Planetarium SS置き場

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□ 夏実×美幸 □

最強コンビ

ただの通りすがりさんのリクエストで書いてみました。
お気に召したら幸いです。

基本美幸視点。
時々夏実視点。

では







 MIYUKI

「おっはよーあれ?美幸一人?夏実は?」
「起こしたんだけどね」
「またぁ?しょうがないなぁ」
「ホントに」
 呆れている頼子と共にため息をついていると、背後からいきなり声をかけられた。
「辻本はまぁた遅刻かぁ?」
「か、課長?すいませんあたしがついてながら」
「しょうがないヤツだなぁ、ところで小早川、お前に客だそうだが」
「あたしに?あ、すぐ行きます」
 
 受付に向かうと遠くの方から声が聞こえた。
「おーい!美幸ーーー!大変だ!」
「まほがいなくなったんだ!一緒に探してくれよ!」
 ゆうたとしょうが美幸を見つけると大きく手を振りながら駆け寄って来た。
「え?まほちゃんが?どうして?」
「公園で遊んでたら変な男が連れてったんだ」
「え??ちゃんと話して」
 2人と同じ目線になるようにしゃがむと落ち着かせた。
「3人で遊んでたら変な男が来て、おれたちにお菓子あげるからついてこいって言ったんだ。でもいっつもそんなおとなにはついていっちゃダメって言われてたから断って逃げようとしたんだ。そしたらまほだけ捕まって・・・美幸ぃ助けてくれよ」
「わかったわ、とりあえず公園に行きましょ。車に乗って」
「おう!!」
「あれ?夏実は?」
「後で来るわよ、きっと」
 頼子に夏実への伝言を残して、トゥデイの後部席に2人を乗せると現場に向かった。

「で、その男はどんなヤツ?」
「おれ見たことあるぞ!河原のとこにいるの見たことある!」
 とゆうた。
「おれも!あそこのベンチに座ってるの見たことある!」
 今度はしょうが答える。
「ホームレスかしら」
「コート着てた」
「野球の帽子かぶってた!」
 子どもらしい曖昧な証言が続く。
「どっちに行った?」
『あっち!!』
 2人同時に指差した方はやはり河原の方向で。
「わかった、2人は危ないからここで帰って。絶対まほちゃんは助けるから!」
「え〜」
「おれたちもいくよ!」
「ダメよ、助けたら必ず知らせるから」
「わかった・・・じゃあおれたち夏実呼んでくる!」
 2人は墨東署に向かって駆け出した。
「あ、ちょっと!」
 あっという間に見えなくなってしまった。

 2人が指差した方には河原がある。
 そしてあの裏手には放置された廃屋がいくつか存在している。
 もしかしたらあの辺りに隠れているのかもしれない。
 あたしはトゥデイに乗り込むとそこへ向かった。
 隣に夏実がいないことは少し不安だが今は一刻を争う。


 NATSUMI

「うわーーーー遅刻だ遅刻だぁーーーー!」
 更衣室で雑に着替えたままの夏実に向かって頼子がチョップをお見舞いした。
「遅い!夏実のばか!」
「え?え?どしたのみんな?」
「まほちゃんがいなくなったのよ!誘拐されたかもしれないって」
「え??」
「遅いぞ夏実!社会人として情けないぞ!」
「そうだそうだ!美幸を見習え!」
 ゆうたとしょうにまで責められ小さくなるしかなかった。
「ごめんなさい・・・っていうか誘拐って!!!大変じゃん!」
「だからそう言ってるでしょ!!」
「美幸は?」
「公園までは一緒だったけど」
「わかった!行ってみる」
「もしかしたら河原の方かもしれないぞ!そっちに逃げたって言ったから俺たち」
「了解!」
 RZで美幸の元に向かう。
「頼子!中嶋くんにも連絡して!」
「わかった」


 MIYUKI

「あそこかしら・・・」
 廃屋の前に車が止まっていた。
 中から見えないところにトゥデイを置くと、そっと近づく。
 車中は無人だったが、後部座席にはまほちゃんが抱いていたと思われるぬいぐるみが落ちていた。
「まほちゃん」
 建物の周りをぐるりと回り、窓を探す。
 見つからないように中を覗くが、その部屋には誰もいなかった。
 ドアに背を預け、耳をそばだてるがどうも1階にはいないようだ。
  ゆっくり開けると中に滑り込む。
  2階へと続く階段をゆっくりと上がって行くと、人の気配がした。
「大人しくしてろよ」
 さるぐつわをかまされているまほちゃんの姿が見えた。
 おびえているようで、目に涙を浮かべて震えながら小さく頷いている。
 犯人は後ろを向いている。
 今がチャンスかもしれない。
 あたしは銃を構えて飛び出した。
「手を挙げて」
 背中に銃を向けた。
「誰だ!」
「警察よ!未成年略取誘拐罪で逮捕します」
 手錠をかけ、手すりに繋ぐとまほちゃんの拘束を解いた。
「もう大丈夫よまほちゃん」
「美幸おねえちゃん!」
 ぎゅーっと抱きしめられ、ぬくもりを感じると抱きしめ返した。
 
 まほちゃんをトゥデイの乗せると無線で連絡を取る。
 夏実がこっちに向かっているらしい。もう着く頃だ。
 きちんと施錠してもう一度犯人を連れに戻る。
「まほちゃん、もうすぐ夏実が来るからそれまで絶対に出ないでね」
「うん」

 もう一度2階に上がり、うなだれている犯人の手錠を手すりから外そうとしゃがんだ時だ、背後に人の気配を感じて振り返った。
 が、時すでに遅く、いきなりガツンと頭部に衝撃を受けた。
 倒れ、薄れ行く意識の中、振り返ったそこにはもう1人男が立っていた。
 2人いたんだ・・・。
 そのまま意識を失った。

 気がつくとあたしの手はさっき犯人を繋いでいた手すりに手錠で繋がれていた。
「え?」
 ガチャガチャと無駄な抵抗を試みるが外れる気配もない。
 夏実のように力任せに引きちぎることも出来ない。
 銃も奪われている。
 必死で頭を働かせるが混乱していて何も思い浮かばない。
 心の中で相棒の名を呼ぶ事しか出来なかった。
 夏実はきっと来る・・・きっと来てくれる。
 そうこうしているうちに、突如階下で爆発音が聞こえ、衝撃で建物が揺れた。
「夏実!」
 あたしは再び気を失った。


 NATSUMI

「トゥデイだ」
 隣にRZを止めると中を覗き込む。
「まほちゃん!」
「夏実おねえちゃん!」
「無事?美幸は?」
「中に戻って行ったよ」
「犯人は?」
「まだ中にいる」
「わかった、もうすぐ中嶋くんが来るからこのまま待ってて・・・」
 最後まで言う前に、突如廃屋から爆発音が響き渡った。
「え・・・・・・?」
 1階の入り口から火柱が上がっている。
「ちょ、美幸!??」
 慌てて廃屋に向かうとすれ違いに黒い車が走り去った。
 美幸は乗ってなかった。
 ・・・ってことは。
「美幸ぃぃぃぃっ!!!」
 入り口から中に飛び込むが行く手を火の海に遮られている。
 一度外に出てまだ火が回ってない2階の窓に続く電柱をよじ上る。
「美幸!」
 中で美幸が手すりと手を手錠で繋がれ気を失っていた。
 窓をぶち破る。
 ガシャンと砕け散り、その音で美幸が目を覚ましたみたいだ。
「なつ・・・み?」
「今助ける!」
 手錠を力任せに引きちぎると抱きしめた。
「遅くなってごめん」
「ホントよ・・・ばか」
 弱々しい声でそれだけ言うとうっすら笑った。
「でも信じてた」
「ん、大丈夫?」
 言いながら頭を撫でる。
 後頭部が少し腫れていた。
 あたしの頭に血が昇る。
「うん、まほちゃんは?」
「今頃中嶋くんが保護してる」
「そう・・・」
「脱出するよ!ここもそろそろ危ないから。立てる?」
「ん」
 差し出した手を取って立ち上がる。
「消防が来てる、飛ぶよ!歯ぁ食いしばって」
 見下ろすと下にマットが敷かれていた。
 あたしは美幸をもう一度背後から抱きしめると、そのまま背を向けてマットに向かって落下した。
 ぼすんという音と共にクッションの衝撃を受ける。
 同時に放水が開始された。

 立ち上がったあたしたちはこの場を消防に任せてトゥデイに乗り込んだ。
「発信器仕掛けてるから」
「さっすが美幸」
 あたしたちはトゥデイを走らせた。

 
 MIYUKI

「いた!あの車よ!」
「この先に追い込んで!モトコンポ出す!」
「お願い!」
 モトコンポを取り出すと反対方向に走り出しながら組み立てる夏実。
「行くわよ!」
 あたしたちは犯人の車を挟み撃ちするために回り込んだ。

 逃げまわる車をあたしたちは廃工場に追い込んだ。
「さぁて追いつめたわよ?」
 車を降りると犯人の車に近づいたが中にはすでに人影もなかった。
「夏実!気をつけて」
「わかってる!」
 背中合わせに立つと辺りに視線を這わせる。
「いる?」
「わね」
「出て来なさい!もう逃げられないわよ!」
 それに反応するように物陰から男が出て来た。
 一度あたしが逮捕した男だ。
「ちっ、助かりやがったのか」
「あんたねー!誘拐だけならいざ知らず、放火に殺人未遂も追加だからね!」
「知ったことか!もうヤケだ!」
 大声を上げてナイフ片手に突っ込んで来た男から夏実があたしをかばうように立ちふさがり、相手の腕を掴んで捻り上げた。
「うおっ」
「ありゃ、簡単だったわね」
 取り押さえながら夏実が拍子抜けしたように気を抜く。
「いっちょあがり」 
 あたしは男の身柄を受け取ると、両手に手錠をかけて振り向いた。
「気をつけて!もう1人いるから!」
 と注意した瞬間だ、夏実の背後にその男が現れた。
「夏実!後ろ!」
 あたしが叫んだ時にはすでに夏実の後頭部に拳銃が突きつけられていた。
「夏実!」
「そいつを離せ」
 撃鉄を起こし、仲間の解放を要求した。
「美幸!離しちゃダメよ!」
「うるさい!早くしろ!!頭吹っ飛ばされたいか!」
「離したら怒るからね!」
 夏実が睨む。
 その視線を受けて立つ。
 コクリと小さく頷くと、ふっと肩の力を抜いてふるふると首を振った。
「はぁ〜調子に乗って気を抜くからよ。油断大敵。いつも言ってるでしょ?」
「何よぉ美幸だってさっき捕まってたじゃない!あたしがいなかったら死んじゃってたよ?」
「あれはその、しょうがなかったのよ」
「あ〜言い訳〜ずるい〜」
 そんなあたしたちの会話にイライラした犯人がキレた。
「ふざけるな!!!さっさとしろ!!」
 瞬間、夏実がスっとしゃがみこんだ。
 その隙をついてあたしは拳銃を構えて犯人の顔に向けて発射した。
 パンパン!
「うわっ!!」
 犯人の顔にペイント弾が命中した。
 夏実が拳銃をたたき落とし、そのまま一本背負いを決める。
 夏実のフルパワーで投げられたらひとたまりもないだろう。
 あたしたちは2人の前に立ちふさがった。
「もう逃げられないわよ、観念なさい」
「墨東署最強コンビのあたしたちから逃げられると思ったら大間違いだからね!」
「まほちゃんを怖い目に合わせた罪」
「あたしの相棒を酷い目に合わせた罪」
『キッチリ償わせてあげるわ!』

 こんな時なのに笑みが洩れる。
 夏実と一緒だってことがこんなに頼もしいなんてね。
 ふっと隣の夏実を見ると、同じように笑っていた。

 遅れて到着した仲間に犯人たちを引き渡してあたしたちの捕り物は終わった。


「ねぇ夏実」
「何?」
「どうして笑ってたの?」
「え?いつ?」
「犯人を追いつめた時」
「あぁ・・・美幸と一緒だったら怖いものなんかないんだなぁと思って」
「そう、ね」
「美幸を失うかもって思ったら・・・そっちの方が怖かった。もう少し遅れてたらと思うとゾっとするわ」
「え?」
「あたしが遅刻したせいで美幸を怖い目に合わせた。ごめん」
 真面目な顔で深々と頭を下げられて少しだけ驚く。
 夏実の手をきゅっと握ると指を絡ませた。
「でもね・・・怖かったけど夏実はきっと来てくれるって信じてた」
「え?」

「だって相棒だもん・・・でしょ?」






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Date:2014/08/17

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