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□ 夏実×美幸 □

あたしの為に

続きです
短いです








 あたしのRZを修理してくれている美幸の後ろ姿をボーッと見つめる
 ここのところ、美幸は疲れている。
 相当無理しているのだろう。
 そしてそうさせているのはあたし、だ。
「美幸、何か手伝おうか?」
「大丈夫よ、あ、先帰っててくれていいわよ」
「んーでもさぁ」
「夏実の怪我が治る頃にはこの子も直ってるから」
「・・・ありがと」
 自分のマシンなのに手伝えもしないで美幸にばっかり負担をかけてる自分が情けなくなってきた。
 はぁ〜っと大きなため息を吐き出すと、ぺたんと座り込んでいた美幸が振り返る。
「夏実?どうかしたの?」
「ん?ううん、別に」
「そ?」
 再びカチャカチャと工具を取り出し、また修理に没頭しはじめた。
 マシンをイジり出すと周りが何も見えなくなる美幸が、あたしの相手をしてくれることはもうなかった。
 それでもせめてそばにいたくて、あたしの最も苦手とする”ただひたすら黙って待つ”ということを続けた。
 
 待つ事3時間。
 
 さすがに夜も10時を過ぎると心配になってきたあたしは意を決して声をかけた。
「美幸、そろそろやめない?」
「え???」
 驚いて振り向いた美幸の目が丸くなった。
「夏実???まだいたの???」
「え?気づいてなかったの?」
「あ、うんごめん」
「夢中だったもんね。ホント好きだよね〜機械いじり」
「まぁね。でも夏実が乗るんだもん、ちゃんと直してあげなきゃ」
「え?」
「え?って当たり前でしょ?夏実の命、預かってるんだもの」
 当たり前?
 あたしが乗るから?
 あたしの為?
「夏実?どうかした?・・・きゃっ」
 あたしは目の前の、油まみれになっている美幸を抱きしめた。
「・・・夏実、汚れちゃうわ」
「ありがと」
「え?」
「ごめん」
 ポンポンと子どもをあやすように背中を撫でられ、その優しい手に何だか泣けて来た。
「仕事で疲れてるのにこんな時間まで修理させて・・・家事もあんまり手伝えないあたしの分まで働かせて・・・ごめん」
「いいのよ、そのかわり直ったら倍働いてもらうからね」
「うん!」
 あたしの腕からするりと抜けるとふわりと笑う。
「さ、帰ろ?ヤダもうこんな時間?」
「3時間もやってたよ」
「夏実が黙って3時間も待つなんて珍しいわね」
「うん、がんばった」
「帰っててよかったのに」
「それはヤダ」
「そっか」
 カチャカチャと工具を片付けはじめた。
「あ、手伝う」
「ありがと」
 一緒に片付けを終えると電気を落とし、あたしはRZのそばに立つとよしよしと撫でた。
「あたしもあんたも幸せだよね、あんなイイ女に面倒見てもらえてさ」
「夏実!何してるの?帰るわよ」
「あ、うん、すぐ行く・・・じゃあね」
 ぽんっと軽くシートを叩き、くるりと踵を返して美幸を追いかけた。



「待ってよ〜美幸!」
「早く早く!あたしお腹すいちゃった」
「あたし何か作るよ」
「ホントに〜?大丈夫〜?」
「失礼ね〜片手でもそれなりにできるわよ」
「あはは、じゃあよろしくね」
「りょーかい」






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Date:2014/07/20

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