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□ まこ×亜美 □

合鍵

まこ亜美です。
実写をちょっと見ました。
みんなわかーい!
かわいー!

そしておもしろい(笑)










「せんぱーい!まこと先輩!」
「んー?」
 振り返ると廊下を小走りで駆けて来る女の子がいた。
 目の前まで来ると、ニコニコと嬉しそうに笑って背伸びしても届かないまことを見上げる。
「先輩!今日部活来ますかー?」
「んーー?そだなぁ時間あったら行くよ」
「ホントですかー?」
「ん」
「絶対ですよ!」
「はいはい」
 まことは目を細めて嬉しそうに笑いかけながら、女の子の頭をぽんぽんと優しく撫でた。
「じゃあまた放課後に!」
 ぺこりとおじぎをすると、また小走りで今来た廊下を戻って行った、
「後輩?」
 バイバイと手を振りながら見送るまことの背中に問いかける。
「ん?うん、こんなあたしに懐いて来るなんて珍しい子だろ?」
「そんなことないわ、まこちゃんが優しい人だって見抜いてるのよ」
「そっかなぁ〜?」
 へへっと嬉しそうに照れ笑いを浮かべるまこと。
 チクリと胸が痛む。
「さ、行こうか」
「う、うん」

 屋上でお弁当を食べている時にも別の女の子に声をかけられた。
「あれ?木野さん?今からお昼?」
「ん」
「次数学当たるかもしんないよー出席番号で当てるからあの先生」
「ホントに?わかったー」
 バイバイと手を振るまこと。
 またわたしの胸がチクリと痛む。

 誰もいなくなった屋上。
 何となく途切れる会話。
 沈黙を破るように恐る恐る声をかけた。
「あの・・・まこちゃん?」
「うん?」
「今日・・・家に行っても・・・いい?」
「え?うん、いいよもちろん!あ、でも・・・」
「部活終わってからでいいから」
「あ、そう?ごめんね、上がってくれてていいから」
 チャリっとポケットから鍵を取り出した。
 ハイっとそのうちの一つを取り外すとわたしの掌に握らせた。
「え?」
「鍵、渡しとく」
「え?で、でも・・・」
「待っててくれる?」
「・・・いいの?」
「うん!なるべく早く帰るから」
 わたしはぎゅっとその鍵を握りしめた。

  ☆

 ぴんぽーん
 一応鳴らしてみるが、やはりまだ帰ってないようだ。
 預かった鍵を取り出してみるが、それを差し込むかどうしようかと逡巡する。
 ホントにこれ、使っていいのかしら?
 時間にして5分ほどそうしていただろうか。
 ぼんやりしているところに、いきなり背後から声をかけられた。
「亜美ちゃん?」
「え?」
 振り返るとそこに不思議そうな顔をしたまことが立っていた。
 全く気配を感じなかった。
 それほどぼーっとしてたのだろうか?
「どしたの亜美ちゃん、入らないの?」
「え?で、でも・・・」
「もしかして、遠慮した?」
「え?えぇ・・・」
「あのさ、あたし両手塞がってるから早く開けてもらえると助かるんだけど」
「あ、ご、ごめんなさい」
 慌てながらも今度こそキチンと鍵を差し込んで回した。
「ありがと」
 部屋に上がるとまことはキッチンに買い物袋を置いた。
「亜美ちゃんご飯食べてくでしょ?」
「え?」
「食べてってよ、1人で食べても美味しくないんだもん」
「えぇ、じゃあ」
「やった!」

 まことの作ったクリームシチューは絶品だった。
 スープも、サラダもキレイに盛りつけられていて、見た目も楽しめた。
 そして何より心が温まった。
「美味しい」
「ホント?嬉しいなぁ」
「あったかい」
 スープカップを両手で包み込む。
 まことがテーブルの上に両肘を乗せて組むと、その上に顎を乗せふわりと笑った。
「よかった」
「え?」
「亜美ちゃん笑った」
「え?」
「ずっとさ、何だか泣きそうな顔してたじゃん」
「そう・・・かな?」
「違ったならごめん」
「ううん・・・」
 沈黙が降りる。
 何か言わなきゃ。
 頭の中を、色んな言葉が駆け巡るけれど、何を言っていいのかわからずにぎゅっと膝の上で拳を握りしめた、その時だ。
 わたしの頭を、ぽんぽんと大きな手が優しく撫でてくれた。
 びっくりしてまことを見上げる。
「何か言いたいことあるんだよね?」
「え?」
「言ってよ」
 頭を撫でていた手が頬に移る。
「ごめんなさい」
「え?何が?」
「わたし・・・何ていうかその・・・胸が痛いの」
「え?ちょ、それあたしの管轄外だよ?お母さんに・・・」
「違うの!!」
「え?」
「まこちゃんといる時だけなの」
「・・・亜美ちゃん?」
「まこちゃんが、後輩やお友達と仲良く話している時に限って痛むの」
「それは・・・」
「くだらないってわかってる!こんなの・・・だからごめんなさい」
 ガタンっと椅子を蹴って立ち上がる。
 一刻も早くこの場から逃げ去りたい。
 恥ずかしくてまことの顔が見られない。
 なのに・・・。
「待ってよ」
 逃げようとする腕を強く握られた。
 まことの力に敵うわけもなく、そのままわたしの腰にしがみついてきた。
「ま、まこちゃん?」
「帰らないで」
「でも・・・」
「ごめん、不安にさせちゃって」
「まこ・・・ちゃん?」
「一緒にいるのが当たり前だと思ってた・・・好きなのが当たり前だと思ってた・・・こんなに不安にさせてたなんて・・・ごめん」
 カタンっと立ち上がると、今度は高い位置から抱きしめられた。
 全身が温もりに包まれる。
 動けない状態でかろうじてふるふると小さく首を振る。
「まこちゃんが悪いんじゃないの」
「でも」
「わたしに自信がないのがいけないの」
「それはでもあたしが不安にさせてるから」
「違う!ごめんなさいまこちゃん」
 まことの腕を振り払って身体を離した。
 そんなわたしの顔を悲しそうにただ見つめるまこと。
「まこちゃん・・・そんな顔しないで」
「でもさ・・・」
「まこちゃん聞いて」
「うん」
「わたしはまこちゃんが好き」
「え?」
「まこちゃんはわたしのこと好き?」
「うん!好き!大好きだよ」
「ありがとう」
「亜美ちゃん?」
 もう一度今度はわたしがまことを抱きしめる。
「わたしね、自分に余裕がなかった気がする。まこちゃんは好きって言ってくれてるのにどこかで疑ってたのかもしれない。後輩やお友達に優しいまこちゃんを見て嫉妬するなんて心が狭い自分がイヤでイヤで仕方がなかった。だからごめんなさい」
 そんなわたしの身体を今度はまことがぎゅっと抱きしめかえしてくれた。
「あたしだってさ、亜美ちゃん男子にモテるからずっと心配だったんだよ?」
「え?そ、そんなことないわ」
「あるよ!実は亜美ちゃんの隠れファン多いんだよ!」
「そう・・・なの?」
 恥ずかしくて頬が熱を持つ。
「わかってないんだもんなー」
 呆れたように首を振るまこと。
 そして次の瞬間、顔を見合わせたわたしたちは笑い出した。
「あはっ、あははっ」
「ふふっ」
「バッカだよなぁあたしたち」
「ふふ、そうね」
「ちゃんと想ってることを相手に伝えればこんなことにはならなかったのにね」
「ホントに・・・言葉って大事」
「言葉だけじゃないよ」
「え?」
「あたしは行動にも出る」
 言って、まことの顔が近づいて来たかと思うと、唇に柔らかなモノが触れた。
「・・・伝わった?」
 コクリと頷くことしか出来なかった。
 恥ずかしくて顔を上げることが出来なかった。



「あ、まこちゃんこれ返しておくわね」
「へ?いらないよ」
「え?」
「あげる」
「あげるってでも・・・」
「それは今日から亜美ちゃんの。他の誰にも渡してない亜美ちゃんだけのモノだよ」
「・・・いいの?」
「いいんだよ」
「ありがとう」
 わたしの掌に乗っている一本の鍵を、わたしは大切に握りしめた。





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Date:2013/01/09

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