは前のように疑ったりしない。
 そんなに弱くもない。
「わたしはお前が好きだ、静留」
 お前の望むような気持ち持てない、そう伝えた上で自分の正直な気持ちを伝えた。
 本当にわたしを好きになってくれたことは嬉しかったから。
 誰も寄せ付けようとも、信じようともしなかった自分の心に踏み込んで開かせたのは、紛れも無く静留だった。
 それが自分の思っていた感情とは違ったとしても、だ。
 静留がいたから、奈緒のように一人ぼっちで苦しむようなことにならなくて済んだ。
 いつでもそばにいて、味方になってくれて。
 生徒会長にとったらわたしなんか問題児以外の何でもなかっただろうに。
 そんなさまざまな想いが、わたしが静留にキスをした理由だった。
 思ってもいなかったわたしの“攻撃” に目を丸くする静留の姿が少し可笑しかったが、わたしの攻撃はこれでは終わらない。
 ちゃんと理解させなきゃいけない。
 わたしのやり方が正しいのかどうかはわからないが、力づくでわたしを手に入れようとした静留にわからせるには、こうい方法しか思いつかなかった。
「デュラン!ロードシルバーカートリッジ!!・・・ってーーーっ」
 わかっていた。
 清姫を消すことによって共にわたしも消え去るだろうことは。
 だが、清姫と共に倒れるであろうデュランが消えることによって誰が消え去るのかということをわからせたかった。
 それだけの覚悟は出来ていた。
 静留と一緒ならかまわない。
 わたしは静留を爆風から守るように抱きしめると、消え去る直前に静留の声を聞いた。

――嬉しい・・・――

 なつきの伸ばした手が、やっと静留に・・・静留の心に届いた瞬間
 二人の絡まって切れそうになった糸がようやく一本の糸につながった。
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Date:2008/08/26
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