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隣にいてよ

のぞえりです
ポンコツチカです





 「希に会いたい」


 転勤族の両親と離れ、高校生になってから1人で暮らしている希。
 どうやら両親が休みになったらしく、久しぶりに会いたいと新幹線のチケットを送ってきたそうだ。
「練習休んじゃうけどごめんなぁ」
 そう言って希は週末の三連休、両親に会う為に旅立った。

「ちょっと絵里?いい加減にしなさいよ!シャンとして!」
 ハッと我に返る。あれ?あたし今何してた?
「また振り間違えてたよ?絵里ちゃん」
 穂乃花にツッコまれる。
「ごめんなさい」
 はぁ〜っとこれみよがしに大きなため息をつくにこ。
「希が休んで半日しか経ってないのよ?1日も我慢できないとかどんだけ依存してんのよ!」
「だって・・・ずっと隣にいたんだもん。何か変なのよいないと、調子が出ないの」
 あたしを見る全員が怪訝な顔をする。
「絵里ちゃん」
「絵里?」
「エリー」
 みんながそれぞれに呼ぶ。
 やめて、そんなに見ないで。
「わかってるわよ!ごめんなさいもう大丈夫!次は間違えない」
「お願いしますよ絵里」
「ごめん海未、もう一回」

 練習を終え、下校する時になってもやっぱり隣に希はいなくて。
 今日あったこととか、練習の事とか、たわいもない話をしながら2人で並んで帰っていたこの時間が好きだった。
 ビルの谷間に沈む夕陽を見つめる。
 いつも2人で見ていた夕陽。
「あと2日・・・か」

 翌日もやっぱり調子は出なくて。
 さすがに初日に電話なんかして親子水いらずの邪魔をするのも申し訳ないからぐっと我慢した。メールも控えた。
 こんなことは初めてだった。
 電話もメールも、顔も見ないなんてことも。

「絵里!!!」
 にこの怒声が飛んで来る。
「あんたねぇ、いい加減にしなさいよ?何度も何度も同じところで!」
「ご、ごめんなさいにこ」
「はぁ〜もうやめ!一旦休憩にしましょ!」
「そうだね、絵里ちゃん調子出ないみたいだしね」
「絵里、大丈夫ですか?」
「大丈夫よ・・・って言えないわね、ごめんなさい」
「エリー、希に電話したら?」
「だって・・・せっかくご両親と楽しんでいるのに悪いもの」
「でも少しくらいなら・・・」
 するとみんなの背後から声が聞こえた。
「あ、希?どう?ご両親と楽しんでる?ーーそっか、こっちはもうめんどくさいことになっててさぁーーえ?ーーそう!あんたのせいだからね!ちょっと代わるわーーはい」
 差し出されたのはにこの携帯電話だった。
「え?」
「早くでなさいよ」
「あ、うん」
 電話を受け取るとみんなのいない踊り場に移動して座り込んだ。
『もしもしえりち?』
「あ、うん」
『どうしたん?元気なくない?』
「うん・・・」
『あーわかったぁうちがおらへんから寂しいんやろぉ』
「うん」
『え?』
「寂しいの・・・希がいない隣が寂しくて泣きそうになるわ」
『えりち・・・』
「ごめんなさい、心配かけたくなかったのに・・・ごめんね?ごめんね希」
『えーりち』
「・・・」
 膝に顔を埋めて自己嫌悪に陥る。
 どんだけダメな子なのよあたし、こんなに心配かけて。
 希の邪魔をして、みんなの練習の邪魔をして・・・情けないわ。
『えりち』
 再び聞こえる声。
「えりち、こっち向いて」
 ・・・こっち?
「えりち」
 ・・・あれ?この声どこから。
 ゆっくり顔を上げる。
「え?・・・夢?」
「ただいま、えりち」
 目の前で希が微笑んでいた。
「おかえり・・・ってえ?何で?今電話・・・え?ここから?」
「落ち着いて、そんなわけないやろ」
 クスクス笑う希の手には携帯電話が握られていた。
「にこっちから電話あった時、もうこの近くまで帰って来てたんよ」
「そうなの?でも帰り明日じゃなかったの?」
「そうなんやけどな」
「え?何かあったの?ご両親とケンカでもしちゃった?」
「いやいやそうじゃなくって」
「でもじゃあどうして?」
「うーん・・・寂しかったから?」
「え?」
「えりちがいなくて寂しかったから帰って来ちゃった」
「えぇ???」
「うちもえりちと変わらんよ、ずっと1人ぼっちでやってきて慣れてるはずやのに、えりちが隣にいないことがこんなに寂しいことやったなんて思えへんかった。自分でも驚いたわ」
「希・・・」
 希の手が伸びて来る。
 抱きしめられ、スリスリと頬をすり寄せられる。
「うちあんまり両親にワガママとか言わないようにしてたんやけど、久しぶりにワガママ言うたわ」
「うん」
「両親に会うのなんか半年ぶりやったのにな、それよりもえりちに会いたいから早よ帰らせて欲しいって・・・うちどんだけえりち好きなんよ!って自分でツッコんだやん」
 ふふっと耳元で笑う。
「あたしも・・・希がいないだけで自分がこんなにダメになるなんて思わなかった・・・ポンコツで何やってもダメで、希の声が聞きたくて、希に会いたくて・・・」
 ボロボロと涙が溢れて来る。
「希ぃ」
 背中を抱きしめようとしたその時だ。
 バーンと屋上のドアが開くと大きな声が聞こえた。
「あれーーーー?希ちゃんだぁ!どうしたの?帰り明日じゃなかったかにゃ?」
 慌てて離れると、溢れる涙を見られないようにゴシゴシと袖で拭く。
「あ、うん、ちょっと早く帰って来ちゃった」
「そうなんかにゃ?やったー!早く一緒に練習しよ!」
 強引に腕を引っ張って屋上に連れ出された希。
 それと代わるようにしてにこが入って来た。
「知ってたの?」
「何が?」
 手にしていた携帯を受け取ると、まだ座り込んでいるあたしを見下ろす。
「希が帰って来ること」
「知らないわよ、ただ報告しただけ」
「報告?」
「希がいないせいであんたがポンコツになったってことよ!」
「にこ・・・ありがとう」
 手を伸ばして立たせてもらう。
 勢いよく立ち上がるとそのまま一度にこを抱きしめる。
「にこ、大好きよ」
「ば、ばか!こんなとこ希に見られたら・・・ぎゃ!」
「にこっちーーーーー?うちのえりちと何してんのかなぁ?」
「ちが、これはこいつが勝手に・・・ってきゃーーーーー!!」
「わしわしMAXーーーーー!」
「うふふ、さーーーって練習練習!張り切って行くわよ!」
「絵里ーーーーーーっ」
 


 希、今度ご両親に会いに行く時はあたしも連れていってね。
 え?一緒に行くの?
 えぇ、希と離れるのはイヤだし、でも希がご両親と会えなくなるのもイヤだもの。
 だからって・・・。
 どっちにしてもいずれ会いに行かないといけないしね。
 何で?
 希をあたしにくださいって言わなきゃ、それがスジでしょ?
 ・・・えりちのあほう・・・なんでたまにカッコいいんよ。




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Date:2016/01/10

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