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□ 夏実×美幸 □

充電〜美幸〜

思いつきの美幸視点(笑)
続くとか言うといてすいません。
書きたくなったから置いて行きます。




 美幸は疲れていた。
 このところ大きな事件が続いていて、ほぼ署に詰めっぱなしだった。
 たまに帰れるとしても良くて寝るだけ、悪くて今のように着替えに帰るだけだ。
 あたしの仕事はパソコンを使っての追跡作業。
 そして夏実は外で犯人を追う。
 一緒にいる時間はほとんどなかった。
 家でも職場でも・・・だ。
 遠目でたまに視線が合うだけで会話もほとんどできなかった。
 重い身体を引きずるようにドアの前に立って、ゴソゴソとカバンの中の鍵を探していると、突然ドアが開いた。
「あ・・・!」
「あ、美幸」
 夏実が着替えて出かけようとしていた。
 またすれ違い。
「おつかれ、今終わり?」
 疲れた顔で力なく笑う。
「ううん、シャワー浴びて着替えたらまた行くわ」
「そっか」
「夏実は?今から?」
「ん」
「キツいわよね、実際」
「だね」
 何となく黙り込む。
 視線が絡む。
 少しだけ微笑んでみた。
 気持ちが揺れて、そして思いもかけない言葉があたしの口から飛び出した。
「ね、夏実」
「ん?」
「ちょっとだけ・・・一緒にいられない?」
「え?」
「少しでいいの」
「あ、うん」
 夏実の横をすり抜けるとリビングに向かった。


 背負っていたカバンを下し、勢いよくソファに座り込む夏実。
 いつもの夏実の定位置だ。
「あーーー疲れた」
 大きく伸びをする夏実の隣に腰を下ろすと、肩に頭を乗せた。
 夏実の手があたしの肩を抱いてくれる。
「いつまで続くのかね」
「そうね」
「部屋、散らかす余裕もないよね」
「あら、いいことじゃない?」
「えー?そっかなー」
 あははっと楽しそうに笑う夏実の笑顔を見上げる。
 ふっとその笑顔が消えたかと思うと、寂しそうに眉を寄せた。
「でもさ・・・美幸とすれ違うのは辛いよ。一緒に暮らしてるのに・・・同じ職場に勤めてるのにどこでも一緒にいられないのは、さ」
「そうね・・・」
 同じ気持ちだったんだ・・・。
 きゅっと夏実のTシャツを握りしめて身を寄せた。
 夏実のぬくもりを感じた瞬間、あたしの中の何かがキレた。
 両手を夏実の首に回してぎゅっと抱きついてしまった。
「ふぇ?」
 動揺した夏実の声を無視して更に力を込めると、観念したのかあたしの背中を優しく撫でてくれた。
 少しずつだけど力が戻ってきた気がする。
「どしたー美幸?」
「・・・充電中」
「へ?」
「もう少しだから」
「そっか・・・じゃあ」
 イタズラっこのように笑うと
「急速充電!!」
 と、いつものようにあたしが痛がらない程度に力を込めて抱きしめてくれた。
「きゃっ」
 戯れながらソファに倒れ込むと、あたしに馬乗りになっている夏実を見上げた。
「夏・・・実?」
「うん?」
 優しい笑顔。
「あたし頑張るから・・・終わったら・・・」
「終わったら・・・?」
 口に出そうか出すまいか一瞬悩む。
 視線を泳がせるが、意を決してもう一度見上げた。
「ずっと一緒にいて」
「ずっと?」
「一日中」
「そーんなこと言っちゃっていいのぉ?後悔しない〜?」
 どういう意味で口にした言葉だったのか伝わったみたい。
 おちゃらけた返事だったけど、夏実の頬がうっすらと染まっているのを見逃すあたしじゃないわ。
 後悔なんてするわけがない。
 小さくうなずいた。
 夏実が少しソワソワしだしたかと思うと、ぎゅっと唇を噛む。
 理性を総動員させているのだろう。
 夏実はホント力加減ができないんだから。
 あたしは親指で唇の端から滲んでいた血を拭って、そこに唇で触れた。
 血の味がするキス。
「もう少しだから・・・ね?」
 自分自身に言い聞かせる。
 我慢が出来ないのはあたしの方かもしれないから。
「わかった」
 晴れ晴れした顔で立ち上がる夏実。
「あたしそろそろ行くね」
「ん、ごめんね引き止めて」
「いいっていいって」
 カバンを背負うと玄関に向かう夏実を追う。
 靴を履いて振り返った夏実。
「じゃあ・・・お先に」
「いってらっしゃい」
 言ったかと思うと、ぎゅっとあたしの手が引っ張られる。
 突然のことに反応できずにバランスを崩した瞬間だ。
 夏実の唇があたしの唇に触れた。
 そのまま少しだけ長く味わうような、離れるのを惜しむかのようなキスの後
「いってきます」
 と出て行く夏実を見送った。


 空っぽになっていたあたしの中が夏実で溢れる。
 充電完了満タンだ。






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Date:2014/09/18

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