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□ まこ×亜美 □

特別な日のはじまり

まこ亜美です
いっちゃんはじめの作品です




 オルゴールの音と共に妖精たちが、からくり時計の中から飛び出してくると午前0時を告げた。
 特別な日の始まりだった。


「まこちゃん、お誕生日おめでとう」
 2人がけの、いわゆる“ラブソファ”に座るあたしの隣でニッコリ微笑んで、あたしがこ世に生を受けた日を祝ってくれるのは、あたしが世界で一番大切に思ってる女の子だった。
「ありがとう亜美ちゃん」
「まこちゃんももう18歳なのねぇ」
 しみじみかみしめるように呟く亜美ちゃんが何だかおかしかった。
「亜美ちゃんだってとっくじゃん」
「…3ヶ月だけだもん」
 ぷくっと少しふくれっつらをする彼女がかわいくてしょーがないんだってば!
 あたしはそんな亜美ちゃんの柔らかいほっぺをつんつんと突つくと、次第にふわっと亜美ちゃんの頬が徐々に緩み出した。あと一息だ!っとあたしは頬を突ついていた指をそのままつつーっと脇腹に持って行き、亜美ちゃんのデッドポイントをつんつんと突ついて見た。
「きゃぁっ」
 亜美ちゃんが身体をよじって悲鳴を上げる。

 あたしは調子にのって今度は指の関節ををわきわきと動かすと、思いっきりくすぐってみた。
「ヤダっまこちゃん!やめてぇ~」
 身体を丸めて回避しようとする亜美ちゃんを執拗に追いかけると、あたしはいつのまにか亜美ちゃんを押し倒す態勢になってしまっっていた…。
「えへへ~もうスネない?」
「ん」
 頬を染めて涙目でコクンとうなづく亜美に、ちょっとやりすぎたかな?と反省したあたしは、亜美ちゃんのりんごのように紅く染まった頬にチュっと音を立ててキスをする。
「はは、ごめんごめん」
 あたしはニッコリ微笑むと、キュっと亜美ちゃんを抱き起こした。

  ☆          

 あたしの淹れたカフェオレを2人で飲みながら、しみじみと振り返る。
「出会ってからもう4年なんだねぇ、早いや」
「ホント!まだ中学生だったものね」
「若かったよなぁ」
「ヤダまこちゃんったら、私達まだ18歳よ?」
「さっき“もう18歳”って言ったの誰さ」
「…わたし」
 あははっと素直に見とめる亜美がやっぱりかわいくって、あたしは思わず笑ってしまった。
 ―――実は誰よりも独占欲が強くて、寂しがりやで、でも妙に頑固で、意地っ張りで、怒らせたら誰よりも怖くて…でもそんな亜美ちゃんがあたしは愛しいんだ。
 そんなとこも全部好きで、ずっとそばにいてくれたらな…と思う。
 あたしにはもうこの世に両親はいないし、兄弟姉妹がいるわけでもないいわゆる天涯孤独ってヤツだけど…だからかな?あたしは人のぬくもりに飢えていたんだと思う。
 一人でも大丈夫って言い聞かせてきたけど、でもやっぱりそんなわけがないんだ。
 それを埋めてくれたのが亜美ちゃんだった。
 あたしが一人なのを気遣ってくれてか、よくお母さんが夜勤でいないからとか言って訪ねてきてくれるようになった。
 一緒にごはんを食べるようになった。どんどんその回数が増えて行くにつれ、あたしの心はどんどん亜美ちゃんに惹かれていくのを実感していた。
 あたしの心の中のほとんど全てを亜美ちゃんが支配するのに、そう時間はかからなかった。
 はじめは『家族愛』みたいなものかな?と思ってたけど、どうもしっくりこない。
 『恋愛?』というには同性だし、『仲間』っていうとうさぎちゃんたちもそうだし、でもうさぎちゃんたちとは、ちょっと違う、特別なんだよな~。
 そうこうしてるうちに、初めてこの街で迎えることになった15歳の誕生日…亜美ちゃんが0時丁度に電話をくれたんだ。泣いたなぁ、あの時は。亜美ちゃんオロオロしてたもんなぁ。
 今から行くからっていう言葉に甘えたかったけど、そんな夜中に女の子一人歩きさせるわけにはいかないからさ、断ったんだけどすっごい嬉しかったんだ。
 あれからだよな、毎年こうやって誕生日には絶対来てくれるようになったのは。
 あたしに泣かれるのはもうイヤだって…あたしが泣いてるときにそばにいれない自分がイヤだって。
 そんな亜美ちゃんの気持ちがうれしくて、16歳の誕生日には亜美ちゃんの目の前で泣いちゃったっけなぁ。
 あたしは“若かりし頃”を思い出しながら笑いを浮かべると、カフェオレに口をつけた。
 亜美は不思議そうな顔でまことを見上げる。
「どうしたの?まこちゃん」
「ん?ううん、なぁんでもない」
「えぇ?ずるいわ」
「何がだい?」
「何ってえっと…なにかしら」
「何だそれ」
 あたしは再び声を上げて笑う。
 亜美ちゃんは顔を真っ赤にして、膝を抱えるとカフェオレを口に運んでいる。
 ―――時々亜美ちゃんて面白いんだよな! 頭が良くて、かわいくて、恥ずかしがりやで、マジメで、優しくて…そんな亜美ちゃんがやっぱり好きだなぁ。
 17歳の誕生日、プレゼントは何がいい?っていう亜美ちゃんからの問いに、あたしはまぁ冗談半分というかなんというか、つい『亜美ちゃん』って言っちゃったんだよなぁ…。
 今思えばスゴイこと言ったような気がするけど…。

 で、今度はあたしが亜美ちゃん泣かせちゃったんだっけ…あたしがオロオロしちゃったもんね。
 ―――ずっと望んでた。
 そう言った亜美ちゃんの半泣きの顔が、あたしは忘れられないよ。たぶん一生ね。
 …で、現在の関係に至るんだけど…。

  ☆

 あたしは去年のことを思い出しながら、隣で膝に顔を埋める亜美ちゃんをジーっと見下ろす。
『ねえ…』
 ふっとあたしを見上げる亜美ちゃんと目が合うと、同時に声を発する。
『え?』
 再び声がハモる。
「あはは、なんだい?亜美ちゃん」
「え?あの、まこちゃんは?」
「いいからさ、何?」
「あの…今年は誕生日プレゼント…どうしようかなって…」
「え?さっきくれたじゃん」
 あたしはきょとんと、亜美ちゃんからのプレゼントだった、カフェオレの注がれた揃いのティーカップに視線を向ける。
「えっと…その…そうじゃなくって…」
 言いにくそうに俯くと、何やらゴニョゴニョと呟いている。
「顔…真っ赤だよ、亜美ちゃん♪」
 あたしはニヤリっと笑って、プニっと亜美ちゃんの頬をつつく。
「や!?まこちゃん!…もしかして…わかってて?」
「うん!」
 亜美ちゃんの言いたいことはわかってる。でもちょっとだけいじわるしてみたくなっちゃったんだよね。
 亜美ちゃんのスネた顔もかわいいんだもん。
「もう…!知らない!」
 プイっとそっぽを向いちゃった亜美ちゃんを、なだめるように肩を抱き寄せる。
「ごめんごめん、亜美ちゃんがあんまりかわいいからさ!」
 あたしは亜美ちゃんの頬を追うと、キスを送る。
 亜美ちゃんがこっち向いてくれるまでやめないもんね~。
「ん…まこ…ちゃ…わかったからぁ」
「へへ、ね、亜美ちゃん…キス…してよ?」
「まこちゃん?」
「ダメぇ?」
 んっと一瞬考え込んだ亜美ちゃんが、カフェオレをテーブルの上にコトンと置くと、ふっとソファの上に膝で立つ。
 あたしよりも高い位置からあたしをギュっと抱きしめる。
 丁度あたしの顔が亜美ちゃんのお腹のあたりにくるくらいの位置だ。
 えへへ~っと幸せ気分満載のあたしは亜美ちゃんを見上げる。
「もう…まこちゃんったら」
 頬を染めた亜美ちゃんの顔が至近距離に迫る。
 唇が重なる。
 一瞬だった。
「ねぇ亜美ちゃん?」
「うん?」
「今年は笑顔で送れそうだね、あたしの誕生日」
「くす…そうね」
 そして再びあたしたちは唇を重ねた、長い長い時間をかけて。

 初めて笑顔で迎えられた2人で過ごす誕生日は、あたしにとってはやっぱり特別な日の始まりだった。
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Date:2008/08/21
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