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□ 静留×なつき □

つながる糸2

思い出しただけで切なくなるわ、あの辺の話は



 もうどうでもよかった。
 本当は母さんに裏切られたんだという言葉に衝撃を受けたなつきは、自暴自棄になっていた。
 それが真実かどうかはわからなかったが、なつきに衝撃を与えるには十分な言葉だ。
 いっそのことこの命すら奪ってくれてもよかったのに、とすら思っていた。
 奈緒に何をされても抵抗する気力すら失っていた。
 なのに救われた。
 静留に・・・静留の手にした武器を見た瞬間、驚きを隠せなかった。
 エレメント?
 チャイルド?
 どうして静留が?
 静留も、HiME・・・?
 薄れていく意識の中で見たのは、巨大なたくさんの首をもたげたチャイルドと、静留の言葉だった。

――なつきを傷つけるものはそれが何であろうと許しまへん――

 気づいた時、目の前にあったのは静留の優しい笑顔だった。
 あの時の静留の姿が悪い夢だったかのような錯覚すら起こした。
 だが、静留の言葉にあれが夢じゃなかったことを知らされた。
 静留が自分の為に、会長の仕事も何もかも捨ててまで助けにきてくれたことで自分の弱さを思い知り、自己嫌悪に陥った。
 もう・・・どうなってもよかった・・・。
 本気でそう言ったのに、それでも静留は何も言わずただそばにいてくれた。

――うちはなつきが好きどすぇ、せやから何があったかてうちはなつきを護ります――

 今まで静留には何度も言われていた言葉だったが、今ほど心に染みたことはない。
 わたしも本気で思ったことを口にした。
「わたしも静留が好きだ」
 その言葉が静留を傷つけているなんてこと、夢にも思っていなかった。
 だが、それが本音だった。
 静留がいてくれてよかったと。
 切れそうだった糸を、静留がつないでくれたと。
 そう思っていた。

  ☆

 目の前で繰り広げられている会話が理解出来なかった。
 雪乃の声が頭の中でこだまするたびに混乱する。
 静留がわたしを?
 信じていた相手にまた裏切られたのかと・・・そう思うと死にたくなった。
 あれほど信じていた静留が汚らわしく思えてしまった。
 自分の身体を抱いて震える。
 だが再び静留がエレメントを構えた瞬間、なつきは思わず飛び出していた。
 自分がどうしたかったのかはわからない。
 ただ、これ以上傷つけちゃいけないという想い。
 何を?
 雪乃なのか、遥なのか、それとも・・・静留だったのか。
 止めたかった。
 なのに浮かぶ映像は静留が自分にしたであろう行為のフラッシュバック。
 伸ばされた静留の手に対して出たのは拒否の声だった。
 あの瞬間の静留の顔は忘れられない。
 頬を伝う涙が静留の本気を物語っていた。
 本気でわたしのことを・・・。
 静留は止まらなかった・・・否、止められなかった。
 何度もデュランを呼んだ。
 自分がやられそうになった時に心の中で何度も呼んだ、あの時よりもずっと心の底からデュランを望んだ。
 静留がわたしを守るために人を傷つけようといている。
 容赦なく振るわれるエレメント、そして清姫と呼ばれるチャイルド。
 消えていく遥。
 呆然と見つめるしか出来なかった自分の無力を呪った。
 静留が壊れたのは自分のせいなのに、その背中を追うことは出来なかった。

 ――うちはなつきを愛してます――

 その言葉が重かった。
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Date:2008/08/25
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