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□ 静留×なつき □

心の糸4

まだまだ




「ねぇなつき」
「ん?あぁ、舞衣」
 昼休みに命を背中に背負った舞衣が、声をかけてきた。
「お昼一緒にしない?」
「あ?あぁ・・・」
 なつきは自分のお腹の空き具合と相談した結果、素直に従うことにした。

  ☆

「え?会長さん倒れたの?」
 弁当を広げながら舞衣は驚きの声を上げる。
「あぁ、昨日の放課後な、あいつは人に頼ろうとしないし、何でも抱え込むクセがあるからな、言い出せなかったんだろう」
 あまり人に本音を見せるタイプじゃないと思っていた静留の性格をよく掴んでいるなつきを見ていると、二人の関係が不思議に思えた。
「なつきと会長さんって変な取り合わせだけどさぁ、仲いいよね」
「そうか?普通だろ。まぁ古い付き合いではあるがな」
「あたしたちといる時とは違う顔してるもん、なつき」
「はぁ?そんなことはないぞ!」
 心底意外だというように自分の今の顔を確認するように撫で回す。
「なつきもよく懐いてるみたいだしね、お姉さんみたいなカンジ?」
「いや、違うな、アイツはそんなんじゃない、年上だといっても実質は一つしか違わないし、かけがえのない親友・・・だな」
「親友・・・あの会長さん相手にそう言い切れるアンタがすごいわ」
 ポンポンと肩を叩いて笑う舞衣に、何か変な事を言ったのだろうかとなつきは困惑した。
「なぁ舞衣?」
「んー?」
 命に弁当を手渡しながら振り返る。
「好きって・・・」
「へ?」
 きょとんと目を丸くする。
「好きとはどういうことだと思う?」
「はいぃ~?」
 なつきからはもっとも程遠い言葉を聞いた舞衣はすっとんきょうな声を上げる。
「うっ・・・」
 ボンっと紅潮した頬を隠すように俯くなつきを見てふーんっと微笑む。
「色々あるんじゃない?手が届かないけど憧れみたいなのも“好き”だし、友達の好きもあるし、家族愛もそうだろうし、もちろん愛情的なものもある・・・まぁこれは好きって感情超えちゃうと“アイシテル”になるんだろうけどね」
 わかったようにスラスラっと答えを並べてくれる舞衣の言葉を素直に聞くなつき。
「ちなみにあたしはなつきのこと友達として好きよ」
「舞衣ぃ~舞衣はわたしのことスキか?」
 もぐもぐと頬いっぱいにほおばっていた食べ物をごっきゅんと飲み込むと、目をキラキラさせて問う命に
「あたりまえでしょ?命のことも大好きよ」
 とナデナデと頭を撫でると、嬉しそうに微笑んだ。
「ん!」
 満足そうにうなづくと命は食事を続行した。
「何よなつき~誰かに告白でもされた?あ、あの剣道部の人?」
 ニヤニヤと突然変な質問をしてきたなつきに興味を持った舞衣は、その相手を探ろうと畳み掛けてくる。
「なっ、あ、あんなヤツ関係ない!・・・ただその、好きと言われて嬉しかったんだ、静留に。かわいい後輩だからと・・・それがこんなに嬉しいことだと思ってなかったから・・・」
「会長さん?へぇ~あの会長さんがねぇ、そうなんだ、ホントになつきのことかわいがってるんだね」
「そう・・・思うか?」
「ん、イマイチつかみどころのない人だとは思うけど、なつきにとってはいい人なんだね」
「まぁな」
 「そっか、まぁそれにしても今大変そうだよね生徒会。じゃあ今日は寮で寝てるんだ?」
 心配だよねっとなつきの分の箸を渡しながら聞く。
「あぁ、そのはずだ、また放課後に寄ってみる」
 その時だ、隣で弁当を早速がっついていた命が意外な事を言い出した。
「静留ならさっきいたぞ」
『はいぃ????』
 シンクロする二人。
「み、命!静留がいたっていつだ?どこにいた!?」
 ガタンと椅子を蹴り上げると命の胸倉を掴んでグラグラ揺さぶった。
「ちょ、な、なつき!命死んじゃうってば!」
 命は何とか頬張っていた食物をごっきゅんっと飲み込むと、きょろりと大きな目で見上げて言った。
「あっち!」
 瞬間、すでになつきはその場に箸と食べかけの卵焼きを残して姿を消していた。
「あんのバカ!あれほど言ったのに!何を考えているんだ!」
 なつきは全力ダッシュで命の指さした方・・・生徒会室に向かった。
 途中執行部の連中に出くわしたが、聞く耳も持たずとにかく走った。
 
 がらっ!

「静留!」
「あらなつき、昨日は堪忍な」
 ツカツカツカと歩み寄ると、バン!!!と平手を叩きつけた。
 そこにあった書類を思わずぐしゃっと握りつぶす。
「あれほど言ったのにお前はこんなところで何をしてる?」
「一晩寝たら気分よぉなりましたさかいにね、お仕事どす」
 それでいつものように笑っているつもりなのかコイツは。
 まだ顔色が悪いじゃないか。
 どうしてコイツはそこまで無理をしようとするんだ?
 理解できない・・・。
 呆然と目の前で佇むなつきが握り締めている書類をそっと取り返すと、無言で再びハンコを押し始めた。
「静留!いい加減にしろ!」
「なつき、堪忍して」
 ゆっくりと顔を上げる。
「もうちょいでおしまいやさかいに、そしたらちゃんと休みますさかいに・・・な?」
「だがっ!・・・ん?静留、お前それ・・・」
 そっと指を伸ばす。
「どうしたんだ?この傷」
 柔らかな唇についていた一筋の傷に触れる。
「っ痛!」
 意外なほどの痛がりように驚いて思わず手を引っ込める。
「あ、す、すまない静留」
「えぇんよ、ちょっと噛んでしもてな」
 もう平気やさかいっと仕事に戻ろうとする静留の手をなつきは掴んだ。
「とにかく帰るぞ静留!」
「なつき」
 諌めるような、それでいて一発で相手を黙らせるような凛とした静留の声。
 ビクンっと肩を竦める。
「約束します、これ済んだら帰りますさかいに・・・な?」
「・・・わかった」
「おおきに」
 ニッコリと微笑むが、どこか笑顔が冷たかった。
「そのかわり条件がある」
「え?」
「わたしが送る、終わるまでいるからな」
 キッパリとそう言ってのけると、ズルズルと椅子を引っ張って窓際に陣取る。
「譲れない」
 はぁ~っと大きなため息が聞こえて来るが、なつきは聞く耳を持たず、ただじっと静留の手の動きだけを眺め続けていた。
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Date:2008/08/25
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