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□ サイコパス六唐 □

忘れられないキス

サイコパスです
某ドラマの吉瀬さんの台詞から引用です







 大きな事件が終わり、やっとのことでしばらくぶりの休暇を得た。
 明日はのんびりしよう。
 プシュっと分析室の前に立つと自動扉が開いた。
「志恩」
 くるりと椅子を回しながらタバコを灰皿に押し付ける。
「あら弥生、もう終わりな・・・え?」
 最後まで言わせないまま志恩を正面から抱きしめた。
「弥生ちゃん?」
「弥生」
 今からかわれたい気分じゃない。
「ごめん、どうしたの弥生?疲れちゃった?」
 ポンポンと背中を叩かれる。
「そうかも」
「そっか」
 背中から髪に移った手が、今度は優しく撫でてくれた。
 タバコの匂いがする。
 その手が名残惜しいけど、ゆっくりと離れた。
「ごめん、志恩も忙しいのに甘えちゃって」
「いいのよぉあたしも弥生のそんな顔見られて嬉しかったし」
 頬に伸ばされた手を取ると、手の甲にくちづける。
「あたし明日・・・休みなんだ」
「あらそうなの?奇遇」
「え?」
「あたしもなの」
 するりと手を抜くと、その手があたしの顎に添えられ、嬉しそうに唇を重ねてきた。
「後で行くわ」
「・・・待ってる」


「弥生ってばホントに疲れてたの?」
「ん・・・」
「そうは思えないくらい激しかったんだけど?」
 ベッドでタバコを吹かしながら頬杖をついてあたしを見る。
 腕で顔を隠しながら志恩へと視線を向ける。
 ニヤニヤとからかうように笑っていた。
 タバコを取り上げ、サイドテーブルの灰皿へと押し付けた。
 そのまま組み敷くと、まだまだ飢えを満たせていないあたしは志恩の唇を貪るように奪う。
 ピチャピチャという水音だけが響く。
 キスだけで蕩けるほど気持ち良くなれるのは志恩だけだ。
「ん・・・やよ・・・ふぅっ」
「ん」
「んもう、まだ・・・足りないの?」
「足りないわ」
「しょうがない子ね」
 言って今度は志恩からキスをしてくれた。


 志恩と初めてキスをした時のことは忘れない。
 疲れた身体を引きずって、分析室に資料を取りに行ったあの日。
 慰めるつもりのキスだったのかもしれない。
 癒してくれるためのキスだったのかもしれない。
 情報分析の女神様はあたしの過去も知っていたし、性癖も知っていたから女がキスしても怒らないとでも思ったのかもしれない。
 真意はわからなかったけど、あの時志恩が言った言葉は忘れない。


「女には死ぬほど忘れたいキスと、死んでも忘れたくないキスがあるの」

 と。
 じゃああたしとのキスはどっち?と問うても、さぁねと笑うだけで答えてはくれなかった。
 だけどあたしは忘れられなかった。
 忘れられなくて、もう一度この不思議な感情のワケを知りたくて、毎日分析室に通ったけどそれっきり志恩がキスをしてくれることはなかった。
 それほど我慢強くもないあたしが、それでも1ヶ月我慢してとうとうしびれを切らし、半ば強引に口づけたのが2度目で、それからの志恩との全てが忘れられないキスになった。
 

「ねぇ志恩」
「なぁに?弥生ちゃん」
「初めてのキス、覚えてる?」
「んー?いつだったかしらぁ?あたしの部屋だった?職場だっけか?」
「本気?」
「冗談よ」
 シレっと煙を吐きながら答える。
「え?」
「分析室であたしがあなたにしたのが最初、1ヶ月後に強引に奪われたのが2度目」
「覚えてたんだ?」
「死んでも忘れたくないからねぇ」
「え?」
 頬を撫でられる。
「惚れた相手とのキスだもの」
「志恩・・・」
 忘れられなかったのはあたしだけじゃなかったんだ。
 執行官という檻に入れられたただの猟犬であるあたしには、嬉しいとか楽しいとかいう感情は消えてなくなっていたと思ったけど、それでも志恩といる時間はあたしにわずかながら感情を取り戻してくれる。
「でも弥生、よく一ヶ月も我慢したわよね、もうちょっと早いかなと思ってたもの」
「後にも先にもあんなに我慢したことはなかったわ」
「へぇ〜光栄に思っていいのかしら?」
「そうね」

 そしてあたしたちは忘れられないキスを重ねる。



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Date:2015/06/14

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