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□ 静留×なつき □

おめでとう

何回目かのなつきの誕生日ネタ



8月15日

なつきの携帯の時計が0時丁度を告げた。
 RRRRRR
 メールの着信音にビクっとなつきの肩が揺れた。
 パカっと2つ折の携帯を開く。
『誕生日おめでとう!』
 と、デカデカとデコレーションされた壁紙に、シンプルな言葉を乗せて贈られてきた。
 差出人の覧を見ると、そこには親友の名前があった。
「舞衣か・・・ふっ」
 舞衣らしいメールだと少し笑えた。
 RRRRRR
 すると再び鳴り出す携帯。
「ん?」
 再び目を落とすと、今度は写真が添付されていた。
「また舞衣?」
 スクロールしていくと、携帯のカメラを不思議そうに見つめるあまり近づきすぎの命の写真だった。
「ぶっっ・・・ぶはっ!な、何だ?これ」
 思わず吹きだすなつきはそのままスクロールで下に下げる。
『命もおめでとうだって!』
「ははっ、何やってんだあいつら」
 カタカタとなつきは素早くメールに返信をする。
 パコンっと携帯を閉じるとなつきはソファの上に放り投げた。

  ☆

 放り投げたはいいが、その存在が気になって仕方がない。
 チラリと携帯を見つめる。
 もう鳴り出すことはない携帯。
 一番聞きたい人の声が聞けない機械なんて用はない・・とは思いながらもどこかでもしかして・・・と期待する自分。

 今、一番声の聞きたい相手。

 今、一番顔を見たい相手。

 今、一番そばにいて欲しい相手。

 今、一番愛しい相手。

 その姿をどれだけ思い浮かべても電話は鳴らない。
「静留・・・」
 手を伸ばし、携帯を握り締める。
「どうして・・・」
 見ていたからといって鳴り出すことのない携帯をじっと見つめる。
 その時だ。
 ピンポーン
「え?」
 こんな夜中に尋ねてくる人間なんて一人しか知らない・・・けど。
「はい?」
 インターフォン越しに尋ねる。
「うちやけど、なつきちょぉ入れてくれまへん?」
「し、静留?」
 慌てながらもポチっと開錠ボタンを押す。
 しばらく待っているともう一度今度は玄関のベルが鳴る。
 慌ててなつきはドアに走る。
 ガチャガチャ
「静留?」
「堪忍、ちょお遅れてしもた」
「お前鍵は?」
「それがなぁ、実家に忘れて来てしもて・・・大至急送ってもらうよぉ電話はしたんどすが」
 実家という言葉でふとなつきは我に帰った。
「そうだ!お前今晩は来れないって・・・」
「んーせやけどやっぱりちゃんと直接言いたかったさかいに、おとうはんに無理ゆぅて帰って来たんどすわ」
「静留・・・」
 ガバっと静留の首にしがみつくなつき。
「え?ちょ、な、なつき?」
 動揺しながらも静留の手はなつきの背中を優しくあやす。
「誕生日おめでとう、なつき」
「ばかっ・・・もっと早く・・・」
「なんどす?」
 本気で言ってるわけじゃないのは十分伝わってはいるが、一応問うてみた。
「静留は来ないのわかってた・・・なのにメールは来ない、電話もかかって来ない・・・来たのは舞衣からのメールだけだ・・・」
「ん」
「ちょっと腹が立ってた・・・なのに・・・」
 言って黙り込むなつきの体を少しだけ自分から離す。
「堪忍な、なつき」
 ポソっと耳元で囁く。
「もういい」
「せやけど・・・」
「もういいんだ」
 頬をうっすらと赤らめると、くるりと踵を返す。
「やっぱり・・・お前に直接言ってもらえるのが一番嬉しい」
 ふふっと少しだけ笑うと、静留は背中を向けてしまったなつきの体を背後からふわりと抱きしめた。
「おめでとう、なつき」
「・・・ありがとう、静留」
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Date:2008/08/25
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