Planetarium SS置き場

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気持ち

遅くなってすいません!!
そしてあけましておめでとうございます!
正月なのにクリスマスネタとかホンマすんません!
ほんでカテゴリもどこに持ってっていいのかわからんのでランダムで!
三角どころか四角みたいなことに。
色々すいません!

では今年も宜しくお願いします






「ねぇねぇ、遊びに行こうよ」
「君すっごい綺麗だよねー」
 よくあるナンパを完全無視してスタスタと通り過ぎる。
 いつもならすぐに諦めるのに、なぜか今回はしつこくて。
「ねぇねぇ〜行こうよ!ねっ!ねっ!」
「しっつこい!!」
「いいじゃん〜」
 と馴れ馴れしくも肩を掴んできた。
 大きなため息と共に振り返り、平手の一発でも繰り出そうとしたその時だ。
「離せよ」
 誰かの手がその男の手を払いのけてくれた。
「まこと?」
「痛ってぇ〜な!何すんだよ!」
「嫌がってるだろ?しつこい男は嫌われるぞ?」
「うるせぇ!」
 殴り掛かってくる拳を避け、足を引っかけると相手がスっ転んでる間にレイの手を掴み、その場を逃げだした。

  ☆

「はぁっはぁっ、ちょ、まことストップ」
「へ?」
「もう無理」
 足を止めたレイに習ってまことも止まる。
 普段の鍛え方が違うのか、まことは全く息を切らせていなかった。
「あ、ごめん」
「でも・・・ありがと」
「あ、ううん、あいつしつこかったね」
「ホントに」
 うんざりしたようにため息をつくレイ。
「ね、あんなのしょっちゅうあるの?」
「まぁ・・・たまに、ね」
「だよなぁ〜レイかわいいもん」
「かわいい?あたしが?」
 聞き慣れない言葉だ。
 上から下までレイの全身をくまなく眺めるとうんうんと頷いた。
「うん、かわいい」
 わからない。正直綺麗だとか美人だとかいうことは言われたことはあるが、かわいいとか言われたことは、本当に幼い頃に親に言われた以来だ。
 何だか恥ずかしくなってくる。
「あたしが男だったとしてもやっぱりアタックしちゃうかもなぁ」
 満面の笑顔でサラっと恥ずかしいことを言うまことに呆れる。
「あのねぇ、バカ言わないでよ」
「え〜本気だけどなぁ」
 あたしたちは肩を並べて歩き出した。
「あたしこんなでっかいじゃん?やたら強いしさ。だからレイとか亜美ちゃんやうさぎもそうだけどさ、女の子らしい女の子に憧れてるんだよね」
 まことはわかってない。
 自分が誰よりも女の子らしいってことに。
 誰よりも優しいってことに。
「ばかね」
「ひどーい」
「ふふっ」
 ポンポンっとまことの背中を叩く。
「行くわよ」
「うん」
 あたしたちは方を並べて歩き出した。 
「今年もクリスマスだねぇ」
 クリスマスイルミネーション一色な街を見上げて呟く。
「そうね」
「クリスマスどうすんの?」
「何が?」
「美奈、仕事?」
「そうみたいね」
「そうみたいって・・・そんなもん?」
「そんなもんって?」
「一緒にいたいとか思わないの?」
 うーん今までクリスマスに縁がなかっただけに、そういう想いがピンと来ない。
 それに街のいたるところで見かける彼女に実際会うことが中々できないのはいつものことだ。
「そうねぇ」
 微妙な返事しかできなかった。
 まことはうーんっと少し考えこんだ後、うんっと頷いて笑みを浮かべた。
「ね、それじゃあたしとデートしてよ」
「え?」
「あたし一人で寂しいんだもん・・・ダメ?」
 寂しそうに眉を寄せる。
 そんな顔されたらほっとけないじゃない。
 まぁあたしだってきっと暇だし。
「別に・・・いいけど?」
「やったー!」
 うれしそうにはしゃぐまことを見ていると微笑ましくなってくる。
 こういうのもいいかもしれない。
 美奈といるといつも苦しくて、ドキドキもするけどイライラもさせられて。
 でも逆にまことといると癒される。
 何だか安心してしまう。
「ねぇまこと」
「ん?何?」
「・・・なんでもない」
 クリスマスの約束をしてあたしたちは別れた。

  ☆

 携帯の着信音が、美奈からの着信を告げる。
「もしもし?」
「レイ?あたし」
「わかってる」
「あ、そう?ねぇ・・・あのね、明日のイヴさ、仕事なんだ」
「うん」
「ごめん、埋め合わせはするから」
「わかってるから」
「でも会いに行くから、絶対」
「あたしがいないかもしれないけど」
「え???」
「デートなの」
「相手、誰よ?」
 少し怒ったように問いつめられる。
「誰でもいいでしょ?」
 売り言葉に買い言葉。
「ちょ、レイ?言いなさいよ!ちょ、・・・」
 ブツっと電話を切った。
 そのまま電源を切って携帯を放り投げた。

  ☆

「レイ〜ごめん待った?」
「大丈夫よ」
 待ち慣れてるあたしにとっては5分の遅刻くらい何でもない。
 5分遅れても10分遅れてもまことは絶対来るから。
「で?どこ行くの?」
「ん?スーパー」
「え?」
「スーパーで買い物して帰ろ、レイ人混み好きじゃないだろ?あたし手料理振る舞うからさ、うち行こう」
「いいの?あたし何もできないけど」
「あたしが振る舞うんだからいいって!」
 正直ホッとした。
 こんなカップルだらけの混雑した街に長時間はいられない。いたくない。
「ねぇ、何が食べたい?」
 くるりと振り返るとまことは楽しそうに笑った。

  ☆

 まことの料理には何度かお世話になっているので腕が確かなのは知っていた。
 一人暮らしが長いせいなのか、元来好きだからなのか、まことの家事スキルは高い。
 これだけ出来たらいつでも結婚できるだろうなとぼんやり後ろ姿を見つめながら思う。
「ねぇまこと」
「ん?」
「まことと結婚する人は幸せよね」
「はいぃ〜?」
 おたまを持ったまま目を丸くして振り返る。
「まことといると何だか癒される。料理もうまいし言うことないもの」
「そ、そう〜?そうかなぁ?」
 照れながら再びコンロに向かう。
「あたしはさ、前も言ったけどあんまり女らしいとこないからせめてこれくらいはしなきゃね」
「あのさ、前から言おうと思ってたんだけど」
「ん?」
「まことは自分が思ってるほど女らしいとこないわけじゃないわ。まことに比べたらあたしや亜美ちゃんなんて何も出来ないもの」
「そんなこと・・・」
「大きいとか喧嘩が強いとか、そんなの女らしさを計る基準じゃないと思う」
 まことの手が止まる。
「まこと?」
「・・・」
「ごめん、何か怒った?」
 ふるふると首を振ると肩を震わせる。
 あたしは立ち上がってまことのそばに駆け寄った。
 まことの顔を覗き込もうとした瞬間だ、あたしの身体がまことの腕に抱きすくめられた。
「え???」
「ばか・・・レイのばか」
「何で?」
「そんなこと言われたら・・・我慢できなくなるじゃん」
「え?何?どういうこと?」
「レイには美奈がいるから・・・って・・・ずっと我慢してたのに」
「まこと?」
「好きになっちゃダメだって我慢してたのに・・・」
「・・・」
「ばかぁ」
 泣き崩れるまことを全力で支える。
 人のことを第一に考えて自分を抑えて生きてきたまことのこんな姿を見た事がない。
 衝撃だった。
 少し動揺しつつも、まことの背中をぽんぽんとさする。
「まことはさ、人のことばっかり考えすぎなのよ」
「でも・・・」
「ちょっとは自分の気持ち、大事にした方がいいんじゃない?」
「でも美奈が怒るよ?レイも困るでしょ?」
「ほらまた」
「いやだってさ!アイドルだよ?しかも仲間だよ?」
「アイドルは関係ないじゃない?じゃあ・・・諦める?」
「え?・・・」
「諦めるなら・・・」
 言いかけた時だ。
 あたしの携帯が彼女からの着信を告げた。
「ごめん」
 断って電話に出る。
「もしもし?」
「今どこ?」
「どこでもいいでしょう?」
「よくない。言わなきゃ調べる」
 彼女ならどんな手段を使っても探し出すだろう。
 面倒なことをされる前に諦めた。
「はぁ〜・・・まことの家よ」
「すぐ行く」
 それだけ言って電話は切れた。
 
 何となく話の続きをするにも腰を折られてしまった気分で黙り込む。
 まことも黙って料理の続きを始めた。
 そのまま時間が経ち、数十分後・・・インターフォンが鳴った。
 一瞬こちらを振り返ると、まことは黙って玄関を開けた。
「レイ?いるの?」
 ズカズカと入ってくるなりの一言。
「いるわよ」
「何してるの?」
「まこととおうちデート」
「ばか言わないで」
「何が?」
「どうしてまことなの?」
「どうして?あたしにクリスマスに一人ぼっちで過ごせって言うの?」
「レイ、そんなにクリスマス好きだっけ?」
「別に」
「じゃあどうして・・・」
「あたしにとって特別じゃなくても、それを特別に感じる人もいるのよ」
 美奈の後ろから戻ってきたまことに視線を送る。
 気まずそうに目を伏せている。
「まこと」
「?」
「顔あげて」
「え?」
「まことは悪くないでしょ」
「あたしが悪いっていうの?しょうがないじゃない仕事なんだから」
「あなたが悪いとかいう問題じゃないの。あなたの仕事が忙しいのは理解してるつもりよ」
「じゃあ・・・」
「しいて言えば悪いのはあたしよ」
 驚く二人。
 言葉を失った二人がジッとあたしを見つめている。
「美奈のことは好き。尊敬もしてる。でもあたしはまことといると落ち着くの」
「え?」
「まことといると安心するの。こんなにキツい性格のあたしにも優しくて、人のことばかり思って自分のことは後回しだし、それがたまにじれったくもなるけどでも・・・そんなまことの想いをほっとけない」
「レイ、もういいよ」
 顔を上げたまことが切なげに笑う。
「え?」
「ありがとう、気持ちだけもらっとく」
「まこと・・・」
「二人の間を壊す気はなかったんだ、ごめん美奈」
 イタズラっ子がイタズラを見つかった子供のように、へへっと声をあげて笑うとキッチンに向かった。
「ホント!ごめんごめん、レイが寂しそうだったから誘っただけなんだ。美奈が迎えに来たんならあたしの役目はおしまい!」
 引き出しから何かを取り出すと、あたしと美奈の手のひらに乗せた。
「はい、メリークリスマス!」
 手作りのクッキーだった。
 まことらしいかわいいラッピングがされていて、手が込んでいるのがわかる。
「それあげるからさ、今日は帰ってよ」
『え?』
「お願いだからさ」
 再びあたしたちに背を向けたまことがどんな表情をしているのかわからなかった。
「ほら、早く!」
 本気の言葉にあたしたちは黙って部屋を出るしかなかった。

  ☆

 黙り込んだまま、クリスマスムード一色で浮かれた街を歩き続ける。
 ハッピーな周りの雰囲気とは裏腹に暗い気分で歩くあたしたちは、さぞ浮いて見えることだろう。
「・・・ごめん」
 あたしは前を向いたまま呟くように謝った。
「あたしも言い過ぎたわ。レイのこと大事に思ってないわけじゃないの・・・言い訳なんかしたくないけどでも、今ホントに忙しくてさ」
「わかってる・・・だからごめん・・・」
「まことのこと・・・さ」
「ん」
「ホントに好きなの?」
「そうね、好きよ」
 きっぱり答える。
 家を出て初めて美奈がこっちを向いた。
 少し寂しそうな顔。
「そっか」
「でも・・・ね」
「ん?」
「やっぱりあたしはあなたを選ぶわ」
「え?」
 心底びっくりしたように目を丸くする。
 今までの会話の流れでそんな言葉が出て来るとは思わなかったみたい。
「自分勝手だし、人のこと振り回すし、会いたいからって夜中でも早朝でもお構い無しだし・・・でもあなたががんばってるのは知ってるから」
「レイ・・・」
「まことといるとホッとするけど、あなたといるのはドキドキするの」
 これは本心。
 黙って聞いている美奈の手を取ると、きゅっと握り、指を絡めた。
「ごめんなさい」
「か、かわいいこと言ってくれるじゃない」
「え?」
 美奈の頬が真っ赤に染まっている。
「やっぱ渡せないわ。ホントにレイがまことのこと好きなんだったら身ぃ引いてもいいかなとチラっと思ったけど、なし!絶対無理!!ダメ!!!」
「しーーーーっ!正体バレるわよ!」
 繋いでいた手を引き寄せられ、耳元で囁かれた。
「まことには悪いけど、やっぱりレイはあたしのだから」
 小声で返す。
「わかったから」
「わがままでごめん、勝手でごめん、好きでごめん!あと・・・今から仕事でごめん」
 かなり無理をして来てくれたことに今更気づき、あたしは慌てた。
「そういえば仕事って・・・」
「今休憩もらってるけど、そろそろ限界なの」
「わかった、いってらっしゃい」
「うん!終わったら会いに行く」
「待ってる」
 小さく手を振ると、さっきまで恨めしかったイルミネーションを見上げた。
 あんなに恨めしかった灯りが何だか眩しくてたまらなかった。
 ごめん・・・まこと。

  ☆

 ぼんやりとテーブルに並んだ料理を見つめる。
 作ったはいいけど全く手をつける気にならない。
 わかってはいた結末だけど、抑えていた感情を爆発させてしまったのはマズかった。
「はぁ〜」
 自己嫌悪に陥っていたその時だ、再びインターフォンが鳴った。
「・・・誰?」
 全く覚えのない来客を迎えに受話器をあげた。
「はい」
「まこちゃん?いる?」
「亜美・・・ちゃん?」
「あの・・・お邪魔しちゃ・・・ダメかな?」
「え?あ、うんいいよいいよ今開けるね」
 しばらくして上がって来た亜美ちゃんを迎えいれた。
「いらっしゃい」
「こんな時間にごめんね」
「いいよいいよ、でも亜美ちゃん今日はお母さんと過ごすんじゃなかったの?」
「ん・・・」
「どうかした?」
「え?あ、ううん急患で・・・」
「そか、相変わらず忙しそうだね、まぁ入ってよ。ご飯食べよう」
「いいの?」
「うん、いっぱい作り過ぎちゃって困ってたんだ」
 少しだけ嘘をついた。

 二人して向かい合って座ると手を合わせた。
『いただきます』
 一口食べると亜美ちゃんは嬉しそうに笑う。
「おいしい!まこちゃんのお料理は本当にいつ食べても美味しいわ」
「ホント?よかったぁ」
「ん、見習わなきゃいけないわよねまこちゃんの女の子らしいところ」
「あたしが?女の子らしいって?」
「え?うん」
 何か変なことを言ったかな?と不思議そうな顔をする。
「レイにも言われたんだけどさ、身体はでっかいし喧嘩はするし、あたしなんかのどこが女の子らしいの?」
「レイちゃんに?」
「うん」
「じゃあこう言われなかった?大きいとか喧嘩が強いっていうのは関係ないって」
「あ・・・うん」
「でしょう?まこちゃんは背が高くてかっこいいし、喧嘩なんて誰とでもするわけじゃないわよね?まこちゃんの場合誰かを守るためにそうなっちゃうんだもん、自分から喧嘩しにいくわけじゃないんだから、やっぱり関係ないわ」
「そう・・・かな?亜美ちゃんにそう言われると何か説得力あるね」
 自然と笑みがこぼれる。
「ホント?」
「ん!何か元気になってきた!ありがと亜美ちゃん。ほら、食べよ!」
「そうね」
 ふふっと微笑むと亜美ちゃんは再び箸を伸ばした。

 日をまたぐ頃・・・イヴからクリスマスへと変わる瞬間まで亜美ちゃんはいてくれた。
 たわいもない話をして、一緒に笑って、それが楽しくて楽しくて今日あったことも何となく忘れてしまっていた。
 悲しかったはずなのに、寂しかったはずなのに、誰かがそばにいるってすごいな。
 やっぱり一人はヤだな。
「ね、亜美ちゃん・・・」
「ん?」
「今日さ、泊まってかない?」
「え?」
「いや、もちろん亜美ちゃんがよければだけどさ」
 逃げ道を作る。
「うん!まこちゃんさえよければ泊めてもらうわ」
「ホント?やった!じゃさ、パジャマ用意するからお風呂入って寝室に移動!」
「えぇ?」
「ベッドでごろごろしながらしゃべろうよ」
 くすくす小さく笑う亜美ちゃん。
「そんなに慌てなくてもわたしは逃げないわよ?」
「いや、でも時間は逃げちゃうよ?せっかく楽しいのにさ」
「そう・・・ね、それじゃあ」



 亜美ちゃんがどうして来てくれたのかはわからない。
 どうしてずっと一緒にいてくれるのかわからない。
 きっとお母さんが急患だっていうのも嘘のような気がする。
 ただ、今はその嘘がありがたい。
 このまま甘えてしまおう。
 亜美ちゃんの優しさに甘えさせてもらおう。




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Date:2014/01/01

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