Planetarium SS置き場

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□ シズル×ナツキ □

夕暮れの廊下で

ひょんなことからシズナツです。
こっちこそ久しぶりすぎてどーしたもんかと。
まぁでも書こうとは思ってたし、リクもあったことなので一気に(笑)
ほんではどーぞ











「おーいシズル、これ終わったから後頼む」
 目を通し、判を押すだけの仕事を終えた書類の束を渡す。
「はい、わかりました学園長」
「うむ、頼んだ」
 再び別の書類に視線を落とすが、目の前にいるシズルが去る気配がなかったのでもう一度顔を上げた。
「ん?どうした?」
「いや、真面目に働く学園長はカッコえぇなぁ思て見惚れてました」
「ば、ばかなことを言ってないで仕事しろ!仕事!」
「堪忍な」
 笑いながらその場を去るシズルを見送り、気を取り直して仕事に取りかかった。

  ☆

「はぁ~疲れた」
 夕方まで頑張ったけど、元々書類仕事には向いてないわたしは机に突っ伏して、今日の仕事は終わりだとアピールした。
 もうシズルが何と言っても今日は終わりだ。絶対に。
 と、思っていたその瞬間、目の前に紅茶の入ったカップがコトリと置かれた。
 この時間にわたしがギブアップすることがわかっていたかのようなタイミングだ。
「ありがとう」
 そのタイミングの良さを疑問にも思わず、紅茶に口をつける。
 初めはあまりのタイミングの良さに驚きを隠せなかったが、毎日繰り返されるうちにそれが当たり前のことになってきていた。シズルほどわたしをわかっているヤツは、世界中どこを探してもいないだろうとすら思えて来る。
「相変わらず美味しいなぁシズルの煎れる紅茶は」
「おおきに」
「さて、今日はもう終わりにしようか」
「はい」
 わたしたちは簡単に片付けを済ませると、学園長室を後にした。
 夕日に照らされ、真っ赤に染まっている静まり返った廊下を黙って歩く。
 2人の足音以外何も聞こえない。
「懐かしいな、夕暮れ時のこの感じ・・・あの頃は先輩と後輩で、シズルはみんなの憧れのお姉様だった」
「そうどしたなぁ」
「少しは否定しろよ」
 自信満々な物の言い方が何だかおかしくて、思わずクスリと笑ってしまった。
「なぁ・・・ナツキもそう思ってたん?」
「ん?何がだ?」
「うちのこと憧れのお姉様やって」
「え?あ、や、そ、それは・・・まぁ・・・」
「どっちなん?」
 突然のことに動揺してしまったけど、今更かな?と思い直し、今度はハッキリとそう告げた。
「憧れてたさ・・・多分どこの誰よりも・・・」
 シズルを真っ直ぐ見つめ、そっと手を握ると優しく抱き寄せて耳元で囁いた。
「そして今でも・・・な」
「学園長・・・?」
「仕事は終わりだって言ったぞ?」
「ナツキ、こんなとこ人に見られたら・・・」
「こんな時間に人は残ってないって教えてくれたのはシズルだったじゃないか」
 あの頃、そう言って何度もココでわたしにちょっかいをかけてきたのが何を隠そうシズルだったんだから。
「そうやった?」
「まさか覚えてないのか?」
「そういうわけやありまへんけど」
「ん?」
「あの頃はうち・・・ナツキに夢中やったから…」
「え?」
 予想外の言葉。
「どんなことしてでも、どんな嘘ついてでもナツキのそばにおりたい、ナツキと2人っきりになりたいて思ってたから、うち自分が何言うたかなんて覚えてまへん」
「シズル・・・」
「あの・・・ナツキ?」
「ん?」
「そろそろ離してもらえまへんやろか?」
「え?あ、あぁすまない」
 シズルの身体を解放してやると、途端に逃げるようにフイっとわたしの前を歩き出した。
「え?あ、おいシズル?」
 タタっと小走りで追いかける。
「・・・」
「シズル?」
「・・・」
 ひょいっと下から覗き込む。
「え?」
 うわっ、何だ何だ?何でそんな顔してるんだ?
「お前もしかして・・・照れてるのか?」
「言わんといて」
「でもっ」
 思いがけないシズルの一面に驚きを隠せない。
 でも何だかそれが妙に嬉しくてついニヤけてしまったのかもしれない。
 ペシっと額を手で軽く叩かれた。
「イテっ」
「ナツキはよっぽど今日の夕食いらんみたいやねぇ」
 ニッコリと笑顔を浮かべ、もういつものシズルに戻っていた。
「へ?あ、いや、ご、ごめん!いる!いりますっ」
「知りまへん」
「シズル~」

 くすくす笑いながら逃げるシズルの背中をわたしは追いかけた。
 学生時代から追い続けたその背中を。





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Date:2012/02/27

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