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□ 夏実×美幸 □

タンデムシート

えぇっと・・・とりあえずすいませんと謝っておこう。
こんなんで納得してもらえるだろうか?
こないだ友人とニケツでプチツーリングに行ったので、そんな話。

夏実×美幸です

リハビリっちゅーことで( ̄▽ ̄:)














「しっかり捕まっててよ!」
「ん」
 きゅっとあたしの腰にしがみつく美幸。
 春とはいえまだ肌寒いのでしっかりとジャンバーを着込んでいるというのに、心なしか美幸の体温を感じる気がする。
 あたしは自分の右肩とバイクの後方をちょんちょんっと指差した。
 勘のいい美幸は腰に回していた両手を解くと右手であたしの右肩に、左手でバイクのシートの後方を掴む。
 少し運転しやすくなったけど、美幸の感触が離れてしまってちょっと残念な気もする。とりあえずコクンと頷いてエンジンをかけ、ブォンと軽くアクセルを回した。
「いくよ!」
 ヘルメット越しに声をかけて親指を立てると、美幸が黙ってコクリと頷く。
 それを合図にあたしはクンっとアクセルを回してバイクを発進させた。


 風を切って走るのはやっぱ気持ちいいな!
 美幸が乗りたいっていうからツーリングに出て来たけど、やっぱり少し気を使う。
 美幸の命を預かってるんだもん、気をつけて運転しなきゃね。
 その美幸はすっかりあたしの腕を信用してるのか、風と景色を堪能してるみたいだ。
 あたしは少しだけスピードを上げた。

  ☆

「ふぅ」
 ヘルメットを脱いでぷるぷると頭を振る。
「どうだった?美幸」
「気持ちよかったわ」
 少し乱れた髪を直しながら笑って答える美幸。
「怖くなかった?」
「え?どうして?」
「いや、なんとなく」
「夏実の運転だもん、怖いわけないじゃない」
「そ?よかった」
 あたしはバイクのシートに軽く腰掛けて美幸を見上げる。
「ねぇ、何でいきなりツーリングなの?」
「んー?」
 美幸もあたしに習って並んで凭れる。
「なんとなく、ね」
「ふーん?」
「迷惑だった?」
「え?」
「バイクはやっぱり1人の方が楽しい?」
「うーん、人によるかなぁ?でもさ、クルマも一緒じゃない?」
「ん?」
「1人でも楽しいけど、誰かと一緒でも楽しいでしょ?」
「そういえばそうね」
「でしょ?あたしは美幸と一緒で楽しいよ。コイツも美幸と一緒で喜んでるって!」
 美幸がイジってくれたスペシャルチューンのバイクのタンクをよしよしと撫でる。
「あたしは運転しか出来ないけどさ、美幸がいるから安心して乗れるんだもん」
 んーーーっと大きく伸びをしながら声を張り上げた。
「あたしもコイツも幸せだぁっ!!」
「夏実?」
「ん?」
「ありがと、バイク・・・大事に乗ってくれて」
「あったりまえじゃん!愛車だもん!」
「うん!」
 美幸はメカやマシンに異常とも見えるくらい愛情を注いでいる。美幸らしいっちゃらしいし、そんな美幸があたしは好きなんだけどさ。ちょっとくらいその愛情をあたしにも向けて欲しいなーとか思ったり思わなかったり。
「ん?どうかした?夏実」
「え?あ、ううん、そろそろ行く?」
「そうね」
 あたしはヘルメットをかぶり、バイクにまたがった。
 エンジンをかけてスタンドを外すと車体をまっすぐに立てて美幸が乗りやすいようにするが、一向に後ろに体重を感じない。
「ん?」
 振り返ると何か言いたそうに美幸が俯いていた。
「美幸?」
「え?あ、ごめん乗る」
「うん」
 ギシっと美幸が乗ったのを感じると
「よし、行くか!」
 と、クンっと軽くアクセルを一度空ぶかした瞬間だ。
 スルリとあたしの腰に手が回された。
「え?」
 チラリと振り返る。
 でも美幸は離れようとしない。
 前に回された手にそっと触れる。
 ビクンっと驚いたように離れようとするその手を、今度はしっかり握り返す。
 一瞬振り返って小さく頷くと、再び美幸の手がきゅっと掴まった。
 背中に美幸の存在を感じながらあたしはバイクを走らせた。
 少し運転はしづらいけど、でもさっきより全然楽しくて幸せだった。
 バイクと美幸がいれば、あたしは幸せだなぁ。



 今度美幸に聞いてみようか。
 美幸の幸せって何?って。






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Date:2011/04/27

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