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□ 美奈×レイ □

葛藤

まこ亜美・美奈レイで、美奈亜美(なんだそりゃ・笑)
前回「春」の続きっぽい感じで。
何だかどうしたあたし?って感じで(笑)
















「ねぇ亜美ちゃん」
「ん?」
 あたしは目の前でカフェオレに口をつけようとしている亜美ちゃんに問いかけた。
 珍しく亜美ちゃんと二人ってことで、あたしは今まで聞きたくて、聞けなかったことを聞いてみようと思った。
「まこちゃんにね、昔大好きな先輩がいたわけじゃない?」
「・・・ん」
 ピクリと一瞬眉間にシワが寄った気がしたけど、とりあえずスルー。
「そういうのって気にならない?」
「別に?」
「ホントに?」
 ポーカーフェイスを貫こうとする亜美ちゃんを問いつめる。
 亜美ちゃんが無言で少しだけ俯いた。
「あのね美奈子ちゃん」
 思ってたのとは裏腹に笑顔で顔を上げた。
「ん?」
「確かにまこちゃんに昔大好きな先輩がいたことはわかってる。みんな知ってることだし・・・」
「うん」
「でもそんな過去があったから今のまこちゃんがいると思ってるの。まこちゃんが今も先輩を引きずってるのなら話は別だけど、そうじゃないって思ってるから。先輩のことは思い出にしてくれてるってわかるから、だから気にしないことにしてるわ」
「亜美ちゃん・・・大人ね」
「そう・・・かしら?美奈子ちゃんはどうなの?」
「え?」
「何かあったんじゃないの?」
 鋭いなぁ亜美ちゃんは。
 一瞬どうしようか躊躇したが、亜美ちゃんにだけ話させて自分だけ何も話さないのは卑怯な気がした。
「レイちゃんにも昔好きな人がいたみたいなの、レイちゃんはまこちゃんほどおおっぴらじゃないからハッキリしないんだけど・・・さ」
「そうなんだ・・・」
「レイちゃんってさ、普段はクールだけど炎の戦士だけあって結構熱い性格だと思うのね。多分・・・だから・・・その人とどんな恋をしてどんな風に終わったのかわかんないけど、でも・・・あのレイちゃんが想ってたくらいだから相当熱くて深いのかなって・・・レイちゃんの心に残っちゃうくらいの相手なのかなって思ったら・・・嫉妬した」
 訥々と語るあたしを、驚いたように目を丸くして見つめる。
「だから亜美ちゃんに聞いてみたんだけどさ、亜美ちゃんが思ったよりオトナだったわ」
「美奈子ちゃん・・・」
「へへっ、レイちゃんには今の話ナイショね」
「う、うん」
 その時だ。
「あーみちゃん♪お待たせ!何話してたの?」
 まこちゃんがひょいっと顔をのぞかせた。
 ドキンっと胸が鳴った。
 今の話聞かれてないよね?ね?
 見ると、亜美ちゃんも少し慌てていた。
 そしてその後ろからレイちゃんも顔を出したのでまた驚いた。
「ごめん、遅くなった」
「ううん、大丈夫、ね?亜美ちゃん」
「ん」

  ☆

 4人でお茶した後は、それぞれバラバラに解散した。
 まことは亜美と、美奈子はレイと。

  ☆

「まこちゃん」
「ん?どうしたんだい?」
 ニコニコと満面の笑顔で見下ろすまこちゃん。
 この人はわたしのことちゃんと好きでいてくれる。
 そう思える笑顔。
 そう信じてもいいと思える笑顔。
 そして・・・大好きな笑顔。
「まこちゃんは、先輩のこと思い出すことある?」
「へ?」
「大好きだった先輩・・・でしょ?」
「はぁ、まぁ、ね」
 気の抜けたような返事に、こちらも肩すかしをくったように気が抜けた。
「まこちゃん?」
「いや、さ、何言い出すのかと思ってびっくりしちゃったよ」
 立ち止り、向かい合って見つめ合う。
「気になる?」
 イタズラッ子のように笑うまこちゃん。
 何だか余裕を感じる笑顔にちょっと悔しくなる。
 だけど、嘘はつけなかった。
「気になる・・・」
「もしかしてさ、さっき美奈子ちゃんとそんな話してたの?」
「聞いてたの?」
「んにゃ?勘」
 時々妙に鋭いまこちゃんの勘に驚いて目を丸くする。
「あのさ、亜美ちゃん」
「え?」
「確かに先輩のこと好きだったし、忘れることはないけど、それは好きだから忘れないんじゃなくってさ、思い出だからね」
「まこちゃん・・・」
「だってさ、あたし今亜美ちゃんが大好きだもん。毎日亜美ちゃんのことばっか考えてるよ?」
 わたしの頬がぽむっと熱くなった。
「あたし亜美ちゃんとのこと、思い出にするつもりないからね」
「え?」
「ずっと一緒だから・・・ってゆーか・・・一緒にいさせてね」
 よろしくねっと手を差し出される。
 嬉しくて、くだらないことを言った自分が恥ずかしくて、少しだけ俯きながらその手を取った。
「まこちゃん、ごめんね」
「ん?」
「疑っちゃって」
「大歓迎!だってそれほどあたしのこと好きだってことでしょ?嬉しいよ!」
「んもうっ、まこちゃんったら」
 プっとわたしたちは同時に吹き出し、声を上げて笑った。
「じゃ帰ろうか」
「うん」
 わたしたちは仲良く手を繋いで歩き出した。

  ☆

「で?亜美ちゃんと何話してたの?」
 その言葉にドクンっと心臓が飛び出しそうになるくらい驚いた。
「え?な、な、何?」
「え?何?そんなに驚くようなこと言った?」
「あ、いや、そうじゃないけど、さ」
「ふーん」
 二人の間に降りる沈黙。
 空気が張りつめている気がする。
「あのさ、美奈」
 その沈黙を破ったのはレイちゃんだった。
「ん?」
 つとめて平静を装ったつもりだったけど、緊張で声が上ずっている。
「こないだのこと・・・まだ気にしてる?」
「え?」
「春が嫌いって言ったこと」
「あ、いや、ううん?」
「ふふっ、ホントわかりやすいわね、美奈って」
「うっ・・・」
「ごめん」
 いきなりペコリと頭を下げるレイちゃんに、あたしは呆然と立ち尽くしてしまった。
「・・・はぁ?」
「何よ?せっかく人が謝ってるのにそのマヌケな返事は?」
 キっと睨まれる。
「え?あ、や、ご、ごめん、ちょっとびっくりしちゃった」
「あたしがあんなこと言っちゃってから美奈さ、ずっと変だったでしょ?」
「変?」
「まぁあなたいつも変だけどさ、何だか妙にあたしのこと独占しようとしたり、かと思ったら急に距離置いてみたり・・・これでおかしいと思わないわけないでしょ?」
「あ・・・」
 思い当たるフシがありすぎて、ちょっと恥ずかしくなった。
 レイちゃんの勘の良さを侮っていたことに、あたしは思わず頭を抱えた。
 その時だ、ふっと腕に温もりを感じる。
 見下ろすと、レイが腕を絡めて見上げていた。
「全く、バカなんだから」
 子供に言い聞かせるように笑う。
「だってぇ~」
 あたしは泣きそうになった。
「・・・ごめん、あたしが悪いか」
「レイちゃん?」
「もう終わった事思い出したりしてさ、美奈にヤな思いさせたものね」
 ふわりと優しい笑顔に変わる。
 あの時レイちゃんはあたしのこと好きだって言ってくれたけど、でも何だかやっぱりちょっと寂しかったのも事実で・・・。
 今はあたしのそばにいるけど、先のこと考えるとすごく不安になった。
 その不安をかき消そうと必死で抱きしめてみたり、逆に不安を振り払おうと離れてみたりしたけど、結局ずっとつきまとっていた。
「亜美ちゃんがね」
「うん?」
「今のまこちゃんがいるのは、昔の経験があるからだって・・・先輩のこと、今はもう思い出にしてるみたいだから平気だって・・・強いなって思っちゃった」
「そう・・・ね」
「あたしも見習わなきゃって思ったわ」
「そうね、でも・・・」
「ん?」
「悩んでる美奈も結構いいわよ?」
 ニヤニヤとイジワルな笑みを浮かべ、ツンツンと頬を突つかれる。
「な、何よ!人が真剣に悩んでたのに!」
「それはそれはありがとうございます」
「レイちゃんのバカっもうキライっ」
「はいはい、でもいくら美奈があたしのことキライでも、あたしは美奈のこと好きよ?」
「え?」
「これからもずっと、ね」
 勝ち誇ったように笑う。
 あたしの負けだ。
 レイちゃんにはきっとずっと敵わない気がする。




 でも・・・きっとずっと好きなんだろうな。。






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Date:2010/05/12

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