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□ まこ×亜美 □

仔猫ちゃん

突発まこ亜美です。
何となくです!
あたし初めて書いたんじゃね?はるかさんとみちるさん(笑)
ではでは








 シトシトと降り続く雨の中、塾の帰り道を歩く。
 天気のせいかいつもより夜道が暗く感じる。
 やっぱり迎えに来てもらえばよかったかな。
 少し不安に感じた時だ、どこからともなく弱々しい声が聞こえてきた。

 みゃぁ

「え?」
 きょろきょろと声の主を探して視線をさまよわす。
 空き地の隅にボロボロの小さな箱が放り出してあった。
 そろそろと近づいて覗き込むと、三毛の仔猫が雨に打たれて震えていた。
「やだ!こんなに弱って!」
 ドロドロになった仔猫を抱き上げると持っていたハンドタオルでくるむ。
 どうしようと一瞬考えて浮かんだのはただ1人で、あたしはその人に電話をかけた。
 数分後、その人は大きな傘をさして駆けてきた。
「亜美ちゃん!大丈夫?」
「まこちゃん!ごめんね呼び出して」
「いいよいいよ、とりあえずうち行こう」
「ん」
 持って来てもらった数枚のタオルでくるみ、まことの傘に一緒に入れてもらってまことのマンションに向かった。


「寒そう」
 水気を出来るだけ拭い、新しい箱に毛布を敷き詰めて寝かせた。
 鳴き声は弱々しく、いつ命の火が消えてもおかしくない。
「大丈夫かなこの子」
「酷いよなこんな小さな子を捨てるなんてさ!」
 あたしたちは黙って見ていることしか出来なかった。
 

 時折小さく鳴く声に起こされながら、ほとんど一睡もしないまま朝を迎えた。
 うとうとと睡魔が襲いかかって来るのを必死で堪える。
 隣を見るとまことも同じように船を漕いでいた。
「大丈夫?仔猫ちゃん」
 箱を覗き込む。
 寝息が落ち着いている。
 昨夜の苦しそうに鳴いていた姿はもうなかった。
「まこちゃん!」
「ふぇ?」
「峠、越えたみたい」
「ホント!??やった!」
 一緒に覗き込む。
 まことの顔がぱぁっと明るく笑った。
「ホントだー気持ち良さそうに寝てるね」
「うん」
「でも一応獣医さんに診てもらおう」
「そうね」
 あたしたちは病院が開くと同時に駆け込んだ。


「よかったねー点滴で済んで」」
「ん、ホントによかった、帰ってあったかくして寝かせておけば大丈夫みたい」
 抱えている箱の中でスヤスヤ眠る仔猫を見下ろす。
「応急処置がよかったって。さすが亜美ちゃんだね」
「そんなことないわ、まこちゃんに来てもらえてよかった。うち昨日は1人だったし不安だったの」
「亜美ちゃんが真っ先に連絡してくれて嬉しかったよ。でもさ、この子どうしよっか?あたしのマンションペット禁止なんだよねぇ」
「そう・・・よね」
 現実問題に直面する。
「この子が元気になったら飼い主探してみよっか」
「うん!」
「それまでは管理人さんに許可もらうからさ」
「ありがとうまこちゃん」
「なんのなんの」
 頼もしく笑うまことに改めて見惚れる。
「どうしたの?亜美ちゃん」
「え?あ、ん、まこちゃんはやっぱり優しいなと思って」
「え〜?何いきなり」
「ふふっ」
「改めて言われると恥ずかしいじゃない」
 照れるまことを見上げて微笑んだその時だ、あたしはいきなり後ろから誰かに拘束された・・・というより抱きしめられた。
「きゃっ」
 仔猫の入った箱を落としそうになるのを何とか堪えた。
「ちょ、誰だ!」
 血相を変えたまことが振り返る。
「やぁ仔猫ちゃんお揃いで」
「はるかさん????」
 まことの怒りのボルテージが一気に下がる。
「え?はるかさん?」
 拘束されたまま振り返ろうとすると、はるかに覗き込まれる。
「相変わらず仲がいいね。おふたりさん」
「はい、まぁ」
 複雑な表情で答えるまこと。
「おや?本物の仔猫ちゃん?」
「そうなんです、昨日弱ってるの見つけて保護したんですけど」
 すっかり抱きしめられていることも忘れて亜美が仔猫を見下ろす。
 そんなあたしを見てまことがおそるおそるはるかに向かって声をかける。
「あの、はるかさん」
「ん?何だい?」
「そろそろ・・・亜美ちゃん離してもらえませんか?」
「え?あ、ごめんごめん」
 やっとのことで離れてくれると改めてはるかに向き直り、箱の中の仔猫を見せる。
「おやおやよく寝てるね」
「この子の容態が安定したら飼い主を探さないといけなくて」
「2人の家は飼えないのかい?」
「どっちもペット禁止なんです」
「そうかぁ・・・じゃあボクが引き取ろうか?」
 突然の申し出に驚いて顔を上げた。
『ホントですか??』
 声が揃う。
「ただし・・・こっちの仔猫ちゃんも一緒に貰っちゃうけどいい?」
 そう言うとあたしは髪を撫でられ、引き寄せられるとチュっと頬にキスをされた。
 驚いてチラリとまことの顔を伺う。
 あ・・・怒ってる。
 はるかさんははるかさんで完全にイタズラっ子の顔になっていた。
 冗談だったのだろう。
「あの・・・はるか・・・さん?」
 困ります、と続けようとした時だ。
「結構です!!!」
 とキッパリ言い切るとまことに強引に腕を引っ張られ、今度はまことの腕の中に抱かれた。
「ちょ、まこちゃん仔猫が・・・」
 こんな状況なのにあたしの腕の中で呑気に眠る仔猫を見下ろす。
「亜美ちゃんは渡せません!!!」
「ありゃりゃ、フラレちゃったか」
 気にする風でもなくはるかが笑っていると、そのまた後ろから声をかけられた。
「またかわいい女の子に意地悪してるのね?はるか」
「みちるさん!!」
 天の助けとばかりにみちるの元に駆け寄った。
「許してね、ちゃんと後で叱っておくから」
「あ、いえ大丈夫です」
「そ?あらかわいい仔猫じゃない」
「だろ?2人とも飼えないみたいだからうちで引き取ろうか?って言ってたんだ」
「そうなの?いいわよ?」
「え?」
 アッサリ降りた許可に聞き間違いかと問い返す。
 いやでもまた妙な条件を出されるかもと疑い、みちるの表情を伺う。
「あの・・・条件とか・・・あるんですか?」
「条件?」
「亜美ちゃんも一緒に連れてく・・・とか?」
「まこちゃん?」
「はるかったらそんなこと言ったの?」
 横目で睨むと、はるかは参ったなと視線を泳がせる。 
「あとでお仕置きしておくわね」
 にっこりと極上の笑みを浮かべてとんでもないことを言うみちるに驚きつつ、それはみちるになら託しても大丈夫かもという安心感に変わる。
「あの、じゃぁこの子の調子がよくなったら連れて行きます!!」
「ん、また連絡してね」
「ありがとうございます」
 あたしも頭を下げる。
 

 ひょんなことで見つかった飼い主たちと別れ、家路を急ぐ。
「まこちゃんさっき、本気で怒ってた?」
「え?」
「あたしがはるかさんに抱きしめられた時とか、キスされた時とか」
「当たり前じゃないか!いくらはるかさんでも譲れないものは譲れない!」
 力強いまことの言葉が胸に沁みる。
 嬉しかった。
「ありがと」
「ん?」
「まこちゃんがいてくれてよかった、いなかったらあたし・・・」
「まさかついてった?」
「そういうわけじゃないけれど・・・うまく断れなかったかも」
「亜美ちゃ〜ん」
 泣きそうな顔で見下ろされる。
「忘れないで、あたしがものっすごく亜美ちゃんのこと想ってるってこと」
「ん」
「帰ったらキス、させてね」
 

「みゃぁ」


 とあたしの代わりに目を覚ましたばかりの仔猫ちゃんが返事をした。




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Date:2014/08/10

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