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□ 静留×なつき □

ヤキモチ

奈緒にヤキモチを妬く静留が書きたかっただけです



「なつき、なぁつき!起きなはれ」
「ん・・・」
「もう~いつまで待ってもけぇへん思ったら案の定どすなぁ」
 小さく溜息をつくと、ぶつぶつ言いながら静留はどうしたものかと思案する。
 キスでもしてみようか。
 そう思いつくと、それがものすごく名案に思えた静留は早速ベッドに膝で乗ると、背中を向けて眠る体を乗り越えるようにして顔を覗き込む。
 ハラリと落ちる髪がなつきの頬を撫でると、くすぐったそうに肩をすくめた。
 至近距離に迫る寝顔に慣れてきたとはいえ、やはり好きな人の寝顔はドキドキしてしまう。
「な・つ・き」
 むにゃむにゃとめんどくさそうに枕を抱き直すと、静留が思いもしなかった言葉を吐いた。
「ん・・・奈緒?・・・何だ、また来た・・・のか?」
「え?奈緒・・・はん?・・・また?」
 なつきの唇に触れる、まさにそのすぐ1mm手前でピタっと動きを止めた。
 眩しそうに目を細めて静留の顔を見上げる寝ぼけた目。
「ん・・・何だ?」
 それを見た瞬間、静留は突然なつきの顔にふっ!と息を吹きかけてサっと顔を避けた。
「わ!な、何?何だ?」
 空気の衝撃を受けたなつきはガバっと飛び起き、枕を抱きしめたままキョロキョロと部屋を見回した。
「え?あ、し、静留?」
「よおやく起きはったみたいやねぇ?」
「え?今何時だ?」
「少なくとも約束の時間はとぉに過ぎとりますわ」
「わ!あ、すまない!」
 わたわたと慌ててベッドから転がり降りると、なつきはクローゼットに向かいながら
 点々とパジャマを脱ぎ捨てて行く。
 そんななつきを、表情を無くした静留が黙って見送った。

  ☆

「なぁ静留?まだ怒っているのか?」
「別に怒ってなんかおまへん」
 ベッドに腰かけたまま待っていた静留の横に、着替えて顔を洗ったなつきがちょこんと正座をしてすまなそうに覗き込んだ。
「すまない!」
 もう一度ガバっと頭を下げた。
 土下座というヤツである。
「もぉえぇんどす、いつものことやさかいに別に怒ってまへん」
「本当か?」
「えぇ、ホンマどす」
「ならいいが・・・」
「・・・」
「ほら!やっぱり怒ってる!何なんだ一体?」
 ぶーーっとふてくされたように足を崩す。
「昨日・・・」
「ん?」
「昨日遅ぉまで何してはったん?」
「え?昨日?昨日は・・・」
 記憶をたぐり寄せてなつきは視線を泳がせた。
「誰か来てはったん?」
「あぁ、うん、奈緒が・・・あれ?どうして知っているんだ?」
 なつきは自分が言った寝言には気づいていないようだった。
「そうどすか」
 ふっと小さな溜息と共に視線をベッドに落とす。
 それを追うようになつきの視線も落ちた。
「あ・・・」
「ん?」
「静留」
「はい?」
 張り付いたような、取り繕ったような笑顔。
 こういう時の静留が一番怖いことを、なつきは身を以て知っていた。
「うっ・・・」
 ビクっと一瞬たじろぐように身を引くが、負けてる場合じゃないと意を決して姿勢を正す。
「何か勘違いしてるみたいだから言い訳させてもらうがな」
 コホンと咳払いを一つ。
「言い訳せんならんことあるんどすか?」
 カクンと一瞬で勢いが折られた。
「や、だからその・・・あいつがだなぁ眠れないって聞いたから・・・わたしが眠れるようになった方法を試してみようとその・・・だな・・・」
 しどろもどろに言い訳をするなつきを、冷めた瞳でじっと見つめる。
「なつきが・・・なんで?」
「あいつが昔の私と似ていたからだ」
 やましいことなど何一つないぞ!っと言うようにキッパリそう告げると真っ直ぐ静留を見つめた。
「なつきはどないして眠れるようなったん?」
 ふふっと小さく微笑むと正座していた足を崩し
 膝で立ち上がるとふわりと静留の体を抱きしめた。
「え?」
「お前が一緒にいてくれたからだ」
「・・・?」
「お前が一緒に寝てくれたからな」
 ゆっくりと愛おしそうに髪を撫でると一束掬い、その髪にそっとキスをした。
「あの時はまだお前の気持ちに答えてやることも出来なかったのに行くとこがないからって静留の部屋にしばらく置いてもらったよな?」
「ん」
「静留は辛かったと思う・・・手を出したくても出せない相手が隣にいるんだからな」
 ははっとそれほど前のことでもないのに、どこか懐かしそうに笑う。
「でもわたしはあの時、静留が隣にいてくれたことで随分心が安らいだんだ」
 なつきの胸に顔を埋めたまま背中に回した静留の手が、きゅっとTシャツを握りしめる。
 その手が小さく震えていることに気づいたなつきは耳元で囁いた。
「悪かった」
「ん?」
 体を離すとニヤっとイタズラっ子のように笑って縋るように上目遣いで見上げる静留を見下ろした。
「妬いたんだろう?」
「え?」
「なーにを想像してたんだかなーこのお嬢さんは」
 ツンツンっと静留の額を突つくと、なつきは笑ってそこに触れるだけのキスをする。
「なつきのイケズ」
 きゅーっと恥ずかしそうに再びなつきの胸に顔を埋める。
「ははっ」
 そっと静留の髪をかきあげ、耳にかけると露になった耳元にふっと息を吹きかけた。
「んっ・・・やっ」
「拗ねるなよ」
「拗ねてまへん」
「嘘だ」
「嘘やないもん」
「ふーん、そっかそっか、静留は拗ねてないんだな、ふーん」
 そっと静留を解き放つと、なつきはつまんなそうにくるりと背を向けた。
「なつき?」
 突然腕の温もりが離れたことに不安を覚えた静留の表情が曇る。
「さてと、シャワーでも浴びて来るか」
 そんな静留にはおかまいなしにさっさと立ち上がろうとするなつき。
「やっ、なつ・・・」
 離れた手を再びこの手に取り戻そうと、思わず静留の手が伸びた。
 んーーーーっと大きく伸びをするなつきは顔だけ振り返る。
「どうするんだ?静留」
「え?」
 上げた手のやり場に困った静留はそのまま硬直する。
「来るのか?来ないのか?」
 クイっと浴室を指差す。
「行きます!」
 上げた手が挙手に変わる。
 よいしょっとなつきは静留の両手首を掴むと、立ち上がらせた。
「今日はお出かけ諦めろよ」
「はいっ」
 満面の笑顔でそう答えると、静留は嬉々としてなつきの後をついて行った。
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Date:2008/08/25
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