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□ まこ×亜美 □

ぬくもり

なんだかんだと前回の続き?
いやー何かまこちゃんがかわいそうになってきて、急遽こしらえました(笑)
っていうか何この今更感満載のネタ(笑)
初心に返ってみました







「あーっ寒い!はぁ〜っ」
 いつでも電話に出られるように指先だけが露出している手袋の指先に息を吹きかける。
「亜美ちゃんまだかなぁ?」
 亜美の通う塾のある建物を見上げる。
「みんなこんな遅くまでよくやるよなぁ」
 学生の本分を忘れて呟いた時だ。
 ぞろぞろとビルから制服私服入り交じった学生たちが一斉に降りて来た。
「あ、終わったかな?」
 腰かけていたガードレールから立ち上がった。
 そわそわと視線が泳ぐ。
「あ、来た!亜美ちゃーん!」
「え???まこちゃん???」
 いきなり大きな声で名前を呼ばれて驚いた亜美が駆け寄って来る。
「ど、どうしたの?こんな時間に?」
「ん?あ、いや通りかかったからさ」
「うそ」
「え?」
「通りかかっただけでこんなにほっぺた冷たくならないわ」
 そっと亜美の両手があたしの頬を包み込んだ。
「どれくらい待ってたの?」
「・・・1時間」
「そんなに???」
 あたしの答えにまたびっくりしたのか目を丸くした。
 そしてあたしの頬から手を離すと、たったったっとどこかに走って行った。
「え?」
 しばらくして戻って来た亜美の手には、ほかほかと暖かそうな缶コーヒーが2本握られていた。
「これ」
「え?あ、ありがと」
 受け取った缶コーヒーは握っているだけで身体が芯から温もって来る。
「で?どうかしたの?」
 あたしたちは肩を並べて近くの公園に向かった。
 まぁ並べてって言っても亜美ちゃんの肩はあたしの胸元くらいにあるんだけどさ。
 あたしたちはブランコの前の手すりに腰かけた。
 ひやりと冷気が伝わる。
「用事っていうわけじゃなかったんだけどさ」
 言いよどむ。
 だって本当に用事があったわけじゃないんだもん。
 何となく・・・何となく亜美ちゃんに会いたくなったから。
 会って確認したかったから。
「まこちゃん?」
「え?あ、ごめんごめん」
「本当にどうかしたの?」
 心配そうに覗き込んでくる亜美ちゃん。
 あたしはくるりと亜美ちゃんに向き直ると、きゅっと缶コーヒーごと亜美ちゃんの手を握った。
「え?ちょ、まこちゃん??」
「あのさ!」
「え?」
「あのね」
「・・・?」
「何だか・・・亜美ちゃんに会いたくなったんだ」
「え?」
 ゆっくりと手を下ろすと、途端に自分の言葉が恥ずかしくなってきて亜美ちゃんに背を向けた。
「ご、ごめん!変なこと言って」
「まこちゃん?」
「・・・ごめん」
「どうして?まこちゃんが会いに来てくれて嬉しいわ」
「・・・え?」
「嬉しい」
 おずおずと振り返ると、そこにはふわりと微笑む亜美ちゃんがいた。
 心臓がドキドキと早鐘を打ちはじめる。
 ヤバい、かわいい。
 あたしはもう一度キチンと振り返ると、勇気を出す為に深呼吸を繰り返した。
 よし!
「えっとさ、こないだ亜美ちゃんが来てくれたじゃん?」
「こないだってクリスマス?」
「そう」
「ん、行った」
「あの日さ、ちょっと色々あってすっごくツラかったんだ」
「うん」
「だからね、亜美ちゃんが来てくれてすっごく嬉しかった。そばにいてくれて嬉しくて泣きそうになった」
「そう・・・」
「だから・・・ありがとう」
 言いながら何だか目の前が滲んで来る。
「あれ?ご、ごめん何だろ?あたしおかしいね」
 ゴシゴシと袖で乱暴に拭う。
「まこちゃん」
 ふわりと柔らかな腕に抱きしめられた。
「まこちゃん、もう泣かないで」
「あ、亜美ちゃん?」
「ごめんね」
「何で?何で亜美ちゃんが謝るの?」
 あたふたと手のやり場に困って空中を泳ぐ。
「わたし・・・あの日、まこちゃんが一人でいるって知ってたの・・・寂しい想いをしていることも」
 亜美ちゃんの腕が解かれた。
「え?」
「レイちゃんからね、連絡があったの」
「レイ・・・から?」
「ん・・・」
「何・・・て?」
「まこちゃんが・・・一人でいるから出来れば一緒にいてあげてって」
「そんなことが・・・そっか・・・そうだったんだ」
 肩の力が抜けた。
「亜美ちゃんがあのタイミングで来てくれたのも、ずっと一緒にいてくれたのも、レイが頼んだからか・・・だよなぁ」
 ははっと乾いた笑いが漏れると、ストンともう一度手すりに崩れるように腰掛けた。
「ごめんね、せっかくお母さんと一緒に過ごせたはずなのにあたしなんかにつきあわせちゃって」
「まこちゃん?何を・・・?」
「だって!!だってさ・・・」
 言葉が続かない。
 言葉が見つからない。
「誤解しないでね?わたしは行きたいから行ったの。まこちゃんと過ごしたいって思ったから行ったの。レイちゃんは・・・わたしがずっとまこちゃんのこと好きなの知ってたから・・・」
「・・・ん?」
「まこちゃんのことが好きだったの、ずっと。でもまこちゃんはその・・・レイちゃんが好きだったでしょ?」
「え???」
「ずっと見てればわかるもの」
 ツラそうに笑う亜美ちゃん。
「レイちゃんから連絡貰った時ね、わたしが考えたこと・・・わかる?」
 黙って首を振る。
「チャンスだって・・・まこちゃんを自分の方に向けるチャンスだって思ったわ」
 いつもはあたしたちの後ろで控えめに笑っている亜美ちゃんが、ごくたまに見せるまっすぐな強さに動揺する。
「あ、あの・・・さ、ごめん、亜美ちゃん?」
「?」
「今の話本当?」
「本当よ」
「あたしのこと好きなの?」
 小さく頷く。
「・・・気がついたら目で追ってた」
「そっか」
「ごめんね?まこちゃん」
 今度は亜美ちゃんの目に涙が浮かんでいた。
「ちょ、え?な、何で?亜美ちゃんが泣くの?」
「だって・・・まこちゃんを傷つけたもの」
 俯いて涙を拭う亜美ちゃんを、思わず抱きしめた。
「そんなことないよ!」
「でも・・・」
「すっごい嬉しい」
「え?」
「嬉しい」
 素直な本心だ。
 っていうかそもそもあたしもそれを確認しに来たんだ。
「あのさ、亜美ちゃん」
「?」
「あたしも謝らなきゃ」
「・・・どうして?」
「あたしさ、あの日からずっと亜美ちゃんのことが頭から離れなくてさ。でもあの日までは確かにあたしの気持ちがレイにあったのも事実なんだ。なのにフラれて落ち込んでた時に優しくされたからってすぐに亜美ちゃんのこと好きになるなんて、本気なのかどうかわからなかった。亜美ちゃんに失礼な気がして言えなかった」
「まこちゃん」
「だから今日は確認に来たんだ」
「確認?」
「あたし、亜美ちゃんのこと好きみたい」
「え?」
「いや、好きだよ」
 あたしの腕にすがりつくと、ぎゅっと握りしめてくる。
 小さな嗚咽が漏れる。
 よしよしと背中を撫でると少しずつ落ち着いてきたのか呼吸が安定してくる。
「遠回りしてごめんね」
「ううん」
「ずっと一緒にいてくれる?」
「えぇ」
「・・・ありが・・・っっくしゅん」
 かっこつかないなぁ。
「ふふっ、すっかり冷えちゃったわね」
「そだね、帰ろうか。こんなところで足止めしちゃってごめんね」
「ん、大丈夫」
「そか」
 あたしは右手の手袋を脱ぐと手を差し出した。
「行こっ」
 亜美ちゃんも左の手袋を外すと、あたしの手を握ってくれた。
 あったかい。
「今度さ、お返しさせてよ」
「お返し?」
「コレの」
 ポケットから冷えた缶コーヒーを取り出す。
「冷たくなっちゃったわね」
「いいんだ、こっちがあったかいから」
 しっかりと繋がれた手を持ち上げる。
 今度こそ大切にしよう。
 もう泣かさないようにしよう。







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Date:2014/01/20

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