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□ シズル×ナツキ □

もう少しこのままで

拍手に入ってたヤツです。
ナツキいいなぁ~うらやましいよ


「シズル、お前はどうしてそう・・・わたしにかまうんだ?」
 仕事中だというのに、学園長室からミス・マリアが去って二人っきりになった途端にナツキの背後に回ったかと思うと、イキナリ抱きしめてきた。
「そんなん今更ゆぅことやありませんやん~」
「だからっ!」
「なんべんもゆぅてますやろ?うちはナツキのことが好きなんどす」
「いや、だからってその・・・今は仕事中だしだなぁ」
 さらりと当たり前のようにそう言葉にされ、ナツキは頬を染めてしまう。
「ほな、仕事中やなかったらええん?」
 抱きしめた腕はそのままで、ひょこっとナツキの顔を覗き込む。
 その仕草が妙に子供っぽくて、その・・・かわいかったりするのだが・・・。
「あのなぁシズル、そういうことでなくてだなぁ」
 何とか平静を保とうと必死に自分の制御を試みるナツキは、眉間にシワを寄せて大きくため息をついた。
「わかったわかった、でも頼むからシズル、今は仕事をさせてくれ。終わったらいくらでも相手してやるから」
「ホンマ?」
「あぁ、ホンマだ」
「ほな手伝います」
「助かる」

  ☆

「それにしてもお前はいつもどうしてそんなにわたしを助けてくれるんだ?」
「いややわぁ、約束したやないの卒業する時に。あんたに何かあったら飛んで来るって」
 カリカリと書類にペンを走らせながら、二人はお互いの顔も見ずに話始める。
「ん、それはそうだったが」
「せやからうちはナツキに、学園長になるからサポートしてくれゆわれて飛んできましたんよ」
 文字通りシズルが空を飛んでやってきた来た時の事を思い出してナツキの口元が少し笑う。
「何がおかしいの?」
「いや、シズル・・・いいやつだな」
 シズルのペンの音が止まる。
「そうどすか?」
「だってそうだろう?こんなダメな後輩のために、学園のアイドルでトップの成績を誇ってた、今では五柱にも選ばれているシズルお姉さまがサポートだぞ?普通はないよな」
 シズルはそっと立ち上がるとナツキのそばに立った。
「ん?」
 と見上げるナツキの顔を、敵を相手にする時くらいしか見ることがないであろう険しい顔で睨んでいた。
「・・・へ?」
 何が何だかわからない状況にナツキは戸惑う。
「えと・・・何だ?シズル、そんな怖い顔して?」
「ナツキ・・・」
「は、は、はいっ」
 思わずシャキンと姿勢を正す。
 学園に入学して初めてシズルに声をかけられた時のことを思い出した。
「あんたはわかってへん、ナツキ」
「な、何が?」
「アンタはうちに憧れてたゆーてたね?」
「それはその・・・ん・・・そう、だ」
 オトメになりたいヤツでシズルに憧れないヤツはいなかったと思う、昔も、そして現在も。
「せやけどうちのお部屋係りになってどない思った?」
「え?あ、その・・・なんだ・・・ヘンなヤツだなと」
「失礼やわぁ」
 少しだけシズルの頬が緩む。
 それを見て一瞬ホっとするナツキ。
「でも、それがうちどす。そない表面だけ取り繕ってるようなうちはホンマのうちとちゃいます」
 心なしか寂しそうな表情を浮かべるシズルに、思わずナツキはイスを蹴って立ち上がった。
「あ、その、す、すまないシズル」
 眉を寄せてちょっと泣きそうな顔でナツキが謝る。
「え?」
「あ、いや、そうだよな、シズルは成績優秀で先生からの評判も良くて、後輩にも慕われて・・・そんなシズルのお部屋係りになってわたしは、シズルに恥をかかせないようにしようと必死だったのに、おまえはそんなこと気にもしていなかったよな」
「どうでもよかったからどす、どんな成績やろうと、どんな評判やろうとナツキはナツキですから」
「うん、そうなんだよな、そう言われて何度救われたか知れない」
 特に成績が悪かったわけではないのだが、舞衣に一度も勝てなかったのと、どこかガサツな動きが多かったことをよく注意された。
 そのたびにヘコんでいたナツキをシズルはいつも励ましてくれていた。
「ナツキはかわいい後輩でしたから、うちが守ったらなて思ってたんやけど、でも知らん間ぁにこない立派になってしもて」
 シズルは少しだけ自分より低い位置にあるナツキの頭をなでた。
「アンタはうちの誇りどす」
 ニッコリと微笑んでそのままそっと抱き寄せると、ナツキの長い髪を梳いてやる。
 ナツキの体はシズルの胸の中でカチンコチンに固まってしまった。
「え?あの・・・その」
「ナツキ?うちはアンタのことが好きやけど、アンタを守りたいと思うのはそれだけやあらへんのは覚えといて」
「あ、う、うん」
「ナツキは、そらちょっとヘタレなとこあるけど、でもこの学園を守れるんはアンタしかおらへんねんから自信持ちぃ」
「あ・・・りがと、シズル」
「ん、わかればよろしいねん、自分がアカン子ぉやとかそないなこと思わんでよろしいからね」
「あぁ、わかった」
「わかればよろしい」
 やっとのことでナツキを解放すると、
「ほな、お仕事しましょか」
 と席に戻ろうと踵を返す。
「あっ・・・」
「え?」
「えっとその・・・」
 モジモジと言葉を濁すナツキをシズルはキョトンと見つめる。
「な、なんでも・・・ない・・・」
 顔を真っ赤にして俯いてしまうナツキの元に、シズルはふっと笑うと舞い戻ってきた。
「どないしたん?ナツキ」
 きゅっと再びシズルの胸の中におさめられたナツキは、今度はしっかりと離さないように腰に腕を回した。
「もう少し・・・」
「ん?」
「もう少しだけ・・・このままで・・・」
「お安い御用どす」
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Date:2008/08/24
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