Planetarium SS置き場

□ スポンサー広告 □

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


* 「スポンサー広告」目次へ戻る
*    *    *

Information

□ 夏実×美幸 □

パートナー

セカンドのラストの方まで来ました。
この話はそれで書きたくなっただけなので続きません!
次にはまたシレっと普通に夏実がいることでしょう(笑)
まぁそれだけです!パラレルです!まーいいじゃないか!はっははー!








「特殊部隊・・・か」
 課長から話をもらった時、正直興味が湧いた。
 もっと自分の力を試せるかもしれないと思った。
 でも、そうすると必然的にやって来るのが、墨東署を出て行くということで、当然美幸とも離れなきゃいけないという現実。
 わかってた。

「美幸、あたし・・・行くね」
「うん・・・頑張って」

 美幸に話すと案外アッサリ送り出してくれた。
 こっちが拍子抜けするくらい。
 でも・・・それが強がりだってことは感じてた。
 わかってたはずなのに。

「わかったようなこと言わないで!」

 墨東大橋の下でそう言って泣きながらあたしの頬を叩いた美幸を見て、あたしは自分の馬鹿さ加減を痛感した。
 寂しくないわけがない。
 ただ言えなかっただけだ。
 あたしの負担にならないように必死に我慢してただけだ。
 そんな美幸の気持ちも考えないで、あたしは責めたんだ。
 でも・・・現実からは逃げられない。
 美幸が寂しがるから行かないなんてこと、絶対しちゃいけないことなんだ。



 夏実の頬を張った手が痛い。
 何度も喧嘩はしたけれど、手を挙げたのは初めてだったし、夏実の前で涙を見せたのも初めてかもしれない。
 ずっとコンビを組んで来たのに、一緒に色んな事件を解決してきたのに夏実だけが認められている気がして悔しくて。
 それに夏実がいないことで自分がいかに無力だったかを思い知らされたから。
 一緒に特殊部隊に行きたいとかそういうことではない。
 ただ・・・そう、寂しかっただけだ。
 それを見透かされたから・・・情けないことに八つ当たりだった。
 夏実に合わせる顔がなくて、あたしは課長に進言した。

「夏実とのコンビを解消してください」

 夏実が怒るのはわかっていた。
 わかっていたけど、今は一緒にいられない。
 自分の気持ちにケリをつけなきゃいけないから、あたしは自分の仕事に没頭した。



「美幸!どういうことよ!コンビ解消だなんて!」
「課長の指示よ」
「嘘!美幸がお願いしたんでしょ!」
「だったらどうだっていうの?」
「何よそれ・・・」
「話はそれだけ?じゃ、あたし忙しいから」
「ちょっと美幸!」
 もう残り少ない時間を美幸と過ごせない。
 このまま仲直りも出来ないまま離れるの?
 そんなことできない!!
 それでも仕事は尽きなくて、次から次へと事件は起こる。
 でも美幸・・・本当にこのままでいいの?



 沙織ちゃんが怪我をした。
 夏実と仕事をしている最中の事故だ。
 夏実は責任を感じている。
 そしてあたしも・・・あたしがあんなことを言い出さなければ起きなかったかもしれない事故だ。
 幸い怪我は大したことはないけど、このままでいいわけがない。
 でも今戻るわけにはいかない。
 あたしはあたしの仕事をしなくちゃいけないから。
 自分の道を見つけなきゃ、夏実の相棒だなんて名乗れないから。
 今やるべきことをやる。
 夏実に話すのはそれからだ。



 あたしたちは暴走車を捕まえた。
 美幸が一生懸命自分の足で調べたデータで作ったマップが役に立った。
 美幸にそこまでさせ、あろうことか子どもを守ろうとした美幸を危うく轢くところだった暴走車に死ぬほど腹が立った。
 頭に血が昇って車を全力でひっくり返してやったわ!
 そんなバカなあたしの手に治療をしてくれながら美幸が話してくれた。

「あたしだけ中途半端なまま、自分の気持ちもわかってない。それを夏実に言われたからって八つ当たりして・・・このままあたしだけ置いて行かれるのはイヤだもの・・・歩きださなきゃ」 

 吹っ切れた顔であたしにきちんと向き合ってくれた。
 こんな暴走ばっかして美幸を困らせてばっかりのあたしにちゃんと。



 墨東大橋の下で美幸を待った。
 きっと来る。
 会ったら今度こそちゃんと言おう、ちゃんと聞こう。

「夏実?」
「おっそーい!待ってたよ」
「ん」
「帰ろう?」
「そうね」
 差し出した手を握る美幸の手はあったかくて。
 本当は離したくない・・・。
「ねぇ美幸」
「なぁに?」
「あのさ・・・ごめんね」
「え?」
「あたしやっぱ特殊部隊に行くけど・・・でも!」
 振り返ったあたしの唇を美幸の人差し指が止めた。
「いいの・・・今ならちゃんと言えるわ、いってらっしゃい」
「いいの?」
「いいも何も夏実の決めたことでしょ?あたしは止めないし、止めたくない。それにあたしたち、そんなことで壊れる関係じゃないわよね?」
「うん!」
「どこにいても、何をしていても、あたしにとって夏実は一生パートナーよ。でもね・・・夏実に負けたくないの」
「ん」
「あたしも頑張らなきゃ」
「あたしも・・・あたしも!美幸以外パートナーは考えられない!だから美幸に負けないように、美幸に釣り合うように成長して帰ってくるから・・・だから・・・」
 言葉が出て来ない。
 ただぎゅっとその身体を抱きしめた。
「ちょ、痛いわよ夏実」
「ごめん、でも今手加減できない」
「んもう」
 言いながらも美幸の手が背中に回され、抱きしめ返されているのを感じる。
 それと同時にあたしの肩が濡れているのも。
「美幸って意外と泣き虫だよね」
「・・・ばか」



「明日から向こうでしょ?いいの?」
「だからじゃない」
「でも」
「あたしの体力、知ってるでしょ?」
 えぇ、誰よりも知ってるわ。
「遅刻しても知らないわよ」
 あたしの部屋で、あたしのベッドで、あたしは夏実と抱き合った。
 これで最後だとは思わない。
 でも、どれくらい会えなくなるのかわからないのは事実で。
「美幸に起こしてもらうから大丈夫」
「何しても起きないくせに」
「起きるもん!」
「もう・・・起こしてあげられないんだからね・・・ちゃんと毎朝自分で起きなさいよ」
「わかってるよ・・・」
 寂しそうな顔で、夏実は何度もあたしを抱いた。

 
「夏実」
 少しだけ寂しそうな目で上から見下ろす夏実の首に腕を回し、抱き寄せるとキスを強請る。
「珍しいじゃん」
 揶揄うように笑って、でもちゃんと答えてくれて。
「ん・・・ふっ・・・んんっ」
 ぴちゃぴちゃと舌が絡み合う音が響く。 
「み・・・ゆき・・・んっ・・・」
 触れ合う肌の温度がさっきより熱く感じる。
 互いに離れることを惜しむように何度も何度も角度を変えながら続く、永遠にも思える今日何度目かのキスの嵐。
 脳が蕩けそうだった。
 そのまま夏実が首筋に顔を埋めたかと思うと、すぐに小さな痛みを感じた。
「痛っ」
「我慢してよ」
「え?」
「あたしのモノだってちゃんと印つけとくんだから」
「印?」
「あたしがいないからって浮気なんかしたら許さないから」
 つけられた印なんてきっと時間がたてば消えてしまう。
 でも心につけられた印は一生消えない。
 あたしは夏実のモノ。
 それでいい。
「じゃあ、あたしもつけていい?」
「いいよ」
起き上がった夏実があたしの身体を起こすと向き合った。
夏実の首筋に唇を寄せると強めに吸い付いた。
「んっ」
「痛い?」
「平気」
夏実の首筋についた赤い痕に触れる。
「こんなのすぐに消えちゃうのにね」
「そうだね」
「でも・・・浮気なんてしないから心配しないで」
「そ?怪しいと思ったらいつでも帰ってくるからね!」
「くすくす、なら浮気しちゃおうかな」
「ばっ何言ってんの?ダメダメダメ!!」
「冗談よ」
「ったくー冗談キツいって」
 顔を見合わせて笑う。
 そのまま再びベッドにごろりと寝転がると、夏実があたしの肩を抱き寄せて囁いた。
「ねぇ・・・あたしがいなくなったらこの家・・・広くなるね」
「そうね、またルームシェアでも探そうかしら」
「え?」
「1人じゃ広いし物騒だし・・・いっそのこと気分転換に引っ越し考えてみようかしら」
「ダメ」
「え?」
「家賃はちゃんと振り込むから、だからここにいて欲しい。ここは元々美幸の借りた家だしわがままかもしれないけど・・・」
「・・・ばかね、冗談よ」
「え?」
「そのかわり、家賃はちゃんと振り込んでよね」
 チョンっと鼻をつつく。
「うん!!約束する!」

 明日からあたしたちはそれぞれの道を進む。
 でも今はそれでいい。
 それがあたしたちだから。



スポンサーサイト

* 「夏実×美幸」目次へ戻る
*    *    *

Information

Date:2014/10/19

+
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。