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□ シズル×ナツキ □

休日出勤

ナツキにとってシズルがどんだけおって当たり前の存在なのか問われたね、OVAでは。




「はぁぁぁぁっ」
 大きなため息が、学園長室に響き渡る。
 ガルデローベ学園長・ナツキ・クルーガーは額にシワを寄せて呟く。
「・・・眠い」
 ゴンっ!
 目の前の書類の上に額が落ちる。
「あ痛っ」
 いたたたっと頭を上げて打った額を自分でさすると、再び大きなため息をつく。
 今度は自ら机に頬を乗せてダランっと両腕をだらしなくぶら下げた。
 彷徨う視線が書類の束を捉えてた。
 ポトンとペンを落とすとコロコロと転がっていくが、それを拾う気力も最早ナツキには無かった。
「ずるいよなぁ」
 再び出る今日何度目かの大きなため息。
「どうぞ」
 ペンを拾ってくれた手に、ナツキはそのままの格好でお礼を言う。
「あぁ、ありがとうシズル」
「どういたしまして」
「・・・!?」
 そう答えた声にガバっと顔を上げる。
  「え?あ、す、すまないヨウコ!」
 白衣を身に纏ったヨウコが書類を持って立っていた。
「一応ノックはしたんですけどね、こちらこそシズルさんじゃなくてごめんなさい」
「あ、ちがっ別にわたしは・・・」
 ふふっと含みのある笑いを浮かべると、ヨウコはペンをナツキの手の平に乗せる。
「シズルさんは?」
 いつも必ずといっていいほどナツキのそばにいるはずのシズルの姿が、部屋のどこを見回しても見えないことに首を傾げた。
「あぁ、ちょっとな」
 なぜか真っ赤になった顔で、チラチラとヨウコが入ってきたドアとは違うもう一つのドアに視線を送る。
 ナツキのプライベートルームにつながっているドア。
「ふぅん」
 ニヤリと唇の端を上げて笑うと、ナツキの視線を追う。
「な、な、何だ?」
「いえ・・・あら、お疲れですか?学園長、何だか目の下にクマが・・・」
「え?あ、いや、べ、別に疲れてなんか・・・!」
「あらぁ?こんな所に赤いアザが」
 ナツキの横にしゃがむと首筋をチョンと指さす。
「!!!」
 ガバっと首筋を押さえて長い髪を振り乱す勢いで振り返る。
 顔はもうこれ以上沸騰しようがないほどに赤く染まっていた。
 あたふたともう何をどうしたらいいやら混乱しまくりの学園長の書類は散らかす、再びペンは取り落とすの動揺っぷりが、それはもう気持ちいいくらいだった。
 あははっと涙を浮かべて笑うヨウコ。
「ヨ、ヨウコ!」
 自分がからかわれたことに気づいたナツキはむす~っと問う。
「・・・で?何か用なのか?」
「用が無かったら来てはダメですか?」
「仕事中だ」
「あら、お仕事中?」
 全然仕事をしていたとは思えない散乱した真っ白な書類に目を落とす。
「あ、や、こ、これはこれからやろうと・・・!」
 散らかった書類を慌ててかき集める。
「それはそれはお邪魔しました、学園長さま。とりあえず報告書置いておきますね」
「う、あぁ」
 ナツキは書類を受け取る。
「じゃぁシズルさんによろしく」
 意味深な笑みを浮かべてもう一つのドアに視線を送り、出て行くヨウコをナツキは冷や汗タラタラで見送った。

  ☆

「はぁぁぁぁっ」
 一人になった瞬間、全身の力が抜けたように再び大きなため息をつくナツキ。
「そない大きなため息ついてたら幸せ逃げて行きますぇ?ナツキ」
 ふわりといい香りがしたなと思った瞬間には、背後から抱きしめられていたナツキは思わず悲鳴を上げた。
「うわぁぁっ!こら!シ、シズル?」
「えらいヨウコはんと楽しそうどしたなぁ」
「た、楽しくなんかない!全くぅ」
 ブツブツと文句を言うナツキにシズルは笑いかける。
「エライご機嫌ナナメどすなぁ」
「誰のせいだ、誰の」
 散らかした書類の束をまとめながらムスっとぞんざいに答える。
「うちどすか?えらい心外やわぁ」
 少しスネたようにスリスリとナツキの髪に顔を埋めて甘えるシズルに、ナツキは顔を上気させながらも必死で理性と戦っていた。
 だが、シズルの匂いがナツキの理性を崩壊させようとする。
 ナツキの意識が一瞬遠のいた・・・が、死ぬ気で抵抗を試みる。
「だーーーーーっ!お、お前は休みだからゆっくり眠れていいけどな!わたしは溜まった仕事があると言ったハズだ」
「えぇ、聞きました」
「いつもの通り早く起きなきゃいけないって言ったよな?」
「えぇ、ゆぅてましたな」
「なのにお前は!そのぉ・・・」
 何を思い出したのかナツキの思考回路が突然ショートした。
 真っ赤になったまま言葉を続けられず、俯いてしまった。
「ナツキ?もしかしてイヤやったんどすか?」
 ひょこっと抱きしめたままナツキの顔を覗き込むシズルの顔は眉を寄せ、その瞳がまた捨てられそうな子犬みたいで・・・ナツキを惑わす。
「いやっ、そのっ、イヤとかそういうことじゃなくてだなぁ・・・そのぉ・・・」
 しどろもどろになってシズルを斜めに見上げようと首を回す。
 そこにはナツキの次の言葉に何かを期待するかのような満面の笑顔。
「あ・・・えと、そのぉ・・・うん」
 最早何が言いたいのかもわからなくなっているナツキにシズルは声をあげて笑う。
「ふふふっナツキかいらしなぁ、アンタがそないなんやからうち・・・ガマンできまへんでしたんよ」
「なっ!?」
 ふぅっと耳元に吐息を吹きかけると、ツッゥっとナツキのアゴのラインを指でなぞる。
 ビクンっと肩を震わせ、ギュっと力一杯目を瞑るナツキはシズルのされるがままになっていた。シズルの指は妙な魔力を持っているのか、ナツキが逆らえないのは学生時代から変わらない。今までに何人の女性達がこの魔力に骨抜きにされたのか詳しくは知らないが、恐らくナツキだけではないだろう。
 ・・・現在はともかく・・・だ。
「お仕事手伝います」
「・・・こんな状態で仕事になんぞなるかっ」
「こんな状態?どんなん?」
 わかっててからかうシズルの流すような視線がナツキを絡め取る。
「・・・ばか」
 その熱い視線から逃れようと理性を総動員させながら、顔を伏せて必死でペンを走らせるナツキにシズルは
「褒め言葉とおもときます」
 ニッコリ微笑み、天邪鬼なナツキの言葉を前向きに受け取ると、やっとのことでナツキを解放した。
 傍らに積み上げられている書類の束を手にする。
「これ、ハンコ押したらよろしんやね?」
「う、うむ」
「早よぉ終わらせて今日の仕事は終わりにしまひょ。せっかくの休みなんやから」
「ん・・・」
 仕事を早く終わらせたいのか終わらせたくないのか微妙に悩むナツキだったが、結局シズルの魔法・・・いや、技から逃れることが出来ないことは自分が一番よくわかっていた。
「疲れるんだよな、シズルは容赦ないから・・・」
 ナツキ学園長の休日出勤はこれから・・・なのかもしれない(笑)
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Date:2008/08/23
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