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□ レイ亜美 □

ゴキゲンナナメ

色々サイトの方バタバタしましたが、レイ亜美更新出来ました。
難産というか、完全にあたしの体調のせいでしたね。
ってことで遅くなってすいません。








「むぅっ」
「何怒ってるのよ?」
「別に怒ってないわ」
「怒ってる」
 レイは一心不乱に文庫本に視線を走らせる亜美の顔を覗き込んだ。
 チラリと一瞬視線を上げるが、すぐに戻す。
 その態度にムっとしたレイは、おもむろに文庫本を取り上げた。
「何するの?レイちゃん」
「こっちのセリフよ!機嫌悪い理由、言わなきゃわかんないじゃない」
「それは・・・」
「何?」
「・・・やっぱり言わない」
 ぷいっとそっぽを向きながら文庫本を取り返した。
「はぁ?」
 どこまでも頑固な亜美に少し呆れた。
「もういいわ、いつまでも拗ねてなさい」
「・・・」
 その時だ、レイの携帯が震えて着信を告げた。
 うるさい音はキライだと、常にバイブにしているらしい。
「はい火野です。あ、うん、わかった、うんうん、じゃあまた明日」
 短く用件だけの電話だったが、レイの元に自分たち仲間以外から電話かかってくることが最近増えたように思う。
「・・・誰?」
「誰って、学校の子だけど?」
「ふーん」
 その反応を見てレイはニヤリと笑う。
「もしかしてさぁ・・・妬いてる?」
「!」
 イキナリ核心を突かれて珍しく動揺を見せる亜美は、文庫本を取り落とした。
「へぇ?」
 嬉しそうに笑うレイの頬はすっかり緩んでいた。
「べ、別に?ヤキモチなんか妬いてないわ」
「はいはい、あ、あたし明日遅くなるからクラウンには行けないわ」
「え?どうして?」
 亜美の表情が曇る。
「学校の用事よ」
「学校の・・・?」
「あたしにだって色々あるわよ」
「そうね・・・」
「じゃ、今日は帰るわね」
「え?」
「誰かさんいつまでも機嫌悪いしね、じゃね」
 ひらひらと手を振りながら踵を返すその姿に、亜美の眉間は再び溝を刻んだ。

  ☆

 最近のレイはどこか楽しそうだ。よく電話もかかってくるし、メールもしているみたいだ。
 別に束縛するつもりはないのだが、電話中に亜美には見せないような表情を見せるのが少し悔しかったり。
 勝手なのはわかっている。レイは一人違う学校で、亜美にはうさぎもまことも同じ学校にいる。レイにだって学校に友人くらいいるだろう。
 理解はしている。
 だがこのモヤモヤは何だろう?
 亜美の頭でも答えは出せなかった。

  ☆

 翌日、昨日の宣言通りクラウンにレイは来なかった。
 学校の用事と言われれば何も言い返せないし、疑いたくもなかった。
 素直に聞けばいいのだろうけど、何かよくわからない感情が邪魔をしてして亜美の胸中はただひたすらモヤモヤしていた。
「亜美ちゃん?どしたの?」
 うさぎがひょこんと亜美の顔を覗き込んだ。
「え?あ、ううんちょっと考え事してて」
「そ?」
「ん、ごめんね」
「そいやさー今日レイは?」
 まことは頬杖をついて誰にともなく尋ねた。
「学校の用事だって聞いてるけど?」
「あ、そうなの?珍しいねぇレイってそんなに学校行事とかって参加しなさそうなのにな」
「行事?」
「TAってもうすぐ文化祭じゃないの?」
「あぁ・・・」
 亜美は初めてその理由に思い当たった。
 そういえばそういう時期なのか。
 亜美自身あまり積極的に文化祭やイベント事に関わらなかったせいか、全く思い当たらなかった。
「文化祭・・・か」
「レイちゃん何すんのかなー?」
「みんなで行こうか!」
「行こう行こう!」
 うさぎとまことは2人でどんどん盛り上がっていたが、亜美の心はまた別の不満が広がっていた。

  ☆

 クラウンを出た亜美の足は自然と火川神社に向かっていた。
 すっかり陽は落ちていた。
 ゆっくりと神社の階段を登っていると、後ろから亜美の名を呼ぶ声が聞こえた。
「亜美ちゃん?」
「え?」
「どうしたの?」
 タタタっと小走りで階段を駆け上がって来るレイ。
 2人は階段の途中で向かい合う。
 亜美は黙って俯いた。
「何?まだ機嫌悪いの?」
 少し不満そうに亜美の顔を覗き込む。
 ふるふると俯いたまま小さく首を振る。
「じゃあどうしたの?」
 黙りこんでしまう亜美にイラっとしたレイは、亜美の手を取ると自分の部屋に引っ張って行った。

  ☆

「で?何なの?亜美ちゃん」
「・・・」
「整理出来てなくていいからちゃんと話して」
 言われて亜美は一瞬黙り込んだが、少しの間逡巡した後、言葉を紡ぎ出した。
「レイちゃんは・・・キレイでカッコいいから、きっと学校で人気あるんだと思うんだけど・・・」
「・・・はぁ?」
 予想外の所から話が飛んで来て少し面食らうレイ。
「最近よく学校の人から電話かかってくるし、その時のレイちゃんの顔、わたしの前ではあまり見せてくれない、楽しそうな表情だった」
「それはまぁ・・・」
「わたしは学校も違うから、レイちゃんが普段どんな生活してるのか、どんなお友達がいるのかわからないわ」
「うん」
「わたしの知らないレイちゃんを知ってる人たちがいる・・・それが悔しくて・・・」
「あぁ!」
「妬いてるの?て言われて少しドキっとしたけど、ただのくだらない子供じみた独占欲だとわかっているから素直に言えなくて・・・ごめんなさい」
 背中を小さく丸めてしょんぼりと肩を落とす。今にも泣きだしそうな顔だ。
 レイは思わずそんな亜美の身体をふわりと抱きしめた。
「え?レ、レイちゃん?」
「ばかっ」
「え?」
「天才少女のクセにこーゆーことはホント鈍感なんだから」
「ごめんなさい」
「あのねー!あっちのあたしがニセモノで、こっちのあたしがホンモノ!」
「え?」
「学校なんだからそりゃあ色々つき合いあるし、前はそんなのも全部避けてたけど、うさぎやまこと、亜美ちゃんたちといたらいつの間にかあたしも丸くなっちゃったというか何というか・・・確かに人が寄っては来るようにはなったけどね」
「うん?」
「でもね亜美ちゃん、あたしが亜美ちゃんにしか見せない顔もあるのよ?」
「え?」
「あたしが今までどれほどまことやうさぎに嫉妬したと思う?」
「レイちゃん?」
「あたしの方が亜美ちゃんのこと好きだった時間の方が長いんだからね」
 そっと亜美の額にキスをする。
「こんなことも亜美ちゃん以外には絶対しないし、独占したいって思う人も亜美ちゃん以外いないわ」
 ニッコリ笑う。
「でも・・・亜美ちゃんがそんなにあたしのこと好きになってくれてたなんてね、ちょっと驚いた」
「そう・・・かしら?」
「うん、嬉しい」
 抱きしめる腕に力を込める。
「レイちゃん、ごめんなさい・・・ごめんね」
「わぁかったから!もう泣かない!」
「泣いて・・・ないわ」
「ホントにぃ?」
 イジワルな笑みを浮かべると、亜美は頬を膨らませて抵抗する。
「ホント!」
「そう」
 レイは意地っぱりなその唇を塞ぐようにキスをした。
 一瞬驚いた表情を見せた後、亜美は受け入れるようにゆっくりと目を閉じた。
 ふるりと背中を震わせる。
「亜美・・・ちゃん?」
「ん?」
 くすくすっとレイが小さく笑う。
「な・・・に?」
「亜美ちゃんさ」
「え?」
「あたしに触れられるのがそんなに気持ちいい?」
 亜美の頬がぽむっと真っ赤に染まる。
「くすっ、あたしにこんなことしてもらえるのは亜美ちゃんだけよ?もっと自信持ってもいいんじゃない?」
「レイちゃん・・・」
「亜美ちゃんのそんなかわいい顔見れるのもあたしだけだって、あたしは自信持ってるわよ」
「凄い自信」
「でも事実でしょ?」
「そう・・・かしら」
「そうよ」
 言ってレイはもう一度亜美の唇に、触れるだけのキスをした。




「ほらね、その顔!」
 瞳を潤ませ、頬を真っ赤に染めた顔に向かってレイは勝ち誇ったように笑った。




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Date:2010/02/16

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