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□ 静留×なつき □

手をつなごう5

えーっと・・・はい、こんなカンジです!
静留が大学で何を習ってきているのか?
っていうのが書きたかったんです(笑)
いえ、ウソです(笑)
なつきにヤキモチ妬かせたかったんです。
あぁいう相手は絶対静留のタイプじゃないけど
なつきを不安にさせるにはいいかな・・とか・・・そんだけ(笑)




 チャリっと二本の鍵がくっついたキーホルダーを取り出すと鍵穴に差し込んだ。
 かちゃりと鍵が回り、ノブを掴もうと手を伸ばした瞬間だ。
 後ろから伸びてきた手が静留の手を包み込んだ。
「え?」
「はぁっはぁっ、ちょ・・・と待て静留、わたしは・・・はぁっ、まだ何も言ってないぞ」
 階段を全力疾走で駆け上ってきたのか、全身で荒い呼吸を繰り返す。
「何を?」
 すぅっと息を吸って呼吸を整えると、まっすぐ見据えてきっぱりと言い放った。
「本心だ」
  言うなりドアを開けると、静留より先に玄関に踏み込んだなつきはとっとと靴を脱ぎ捨ててリビングに向かった。
 ドサっとソファに倒れこむように腰を沈める。
「なつき?」
 途方に暮れた静留が、ソファに座り込むなつきの様子を窺うように見下ろしていた。
「お茶」
「え?」
「お茶が飲みたい!静留が入れたヤツ」
 いきなり何を言い出すのかと思ったが当面やるべき事が見つかり、静留はそそくさとお茶を入れにキッチンに立つ。
「ほなすぐ入れますさかいにちょぉ待っててな」
「ん」

  ☆

 出されたお茶をずずっとすするなつきの表情は、どこか落ち着きを取り戻していた。
「なぁ静留」
「ん?」
「美味いな」
「そうどすか?いつも通りいれとるだけですぇ?」
 褒められたのが嬉しいのか、ふわりと微笑む。
「いや・・・静留が入れるから美味いのかもな」
「そらおおきに」
「舞衣に言われたんだ」
 突然本題に入られ面食らうが、平静を保ちつつ何とか相槌を打つ。
「舞衣はんに?何を?」
「人の想いの上に胡坐かいてると足元掬われるって・・・その通りだな」
「うん?」
「わたしは静留がわたしのこと好きでいてくれて当たり前だとどこかでタカを括ってたと思う」
 黙って促す静留。
「どんなことがあっても静留がわたしから離れていくなんて思ってなかった・・・と思う。
静留の隣でご飯を食べるのも、静留のこと呼び捨てにできるのも・・・静留のそばにいるのはわたしだけだってうぬぼれてた・・・と思う・・・だから驚いた」
 湯飲みを置くとごそごそと体勢を変える。
 正座をすると静留の方に向き直り、まっすぐに目を見つめるなつきの瞳が今にも泣きそうに潤んでいた。
「静留の隣に何の迷いもなく座って、静留のこと呼び捨てにして・・・笑ってた・・・今まで同じようにうろちょろしてたお前の取巻きに嫉妬なんかしたこともなかったのに・・・あいつは何かダメだ」
「なつき・・・」
「舞衣だって命だってわたしのことなつきって呼ぶし、腕組んで来たりするし、遊びにも行くし、ランチも一緒にしてる・・・」
 コクリと相槌を打つ。
「だからわたしもワガママ言っちゃいけないんだって思うし、静留の友人ならば大事にしなきゃいけないとも思う・・・けど」
「けど?」
「あぁいうの・・・イヤだ」
「愛の抱擁・・・どすか?」
 くすっと笑う。
「お前があんなことされてるのは見たことがなかった・・・そんな度胸のあるヤツは初めてだ」
「そうどすなぁ、珍しいパターンどす」
 顎に指を添えて天井を見上げながら思い返す静留。
「悔しかった」
「え?」
 思いもかけない言葉に静留が息を飲む。
「静留が誰かに取られそうだって不安で・・・だってあいつは静留の弱さもちゃんと見抜いていた」
 ぎゅっと膝の上で握り締めたなつきの拳が震えていた。
 緊張が走る。
「弱い?うちが?」
「あぁ・・・でも・・・ちょっと違う」
「違う?何が?」
 黙って逡巡するなつきの次の言葉を待つ。
「お前が弱いのはわたしがいるから、お前が強いのもわたしがいるから・・・そう思っているのはわたしの自惚れか?」
 訴えるような、問いかけるような瞳が突き刺さる。
「わたしの為に命をかけてくれたその想いの強さ、でもわたしのせいで壊れてしまった弱い心・・・わたしはどっちも見て来たんだ。怖かったけどでも・・・嬉しかったんだ・・・わたしはうまく言葉に出来ないし、人前だとやっぱり恥ずかしい。
 舞衣にはお前に対する態度が冷たいとか言われる始末だからホントにどうしようもないんだけど、それでも・・・」
「なつき・・・もうえぇよ」
 声が震える。
「静留が他人に笑いかけるのがこんない悔しいなんて・・・こんなに自分の独占欲が強いなんて思ってもいなかった」
「もうえぇよ」
「この部屋で二人で何してたんだって、そんなことまで一瞬とはいえ疑ってしまったり・・・最悪だ」
 汚い自分を吐き出すように言うなつきに、静留はもうこれ以上聴きたくないというように頭を掻き抱いた。
「もうえぇから・・・な?」
 今にも泣き出しそうななつきの背中を優しく撫でさする。
「堪忍、いじわる言うてしもたね」
 腕の中でふるふると小さく首を振る。
 今までの自分のしてきたことがなつきを不安にさせてしまった原因の一端であると思うと切なくなってくる。
「堪忍な、なつき」
 しばらくなつきの背中をあやしていた静留の手がピタリと止まると再び謝る。 
「どうしてお前が謝るんだ?」
「うち・・・なつきのこと試すようなことしてしもうたさかいに」
「試す?」
「なつきがうちのこと気にしてくれるかな思て急に行かへんようなってみたり、寄ってくる彼女と仲良ぉしてみたり・・・うちなつきにヤキモチ妬いて欲しかったんよ」
「そうなのか?」
「何やいつもうちばっかりアホみたいに舞衣はんや奈緒はんにヤキモチ妬いてるみたいで・・・なつきはそんなんないんかな?って思ってしもて。ほしたら教室で誰かが誰かに言うのが聞こえてきてんよ。押して押して押しまくるだけやったらアカン、たまには引いてみ?ゆぅてんのが。せやから・・・」
 しょぼーんと子供が母親に叱られた時のように落ち込む静留。
「そっか・・・まんまとハマったんだなわたしは」
 ふふっとそれでもなつきは嬉しそうに笑った。
「堪忍な」
「もう謝らなくていい」
「せやけど・・・」
「いいんだ、わたしもわたしの本心を確認できたから」
「本心?」
「あぁ」
「言うて?」
「お前がいないとダメなのは・・・わたしの方だよ、静留」
 あの時のような・・・あの祭りの時に静留のことを好きだと告げたのと同じ優しい笑顔のなつきに、静留は言葉も出ないくらい嬉しくて、思わず両手で口を押さえてしまう。
 声が洩れないようにと。
「いいんだ静留・・・」
 その手を取る。
 震える唇にそっと指で触れ、その震えを止めると今度は唇で塞ぐ。
 随分長い間触れてなかったような気がする唇。
 好きなんだなと改めて想う。
「声・・・聞かせてくれ」
 ぷるぷると小さく首を振る。
「どうして?」
「何ゆーてえぇんか・・・嬉しすぎて言葉になりません」
「そっか」
 わたしの言葉が静留を幸せにする。
 静留の言葉がわたしを幸せにする。
 ささいなことがお互いを幸せにもするし、不安にもする。
 想いの強さが・・・力をくれる。
 デュランがいなくても、エレメントが使えなくても、わたしは静留がいれば強くいられるんだ。



「なぁなつき?」
「ん?」
「キスしてえぇ?」
「え?」
 ポカンと口をあけて、思わずまぬけな返事をしてしまう。
 いつもは何も言わずにいきなり抱きついてきたりキスしたりする静留の言葉とは思えなかった。
「なぁ・・・えぇ?」
 懇願するようにもう一度尋ねられた時にはなつきも正気に戻っていた。
「あぁ・・・いいよ」
 微笑んで静留の頬をそっと撫で、なつきは自らの唇を耳元に近づける。
「冷たくしたり・・・わがまま言って悪かった・・・静留」
 チュっと耳たぶにキスをする。
「な、なつき?」
 目を丸くする静留の体をきゅっと抱きしめて、今度は唇に触れた。
 珍しくこれくらいのことで頬を染めた静留が可愛くて、思わずなつきの頬も緩む。
「ホントお前はわたしの前ではそういう顔するんだな」
「え?」
「さっきあいつにその・・・抱擁されてた時はそんな顔してなかった」
「あたりまえどす!」
「え?」
 思いがけず大きな声で言われてビクっと肩を震わせた。
 抱きしめられたなつきの肩に顔を埋めながら静留は
「好きな人にされるんが一番嬉しいに決まっとります」
 涙声で囁く。
「そっか・・・そうだよな、うん」
 ふぅ~っと力を抜いたなつきは足を崩してドサっとソファにもたれると、静留の手を取る。
 そっと指を絡め、きゅっと握り締める。
「二人でいる時くらいは手・・・つないでてやる」
「ホンマに?」
「あぁ、でもやっぱり外ではそっけなくするかもしれんが・・・気にするな」
「わかってます。うちはヘタレでもツンデレでも、どないななつきでもなつきが一番好きやさかいにね」
「ばっ、大体お前はそんな言葉どこで覚えてくるんだ?」
「大学どす。なつきにピッタリやなぁと思いましたさかいに覚えました」
「一体何を勉強しとるんだ?お前は」
「色々どす」
「ほどほどにしとけよ」
 はぁ~っと呆れたようにがっくりと肩を落とすなつきに静留は満面の笑顔を浮かべると
「はい」
 と、嬉しそうになつきの頬にキスを送った。
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Date:2008/08/25
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