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□ まこレイ □

年の初め

あけましておめでとうございます
一発目はまこレイになりました。
うーん、数年前まで結構こんなまこちゃんみたいな年越しを過ごすことが多かったです。
他人事とは思えません(笑)
そんな話です。









「うわっ寒っ」
 外に出た途端、冷たい風が顔を叩く。
 年末年始は寒波が来ると言っていた天気予報が、決して外れではなかったことを証明するには十分な寒さだった。
「レイ終わったかな?」
 はぁ~っと両手をこすり合わせながら息を吹きかける。

  ☆

 元旦と言えば、一年で一番神社が繁盛する日だ。
 神社の孫であるレイが暇なわけがない。
 好きな人と一緒に年を越したい気持ちはあるが、そんな無理を言うほど子供でもないつもりだった。
 なので大晦日は家でテレビを見ていた。
 亜美は母親と過ごすらしいし、美奈子は仕事、うさぎは衛と初詣とそれなりにみんな忙しいので仕方なく一人でお笑い番組を見ながら笑い、テレビに向かってツッコミを入れてみたりしているうちにいつの間にか年をまたいでいた。
 仲間たちから来るおめでとうメールに返信しながら、一番来て欲しい人からのメールが来るんじゃないかと期待してみたり。
 だが、いつまで待ってもやはりメールは来ない。
 見ていたお笑い番組も終わり、テレビを消すと途端に静けさが広がった。
「つまんないな」
 ボーっと天井を見上げる。
「邪魔・・・かな・・・?」
 ノロノロと腰を上げたまことは、ダウンジャケットを手に取り、手袋とマフラーを装備すると鍵を片手に家を出た。

  ☆

 神社の階段を登り切ると、思いのほか人が多いことに驚いた。お参りの行列に何となく並んでみる。
 チラリとお守り売り場に目を走らせると、レイが忙しそうに働いていた。
 普段あまり見ないレイの営業スマイルが、男の視線を集めていた。歯がゆい思いをしながら進む列について歩く。
 やっとのことで5円玉を放り込み、お参りを済ませ、そのままお守り売り場に向かう。
 またしても列が出来ている、その最後尾に並ぶとイライラしながら待つこと数分、やっとのことで順番が回ってきた。まことはおみくじを指差して言った。
「おみくじお願いします」
「はい、200円です・・・って、え?」
「へへっ、来ちゃった」
「ん」
「えっと、23番」
「はい」
「ありがと」
 後ろの列を気にしながらまことはさっさとそこを去ろうとする。
「あの、まこと!」
「ん?」
「これ・・・」
 去ろうとするまことの手に何かを握らせた。
「え?」
「ごめん」
「うん」
 それだけでレイの言いたいことを理解したまことは、ニッコリ微笑みその場を後にした。列を離れたまことはレイが握らせてくれたものを見つめる。
 緑のお守り袋には白字で“安産祈願”の文字が書いてあった。
「ははっ何だこりゃ?」
 慌てて間違えたらしいお守りの文字に、思わず笑いがこみ上げた。

  ☆

 気分だけでもとおせちを用意し、亜美やうさぎと改めて初詣に出向き、みんなでおせちをつつき、再び一人になった元旦の夜。テレビでは相変わらずお笑い番組ばかりやっている。
 その時だ。
 ピンポーンとインターフォンが鳴る。
「ん?忘れ物かな?」
「はい?」
 ガチャっと開けた瞬間だ、まことの胸に何かが飛び込んできた。
「へ?な、何?」
 驚いてそれを見下ろすと、ずっと会いたいと望んでいた相手だった。
「レイ?」
「うん」
「もういいの?神社」
「うん」
「そか」
 ぽんぽんとおつかれさま、と背中を撫でる。
「ね、おせち食べる?」
「うん」
「お雑煮もあるけど?」
「うん」
 まことは寒そうに震えるレイを部屋に招き入れると、コタツに座らせた。
「寒かっただろ?」
「ん」
 レイの前に雑煮とおせちの重箱を置くと、まことは正面に座った。
「いただきます」
 とキチンと手を合わせ、小さく呟くと雑煮に箸を伸ばした。
「おいし」
「ほんと?」
「うん」
 頷いて今度はかずのこに箸を伸ばした。
「どう?」
「うん、おいし」
「よかったぁ」
 嬉しそうに笑うまことの笑顔に見蕩れ、ぼんやりと見上げる。
「ん?どした?」
 レイは黙って席を立つと、まことの隣に移動する。
「ん?」
 まことの肩に頭を預ける。
「レイ?疲れた?」
「ごめん、まこと」
「へ?」
「一人だったのよね?」
「大晦日?うんまぁね」
「ごめん」
 もう一度謝る。
「馬鹿だなぁ、仕方ないだろ?レイは神社の跡取り孫なんだからさ」
「それはそうだけど・・・」
「そんなレイに惚れたんだから、あたしは平気だって」
「でも」
「大晦日のお笑い番組結構面白いんだよ?あ、紅白に美奈出てたよ」
 どんな番組だったかを早口で話し出す。寂しかったことなどおくびにも出さないように楽しそうに。
「まこと・・・」
「あ、ねぇレイ」
 レイの声を遮るようにまことはごそごそとカバンを探った。
「これ、どういう意味?」
「え?」
 差し出されたお守りを見て目を丸くするレイ。
「ちょ、それっ」
「あたしに子供産めって?」
 笑いながら聞く。
「ちがっ」
 初めて自分が間違えてお守りを渡したことに気がついたレイは、頬を染め、取り返そうと手を伸ばす。
「ダメだって!レイがせっかくくれたのに」
「間違いだって言ってるでしょ!ちゃんと本物渡すから!」
「いいもーん」
「まこと!」
「へへっ、嬉しかったんだ」
「でも・・・」
「おみくじは大吉だったしさ、さい先いいよね」
「ばか」
 言葉とは裏腹に嬉しそうに笑うレイの肩を抱き寄せ、まことは耳元で囁いた。
「子供は出来ないけどさ、いいよね?」
 自分で言った冗談にイタズラッ子のように笑う。
「ばっ、な、何を・・・」
「あははっ、でもさーレイの営業スマイルって最強だよね」
「何が?」
「男連中が鼻の下伸ばしてたもん」
「嘘」
「ホントだって!レイはあたしのだって言いたかったもん!」
「そんなつもりは・・・」
「わかってるけどさ、ちょっと悔しかった」
「ごめん」
「だからさ・・・今日だけは独り占めしても・・・いいだろ?」
 レイの髪を耳にかけ、そこに囁きかけるとチュっとキスをする。
「んっ」
 声を上げるのを我慢するレイにそそられ、今度は唇を塞ぐ。
「んんっむ、ん」
 今度はレイもまことの背中のシャツを掴みながらそれに応える。
 息苦しそうに時折洩れる吐息とくぐもる声。
 それでもお互い離れるのを惜しむように求め合う。
 唾液の絡まる音が響く。
 長いキスにとりあえずは満足した2人は、もう一度触れるだけのキスをするとやっとのことで離れた。

  ☆

「明日も・・・仕事だろ?」
「ん」
「じゃあ今日はこれで我慢する」
「我慢って・・・」
「レイに会えただけで満足だし」
 長い黒髪を優しく梳き、かきあげ、首筋を強く吸った。
「んんっちょ、まこ・・・」
「まずかった?これ」
 チョンと指さした所には、真っ赤な痕が残っていた。
「マズイわよ」
 文句を言いながらも今度はレイがまことの首に吸い付いた。
「お返しよ」
「ありゃ」
 まことはそれでも嬉しそうに笑いながら立上がると、棚から救急箱を取り出し、中から絆創膏を取り出した。
「これ貼っとくよ」
「ん、まことは?」
「あたしは別に見られても困らないし、もったいないからこのままにしとくよ」
「ばかっ」
「あたし今日何回ばかって言われたんだろ」
 くすくす笑う。
「あけましておめでとう、レイ」
「ん」

  ☆

「三ヶ日終わって落ち着いたらまた来るから」
「うん、レイの好物用意して待ってるよ。何がいい?」
「まこと」
「え?」
「が、あたしの好物だから」
「ば、ばかっ」
 珍しく動揺するまことにレイは
「楽しみね」
 と、勝ち誇ったように笑った。




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Date:2010/01/03
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