Planetarium SS置き場

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□ シズル×ナツキ □

追走の果てに・・・?

ナツキ大好き!




「おい!シズル!・・・シズル?」
 ガルデローベ学園長、ナツキ・クルーガーは自分の補佐であるシズル・ヴィオーラの名を呼んだ。
 が、呼べば隣の部屋にいようが、同じ部屋にいようがすぐに飛んで来るハズのシズルの返事がない。
「おいシズル?」
 キョロキョロと部屋を出て学園長室を見渡す。
 いつもそばにいて当たり前のシズルがいないと、妙に落ち着かない。
 出向に行かせていた間、ナツキは毎日落ち着かない生活を送っていただけに、今は出来るだけそばにいて欲しいとは思うのに・・・。

  ☆

「おい、シズルを見なかったか?」
 廊下を歩いていた生徒の一人の腕を捕まえて、ナツキは詰め寄った。
 何か事件でもあったのかと思わせるくらい切羽詰った様子の学園長を間近にして、それでもやはり憧れのお姉さまの一人であるナツキ相手だ、緊張するのが当たり前だろう。
 生徒はドギマギと頬を紅潮させながらも、やっとのことでナツキの知りたかった情報を与えてくれた。
「さ、先ほどヨウコ先生のところに入って行くのをみ、見かけましたっ」
「ヨウコのところ?」
 何の用事があるんだ?と???が頭の中を飛び交うが、ナツキは気がついたら普段生徒に煩く言っているにも関わらず廊下を疾走していた。
 その場に放置された生徒はナツキの勢いに飲まれ、ただ呆然と背中を見送るしか出来なかった。

  ☆

「おいシズル?いるのか?」
 バンっと扉を開け放つなりイキナリシズルの名を呼ぶナツキに、何やら研究中だったらしいヨウコが顔を上げた。
「どうしたんですか?学園長そんなに血相を変えて」
「いや・・・あれ?シズル・・・がここにいると聞いてきたんだが?」
 キョロキョロとそんなに広くはない部屋に視線を泳がす。
 どこにもシズルがいる気配はない。
 それを裏付けるように、ヨウコが言った。
「シズルさん?さっきまでいたけど、ミス・マリアに呼ばれて行ったわよ」
 その言葉を聞いた瞬間、ナツキはその場にガックリと肩を落とす。
「はぁ?・・・よりにもよってミス・マリアか・・・」
 どうやら一足違いですれ違ってしまったようだ。
 しかし今度の相手ががミス・マリアだと聞くと、ナツキは一瞬怯んだ。
 今は自分が上の立場だとはいえ、やはり学生時代のまだそれほど優秀ではなかった頃の自分や、ふがいない舞闘しか出来なかった頃の自分を知られている相手だけに、実はちょっと苦手な相手だった。
「わかった、何の用事だって?」
「さぁ?よくわからないわ」
「そうか」
 よし!と気合を入れてすっくと立ちあがると、颯爽と部屋を後にするナツキを笑って見送るヨウコは
「全く、シズルさんがいないと落ち着かない学園長ってどうなのよ」
 と、くすくすと笑った。

  ☆

「ミス・マリア?シズルを捜しているのだが・・・」
 今度はキチンと礼儀正しくノックをして部屋に入ると、コホンと咳払いをして問うた。
「シズルさん?先ほど帰りましたよ」
 部屋を見る限りその答えは予想できたものだったが、やはりガックリと肩を落とすとドアにもたれかかった。
「はぁ~またか・・・一体どこに行ったんだ」
「学園長、何ですかそのだらけきった態度は」
「あ、は、はい!失礼します!」
 つい学生時代のクセが出たナツキは、ピンと背筋を伸ばして一礼するとくるりと背を向けた。
「シズルさんならアリカさんとどこかに行ったようです」
「え?アリカ・・・ですか?・・・ありがとうございます」
 もう一度ペコリと頭を下げると、ナツキはとっとと部屋を飛び出した。
「廊下は走らない!」
 ミス・マリアの忠告も今のナツキの耳にはすでに届いていなかった。

  ☆

「あ、ユカリコ先生!アリカを知りませんか?」
 廊下で偶然授業帰りのユカリコに出会ったナツキは、シズルではなくアリカの居場所を問う。シズルもアリカも違う意味で目立つ存在だからすぐに見つかるだろうと思っていた。
 アリカが見つかればシズルも・・・とは思うナツキだったが・・・。
「あら学園長、アリカさんなら食堂に行かれましたわ」
「食堂ですか!?わかりました・・・今度こそ」
 最後の一言はボソリと口の中で呟くと、グっと拳を握り締めて気合を入れる。

  ☆

「シズ・・・アリカはいるか!!!」
「はひ?はへぇ~はふへんひょうはぁ~(はい?あれぇ~学園長だぁ)」
 もぐもぐと、とてもオトメを目指している生徒とは思えない姿のアリカを見てナツキはガクっとコケた。
「全くぅお前というヤツはぁぁぁ・・・や、ん、まぁ見なかったことにしてやろう。ところでシズルはどこだ?ここにいると聞いてきたのだが?」
 ごっくんと口に含んでいたものを飲み込むとアリカは
「シズルさん?シズルさんならどっか行きましたよ」
 と、サクっとあっさりナツキの期待を裏切った。
 力の抜けきったナツキをからかうように、アリカの背後からイリーナがひょこんっと顔を覗かせると
「オンナノコに連れて行かれたましたよぉ~シズルお姉さまのことですから、ふふふっ」
 含みのある笑いを浮かべる。
 それがナツキの苛々を更に煽る。
「どこだ!」
「え?」
「どこに向かったんだと聞いている!」
 怒気を含んだナツキの言葉に圧倒されたイリーナは
「え?あ、た、多分中庭かと・・・」
 と、中庭の方向を指差した。
「あんのバカ・・・一体何をしとるんだ!」
 ナツキは額に青筋を浮かべて声を荒げた。
 ビクンっと何やらスゴイ剣幕のナツキに驚いて生徒達が後ずさる。
 キロリとそんな生徒達をまっすぐに見据えてナツキはピシっと言い放った。
「アリカ!お前はもう少しオトメらしくしろ!卒業させないぞ!」
 去り際に八つ当たりとも取れる忠告を叩きつけると、ナツキは脱兎のごとく走り去った。
「そ、そんなぁぁぁ~」

  ☆

 中庭を疾走するナツキは、シズルの行きそうなところを捜しまわる。
 中庭には色々な思い出があった。
 学生時代二人でよく昼食を取った場所。
 トレーニングをしているナツキをそばでいつも微笑んで見ていたくれた場所。
 ナツキが初めて・・・ホンキではなかったにしろシズルから始めてキスされた場所。
 ナツキがシズルに向かってお部屋係りにしてください!とお願いした場所。
 今思えばこの学園にはシズルとの思い出がたくさん詰まっているんだなと思い返した。
 そんなことを考えながらいつしかナツキの足は疾走から徐々にスピードを落としていた。
 ふと視線を上げると前方からぼんやりと歩いてくるパールの生徒とすれ違った。
 まるで学園長、ナツキ・クルーガーの存在に気づいていない。
「ん?おい?」
「あ、は、が、学園長!失礼しました」
 ペコリと無礼を詫びるように、90度に腰を折り曲げて挨拶をする。
「あ、いやその・・・シズルと一緒だったのか?」
 シズルの名前を出した途端にその生徒は、かぁ~っと紅潮した頬を押さえて俯いた。
 図星か・・・あのバカっまた・・・!
 かつての自分もあのような反応をしていたことを思い出すと、シズルがこの生徒に何をしたか想像がついた。
「あの、その・・・もう帰られました」
「・・・へ?」
「部屋に・・・学園長が待ってるからってそのぉ・・・」
「・・・そうか」
 生徒の態度に不機嫌そうに頷くと、ナツキは今来た道を無言で引き返す。
「ったくぅアイツは一体何をしとるんだ!」

  ☆

「シズル!いるのか?」
 フラフラとやっとのことで戻ってきた自分の部屋を開け放つと、いつものシズルの席であるソファに目を向けた。
 そこにシズルはいなかった。
 だが気配はする。
 それでもまだ不安に駆られながらも、今度は隣のプライベートルームのドアを開けた。
「シズ・・・ル?」
 これは・・・夢か?
「あらぁナツキどこ行ってはったん?」
 そこにはいつものようにソファに座ってお茶の用意をしていたシズルが、はんなりと微笑んでいた。
 いたぁ――っ!
「シズル!!!このバカ!」
 思わず大きな声を上げてナツキは駆け寄ってしまった。
 言われ慣れない言葉をぶつけられ、目を丸くして紅茶のカップを持ち上げたままナツキを見あげる。
「え?なんどすか?えらい剣幕でどないしはったん?」
「一体どこに行っていたんだ!!!」
 上からビシっと指を突きつけ、シズルの目をまっすぐ見つめてナツキは問い詰めた。
「どこて・・・ヨウコさんのところに行って、ミス・マリアに呼ばれて、アリカさんに連れられて、女子生徒に囲まれて・・・」
 と、さっきまでナツキが辿ってきた道をそのまま指折り数え始めた。
「わぁかった!わかった!もういい!」
 フンっと鼻を鳴らすとプイっとそっぽを向いて拗ねた。
「なんやのんナツキ?えらい拗ねてしもうてからに」
 シズルはカップをソーサーに戻すと立ち上がり、きゅっとナツキの体を抱き寄せるとシズルはよしよしっと頭を撫でた。
「何やのん?もしかしてうちがおらんで寂しかったんどすか?」
 からかうようにナツキの顔を覗きこむ。
「ちがっそ、そんなんじゃ・・・!」
 言いながらもナツキは紅潮した頬を見られないように、顔をきゅっとシズルの肩に押し付けた。
「お前・・・浮気してただろ」
「はい?なんのことどす?」
 すっとぼけるシズル。
「中庭で顔を真っ赤にした生徒とすれ違ったぞ」
「いややわぁ、うちがナツキ以外の子ぉとなんてありえまへん」
「ふんっ、どうだかな」
「あららぁ、完全に拗ねてしまいましたなぁ・・・ほなナツキ、証拠見せますさかいそこ行こか」
 背後にあるベッドにくるりと向き直ると、ドサっと流れるように抵抗するまもなく押し倒した。
 ぽすんと体が跳ねる。
「ば、ばかシズル!な、何をする!」
「何て、ナツキが拗ねてはるから機嫌直してもらおと思いまして♪」
「こんなんでだまされないぞ!はぁなぁせぇー!」
 ジタバタと拘束された両手を外そうと暴れる。
「いややわぁ騙すやなんて人聞き悪い♪」
 ケロリとして押さえつけるシズルの力が一体どこから出ているのかいつも謎に思う。
「大体お前昨日も・・・」
「ん?」
 有無を言わせぬ極上の笑顔で先を促す。
「・・・ばかっ」
「ふふっかいらしなぁ、ナーツキっ♪」
「・・・もう知らん!」

  ☆

「そういえばナツキ、うちを探してたみたいやけどなんぞ用事やったん?」
「うっ・・・それはそのぉ・・・・・・・・かったから」
「え?何どす?」
「お前の入れたお茶がそのぉ・・・飲みたかっただけだ」
「あらぁ、それやったらはよぉ言うでくれたらよかったのに」
 そっと体を起こすと、寝転がったままのナツキを嬉しそうに見下ろす。
「ばっ、お前が言わしてくれなかったんだろ!言おうと思ってたのに」
「あらぁ、堪忍なナツキ。すぐ入れますさかいにね」
 チュっと頬にキスを一つ落とすと、スルリとベッドから足を下ろしてベッドの淵に腰かける。ナツキの視線がその綺麗な背中に釘付けになる。
「こ、こらシズル!」
「え?」
「服を着ろ」
 散々見慣れているハズなのに、今更ながら真っ赤に染まった顔をシズルから背け、床に落ちていた服に手を伸ばす。
「それからでいいから・・・お茶を入れてくれ」
「はい、ナツキの為にたーっぷり愛情こめて入れさせてもらいます♪」
「あぁ」
 回り道に回り道を重ねてやっと辿り着いた目標に、すっかりゴキゲンのナツキだった♪
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Date:2008/08/25
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