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もしもからきっと

のぞえり卒業前






「うちな、時々思うねんよ」
 希がポツリと呟く。
 紅茶を片手にどこか遠くを見つめている。
 窓から射し込む夕陽が希の横顔を照らす。
「もしも・・・もしもえりちに出会ってなかったら・・・うち今頃どうしてたかなぁって」
「なぁに?突然」
「もしもえりちに出会ってなかったら、うちは今頃ここじゃないどっかで寂しく1人で過ごしてたんかなぁって」
「希・・・?」
「そしたらきっとμ'sにも出会ってなかったしやろし・・・ううん、μ's自体存在せーへんかったかもしれへんね」
 ソーサーにカップを置くと、ふわりとどこか寂しそうに笑う。
「急にどうしたの?希」
「ううん、何でも無い、ごめんな」
 何かを我慢している時の顔だわ。
 わたしは希の隣に移り、1つしかない椅子に無理矢理半分腰掛けた。
「えりち?狭いよ」
 そんな苦情はおかまいなしに希の肩を抱いてコツンと額を触れ合わせる。
「希・・・寂しいの?」
「え?」
「わたしたち卒業したら、別の大学に行くことになるものね」
「別にそういうわけじゃ・・・」
「もしかして、出会わなければこんな寂しい想いしなくて済んだのに・・・とか思ってる?」
「え?」
 目を丸くする希。
 どうやら図星だったようだ。
 グイっと両頬を手で包み込んで無理矢理わたしの方に向けると睨む。
 ちょっと怒ってるわよわたし。
「無理よ、希」
「何が?」
「もしも出会わなければって考えるだけ無駄!だってわたしたちはどんな人生を歩んで来たとしてもきっと出会っていたわ。出会って、一緒に夢を追いかけて、そして恋をしたわ」
「えりち」
「わたしには希に出会わなかった人生なんて・・・希に恋をしなかった人生なんて考えられないもの」
 くしゃりと希の表情が崩れた。
 あ、泣いちゃう。
 そう思った時には希の瞳からぽろぽろと大粒の涙が次から次へと溢れだした。
「えりちの・・・あほぅ」
「希?」
「何で・・・ひっく・・・何でそんなかっこいいこと・・・言うんよぉ」
「泣かないでよ」
「うちちゃんとわかってる・・・っく・・・学校違うようになったら毎日会えんようなるし、それが寂しくても我慢せなあかんのわかってる。でもいっぺん出会ってしまったから・・・ひっく・・・えりちのそばにいた毎日が眩しかったから・・・1人に戻るのが怖い」
 つられて泣きそうになる。
 いつもどこか大人びていて、自分の気持ちを抑えてでも人の為に動こうとする希・・・わ
たしの幸せを考えてばかりいてくれた希がここまでわたしを困らせるなんてね。
 頬から手を離すとそのまま首に腕を回して抱きしめる。
「希・・・大丈夫よ」
「えりち?」
「わたしはこの先もずっと希を照らし続けていくわ。眩しくて寝られないって言われてもそれでもずっと希に暗闇なんか見せない。わたしは希の光になる。だからもう泣かないで」
 わたしの肩に顔を埋めて泣きじゃくる希の涙はしばらく止まりそうもない。
 思う存分泣かせることにして背中を撫でる。
「えりち・・・大好き・・・えりち、えりち・・・」
 何度も名前を呼ばれるたびに泣きそうになる。
 希のことが好きで好きでたまらない。
「希・・・一緒に暮らしましょう」
「え?」
「毎日一緒にいて、毎日笑って暮らすの・・・どうかしら?」
「えぇの?ありさちゃんおるのに」
「もうすぐ両親が帰って来るの、そしたらわたしはお役御免だから、その時は一緒に暮らしましょう?それまで待てる?」
 コクリと小さく頷く希。
「いい子ね、希」
「ん・・・がんばる」
「ふふっ、毎日メールもするし電話もする、もちろん出来るだけ会いにも来る」
「えりちがんばりすぎや」
「頑張った分は希に甘えるから大丈夫よ」
「ははっ、あははっ、えりちらしいわ」
「そうかしら?」
 やっと笑顔になった希をもう一度抱きしめる。

 大好きよ希。


 もしも

 から

 きっと





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Date:2016/01/14

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