Planetarium SS置き場

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□ まこレイ □

ようこそ

クロさんからのリクエストでまこレイです
まぁ実写設定だわなー今更やけど(笑)







 初めて会った時、あたしとルナは彼女に何かを感じた。
 仲間かどうかはまだわからなかったけど、それでも彼女がバカ男たちに酷い目に合わされたと聞いて、いてもたってもいられなかった。
 ただでさえ男には頼りたくも媚びたくもないくらい幻滅しているのに、あぁいうのを見ていると本気で腹が立つ。
 しかも彼女自身があたしとは正反対で、一見男らしい風なのに実は誰よりも乙女で、結構男に恋しちゃうもんだから何だか余計に腹が立つのかもしれない。
 だけど・・・。
「レイ!ごめん待った?」
「待った!」
「ごめんってばー10分くらいだろ?」
「あたしは10分前に来たから20分よ」
「それはまぁレイが早すぎるんだって」
「ふんっ」
「行こう!クレープ奢る」
「クレープで済むとは思わないでよね」
「・・・マジ?」
「ディナー、ごちそうしてくれるわよね?」
「キ、キッチン木野へようこそ?」
 コクリと頷いた。
「はいはい、お安いご用ですよ」
 呆れたように首を振るけど、どこか嬉しそうに笑う彼女の料理の腕はそこらへんのシェフにも負けていないと思う。
 亜美ちゃんと一緒に家出した時に作ってくれた重箱弁当は本当に美味しかったし、彼女の料理はあったかかった。
 もう随分食べていなかった家庭料理という奴で。
 一度食べたら他の店の料理なんてどうでもよくなる。
 だからあたしは何かにつけ彼女に料理を要求するようになった。
「たまには外で食べたいと思わないの?ロマンティックな夜景を見ながら~とか憧れない?」
「憧れない」
「あ、そ。レイってさ、美人なのにもったいないよね、もうちょっと愛想よくしたらモテるだろうに」
「モテなくていいわよ」
 あなた以外にはね、という言葉は飲み込んだ。
「ふーん、まぁいいや、何食べたい?何でも作るよ」
「何でもいいわよ、まことが作る料理なら」
「へぇ~」
 あたしの言葉がよほど意外だったのか、少し目を丸くする。
「何よ?」
「いやいや、何でもない」
 満更でもなかったのか、嬉しそうに笑った。


 結局街中をブラブラするのを早々に切り上げてあたしたちは買い物を済ませ、まことの家に向かった。
「どうぞ、そこ座ってて」
 リビングのソファに座り、キッチンに立つ彼女の後ろ姿を見つめる。
「まこと、今日はごめん」
 背中に話しかける。
「へ???何?何かした?ってか何かされた?あたし」
 キョトンと手を止めて振り返る。
「あたしはうさぎみたいに遊ぶの上手くないから、まことが行きたいところにあまりつきあえなくて」
「あぁ、何だそんなことか」
「でも・・・」
 キャベツを持ったまま、まことはあたしのそばに来てしゃがむ。
「あのねぇ、そんなことしたかったらうさぎでも誘うって」
「え?」
「レイと一緒にいたいって思ったから誘ったんだよ、レイと一緒だったら街だろうか家だろうか構わない・・・それに」
「え?」
「レイってさ、やたらとあたしの料理食べたがるじゃない?それがさー嬉しいんだよね」
「嬉しい?面倒だなとか思わないの?」
「思うわけないじゃん!あたしは両親がいなくなってから自分で何でもやんなきゃいけなくなって、でもまぁ好きだったから全然苦じゃないんだけど、それでもさ、誰かに自分で作ったモノ食べてもらいたいじゃない?一人で食べてもつまんないしさ」
「ん」
「だから嬉しいんだ、レイがいてくれて」
 あたしの隣に腰かけるとふわりと笑う。
 あたしだって子供の頃に母を亡くしたし、父もずっと家にいなくてほとんど一人だったけど、彼女みたいにはなれなかった。
 どんどん自分の世界に閉じこもっていったし、誰にも心を開かなかった。
 家事だってあまりしなかったし、誰かにそばにいて欲しいとも思わなかった。
 ましてや結婚しようなんてこれっぽっちも思わなかった。
「レイも何か色々大変そうだしさ、あたしの料理食べて元気出してよ!」
 あ・・・ダメだ。
 気づいた時にはあたしはまことの腕にしがみついていた。
「え???何?どした?」
「なんでもないわよ」
「いや、何でもないって感じじゃない・・・んだけど・・・って泣いてんの?レイ」
「泣いてない!」
「そっかぁ・・・」
 その後はただずっと黙ってそばにいてくれた。
 あたしが落ち着くまでずっと。


「落ち着いた?」
「ん」
「ご飯作るよ」
 コクリと頷くが、中々腕を離せないでいた。
「レイ」
「・・・」
「レイ、こっち向いて」
「・・・」
「お願いだから、さ」
 ゆっくりと顔を上げた瞬間、あたしの唇に柔らかなモノが触れた。
 何が何だかわからなくて呆然とする。
 今触れたそれが彼女の唇だったと気づいたのは、数秒たってからだった。
「ちょ、え?」
「へへっ、ご飯作ってくるね」
 逃げるように立ち上がった彼女の頬が、気のせいか紅潮して見えた。


 向き合って食事をしている間、何事もなかったように接して来る彼女の真意がわからなくて困惑しつつも、彼女の作ったロールキャベツを味わった。
「どう?」
「美味しい」
「よかった!自信作なんだ」
 食べやすいように一口大の大きさにしてある肉汁たっぷりのロールキャベツは本当に美味しかった。
「あたしはまことみたいになれなかった」
「え?」
「一人ぼっちになっても誰も恨まず、こうして人に優しく出来るまことは凄いと思う」
「そう・・・見える?」
 コクリと頷く。
「当時は結構恨んだけどなー何であたしを一人にしたんだよー!って。何であたしも一緒に連れてってくんなかったのかなって」
「そうなの?」
「そりゃね、子供だったしね。その反動かな、早く結婚したくてしょうがなかった。早く一人の生活から抜け出したくてさ。料理はその手段だったんだよね、よく男は胃袋で釣れって言うじゃない」
 男という言葉にズキンと心臓が痛む。
 でも彼女の次の言葉に驚いて顔を上げた。
「まっさかレイが釣れるなんてねー」
 ニヤニヤと意地悪そうに笑う彼女の指に、チョンっと鼻の頭をつつかれた。
「え?」
「大物ゲット!」
 テーブルの上にあったあたしの手がそっと握られた。
「・・・って思ってもいいかな?」
「釣った魚にエサをやらないと、逃げちゃうわよ」
 グイっと掴まれた手を引かれ
「イヤっていうほど与えるよ」
 と、耳元で囁かれるともう一度、今度はちゃんと向き合ってからキスをした。





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Date:2015/08/02

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