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□ まこ×亜美 □

無茶

久しぶりのまこ亜美です
なんとなくです








「乱暴はやめてください!」
「何をー?関係ないヤツは引っ込んでろよ」
「引っ込みません!」

 塾から帰る途中、路地裏で絡まれている少年を見かけてしまった亜美は、一瞬躊躇したものの、意を決して止めに入った。
 それがいい解決策だったのかどうかの判断が咄嗟に出来なかった。
 気づいたら飛び込んでいた。

「じゃあ代わりに小遣いくれる?」
 少年を解放っすると、今度はあたしにターゲットを変えた。
「そんなものありません!」
「なんだよーじゃあお金いいからさ、つきあってよ」
 グイっと手首を掴まれる。
「イヤです!離して!!」
 いくら暴れても離せないくらい強い力で掴まれ、初めて恐怖を感じた。
「こーんなか弱い力じゃ逃げられないって」
 ニヤニヤ笑う男に、自分の力の無さを今更ながら痛感した。
 目を閉じて顔を背けた、その時だ。
「何やってんだ?」
「え?」
「誰だてめぇ?」
 ツカツカツカっと近寄って来たかと思うと、あたしの手を掴んでいた男の腕を強引に捻り、後ろに締め上げた。
「痛ぇっちくしょー何だ?おまえ」
「か弱い子相手につまんねーことしてんじゃないよ!」
「まこちゃん???」
「ヤル気だったらあたしが受けて立つけど?あたしに勝とうなんて考えない方がいいよ、あたし強いから」
「っるっせーよ」
 必死でもがくがまことの腕力の方が勝っているのか逃げ出せない。
「二度と亜美ちゃんに近づくな!」
 ドンっと放り投げると、男はわたわたと慌てて逃げ出していった。
 ふぅっと息を吐くと、くるりとこちらを振り向いたまことはもう笑顔だった。
「大丈夫?亜美ちゃん」
 差し伸べられた手を取る。
「まこちゃん・・・ありがと」
「でも亜美ちゃん何があったの?危なかったじゃないか」
「ん、男の子が脅されてて・・・見て見ぬふりはできなかったの」
「そっか、でもさ、人呼ぶとか出来たでしょ?」
「・・・ごめんなさい」
「ん・・・あたしこそごめん、キツいこと言っちゃった」
 誰もいない路地裏をいいことに、まことがふわりと抱きしめてくれた。
「でもあんまり心配させないでよ、心臓止まりそうになったよ」
「うん・・・」
「今塾の帰り?」
「ん」
「送るよ」
 まことはそっと手を握ると一緒に歩き出した。


「あの、まこちゃん上がってって」
「え?でももう遅いよ」
「今日ママ帰らないの」
「夜勤?」
「ん」
「じゃあ・・・ちょっとお邪魔しようかな」
 まことを連れて部屋に上がった。
「久しぶりにお邪魔するね、亜美ちゃんち」
「そうね、いつもまこちゃんちにお邪魔してばかりだものね。あ、今紅茶入れるわね」
「あ、うん、ありが・・・」
「?」
 気づくとまことがそばに立っていた。
「まこちゃん?どうしたの?」
「亜美ちゃんそれ・・・」
「え?」
 まことの手が亜美の手首に触れた。
 さっきの男に掴まれたところに痣と引っ搔き傷が出来ていた。
「あ・・・」
 まことは悲しそうに眉を寄せた。
「痛い?」
「少し」
「手当するよ」
「大丈夫よ」
「大丈夫じゃないよ!」
 今度は少し怒った顔で見つめられ、あたしは観念した。
 救急箱を取りに行き、まことの前にちょこんと座らされる。
「まさかあたしが亜美ちゃんの手当をする日が来るなんてね〜」
「そうね、いつも逆だもの」
「だよね・・・ごめんね」
「え?どうしてまこちゃんが謝るの?」
「多分・・・いつも心配させてたよね?」
「そう・・・ね」
 まことが傷ついて帰って来るたびに心が痛んだ。
 心配で心配でしょうがなかった。
「いつもこんな想い、させてたんだね」
「ん」
 手当を終え、救急箱をパタンと閉じる。
「あのさ、聞いてもいい?」
 おずおずと聞きにくそうに言葉を濁す。
「何?」
「どうしてあんな無茶したの?」
「あの・・・まこちゃんならそうするかなって・・・あたしには無茶だっていうのはわかってたんだけど、でも・・・」
「あちゃーあたしのせいか」
 ペチンっと自分の額を叩く。
「違うの!そうじゃなくって・・・あの・・・まこちゃんに憧れてたの」
「憧れてたぁ?」
「まこちゃんならあぁいうの絶対許さないし、見逃したりしないだろうなって」
「そりゃぁ・・・ねぇ」
 ぽりぽりと照れくさそうに頬を掻く。
「でもさ、何ていうのかな?あたしは慣れてるから平気だけど、やっぱり亜美ちゃんには無茶だよね」
 淡々と諭され、コクリと頷く。
「亜美ちゃんには亜美ちゃんのやり方、あるだろ?」
「ん」
「でもさ・・・」
「ん?」
「ありがとう、いつもあたしを見てくれて」
 ふわりと微笑まれ、鼓動が跳ね上がる。
 そして今更ながら怖くなって、あの時まことが来てくれなかったらと思うと泣きそうになるのを唇を噛んで我慢する。
「亜美ちゃん」
 ポンポンと頭を撫でられた。
「大丈夫だよ」
「まこちゃん・・・」
「だからさ、無茶しないでね」
「まこちゃんこそ・・・」
「反省してます」
 顔を見合わせると、クスリと笑いあう。
「あーーーーでもやっぱ腹立つなーあたしの亜美ちゃんにあんなヤツが触れたなんてさ!今度見かけたらぶっ飛ばす!」
「まこちゃん!乱暴はダメよ」
「でもぉ〜」
「ダメ」
「はぁい」
 渋々頷くまことの頬を撫で、懇願するように見上げる。
「そのかわり、今日はずっとそばにいて?」
「・・・いいの?そろそろ帰らなきゃと思ってたんだけど」
「やっ・・・」
 ふるふると首を振る。
 泣きそうになった。
 今まことがいなくなるのは耐えられないかもしれない。
 不安が顔に出たのか、そんなあたしの手を取るとそっと傷口にキスをしてくれた。
「わかった、亜美ちゃんが怖くなくなるまでずっとそばにいるよ」
 やっぱり見透かされている。
「そばにいるから安心しな」
「ん」

 まこちゃんはまこちゃん、あたしはあたし。
 あたしにはあたしに出来ることをしよう。
 









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Date:2014/12/04

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