Planetarium SS置き場

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□ 夏実×美幸 □

愛車と相棒

テストでSS入れてみました
ちゃんと表示されるかな?




「美幸~帰った早々で何なんだけどさー、あたしのマシン見てくんない?」
 珍しく美幸より早く起きて出かけたはずの夏実がバイク置き場から戻って来るなり、情けない声で美幸に懇願した。
「え?いいけど、どうしたの?」
 同じく非番だった美幸は、少し遅めの朝食を取っているところだった。
「なーんかエンジンかかり悪くてさー」
「プラグが湿ってるんじゃないの?」
 飲みかけのコーヒーをコトンとテーブルに置くと、広げていた新聞から顔を上げた
「しばらく乗ってあげらんなかったからなぁ」
 ぽりぽりと申し訳なさそうに頬を掻く夏実を見て美幸は微笑んだ。
「ちょっと待ってて、すぐ行くわ」
「ん、よろしく」
 
  ☆

 しばらくして、ツナギに着替えた美幸が降りて来る。
「ごめん、美幸!せっかくの非番なのに」
 ぱんっと顔の前で柏手を打つと、頭を下げた。
「いいのよ、今日は別に予定もなかったし。夏実こそどっか出かけるんでしょ?急いでやるから」
「いや、別に用事はないんだけどさぁ」
「え?そうなの?」
「ん、久しぶりにバイクのエンジンかけとこうと思ってさ」
「そっか」
 美幸はカチャカチャと工具を広げ始めた。
 美幸はマシンをもの凄く大事にするが、そのマシンをいじる道具も大事にしていた。
 きちんと整頓された工具箱を見れば、それは一目瞭然だった。
 見習わなきゃとは思いつつも、自分には絶対に真似出来ないであろうことは夏実自身が一番よくわかっていた。
 美幸はマシンのハンドルを握ると、とりあえずキックでエンジンをかけようとするが、やはりかかりは悪かった。
 今度は手際良くプラグを抜いて状態を確認し始めた。
 何やらぶつぶつ呟きながら作業をする美幸の背中を夏実はぼんやりと見つめていた。
「そういや久しぶりだよね、美幸にイジってもらうの」
「そうね、あたしがいない間は誰に?」
「大丸さん」
 二人の同僚で、長い間美幸に想いを寄せている中嶋の父親の名を挙げた。

 バイク歴は美幸よりもずっと長いし、バイク屋も営んでいるので腕に間違いはない。
「そっか、じゃあ大丈夫よね」
「ん、でも・・・」
「ん?」
「やっぱり美幸がいいな」
「え?」
 驚いた手を止めた美幸はゴシゴシと袖で汗を拭うと立ち上がって振り向く。
 と、途端に夏実が吹き出した。
「ぷっ・・・あははははっ」
「え?な、何?」
「頬、真っ黒」
 笑いながら頬についている油を夏実は指で拭ってやる。
「んもう!そんなに笑うことないじゃない!」
 くすぐったそうに目を閉じて首を竦めると、頬を染めた。
「あははっ、ごめんごめん」
 涙が出るほど笑いながら夏実は美幸を抱きしめた。
「ちょっ、夏実!どうしたの?」
 夏実の全力はまだまだこんなものではないことはわかっているが、それでもそのパワーは常人のそれを遥かに越えている。
 その夏実に抱きしめられれば痛いハズなのに・・・でも今は何故かそれが心地よかった。
 随分と手加減しているのだろう。
「どうしたの?」
 もう一度、今度は優しく聞く。
「会いたかったよ、美幸」
 笑うのを止めて、ぽつりと夏実が呟く。
「・・・うん」
「待ってた、ずっと」
「うん」
「寂しかったよ・・・美幸ぃ」
 滅多に聞けない夏実の切ない声が美幸の耳に響く。
「うん・・・そうね」
 その言葉を噛み締めると美幸は微笑んだ。
 ただ嬉しかった・・・。
 美幸は腕ごと抱きしめられていたが、ごそごそと肘から先だけを夏実の背中に回した。
 きゅっと力なくTシャツを握りしめる。
 その手の温もりを感じた夏実は、嬉しそうに腕に力を込める。
「大丸さんには悪いけど、あたしのマシンはやっぱり美幸じゃなきゃ調子悪いみたい」
「そうなの?」
「それにあたしも・・・ね」
 チュっと耳に触れるだけのキスを送る。
「ちょ、なつ・・・」
「ほら、あたしの愛車が待ちくたびれてるよ」
 言葉も出ない美幸をからかうようにバイクを指差す。
「自分が邪魔したくせに」
 言って呆れたように笑うと美幸は再びバイクの前に座り込む。
「しょうがないご主人様よねぇ、でも大丈夫よ。これからはあたしがばっちり面倒見るからね」
 美幸は嬉しそうに再びバイクの修理に取りかかった。
「ずーーーっとだからね」
「ん、ずっと・・・ね」

 ずっと一緒だから・・・
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Date:2008/08/21
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