Planetarium SS置き場

□ スポンサー広告 □

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


* 「スポンサー広告」目次へ戻る
*    *    *

Information

□ レイ亜美 □

ドキドキ

レイ亜美です
久々なんですが、ちょっと動き出しましたね。
さぁてどうなることやら(笑)







 亜美はぼんやりと窓の外を眺めていた。頭に浮かぶのは2人の人物。わたしのことも好きでいてくれるけど、みんなのことも好きで大事にする人と、わたしのことだけを好きだとまっすぐ言ってくれる人。2人の間で自分の気持ちが揺れているという事実が亜美自身を打ちのめしていた。自分の気持ちがわからなくなっていた。カランとアイスコーヒーの氷が解けて沈んだ瞬間、ふっと我に返った。
 時間はとっくに真夜中を指していた。

  ☆

 クラウンに顔を出すと、まことが一人で退屈そうにアイスコーヒーをかき混ぜていた。
「や、亜美ちゃん遅かったね」
「あ、うん、掃除当番だったから」
「そっか、うさぎも?」
「ううん、うさぎちゃんはその・・・」
「補習?」
 コクンとうなづくと、まことはあははっと笑った。
「相変わらずだな」
 それには答えず、ただ微笑んだ。
「あれ?亜美ちゃん?」
「ん?」
「どうしたの?これ」
「え?何?」
「目の下、すごいクマ出来てるよ」
 座ったままそばに立つ亜美の頬に手を伸ばすと、親指でそっと目の下に触れた。
 ドクンっと亜美の心臓が高鳴り、全身が硬直する。触れられた箇所が熱い。
「あの、ちょっと考え事してて眠れなくて」
「そうなの?大丈夫?あたしでよければ相談に乗るよ?」
「ううん、大丈夫、心配かけてごめんね」
「そう?いつでも言ってね」
「ん、ありがと」
 それ以上まことがその話を蒸し返すことはなく、話はすぐに日常会話に移っていった。

  ☆

 連絡版に母が夜勤で泊まり込むという記入があり、冷蔵庫に入っていた母が作ってくれていた晩ご飯をレンジに入れ、スイッチを押した。ぐるぐると回り始める皿をぼんやり見つめていた時だ、突如来客を告げるインターフォンが鳴った。レンジをそのままに受話器を取り、カメラを確認して驚いた。
「レイちゃん?」
「ん、入れてもらえるとありがたいんだけど」
「あ、うん」
 ピっとボタンを押し、オートロックを解錠すると、しばらくして今度は玄関のインターフォンが鳴った。
「どうしたの?レイちゃん」
 玄関に招き入れるために身体を少し端に寄せる。出来るだけ平静を装うようにはしているが、全く自信はなかった。2人きりになることが少し怖かったが、レイにそれを気づかれることだけは避けたかった。
「今日のクラウンでの亜美ちゃん少し変だったし」
「え?」
「目の下のクマ、いつもよりヒドいし・・・またまことのことでも考えてた?」
 そっとその部分に触れてこようと伸ばされた手に驚き、ビクンと肩を震わせ、ぎゅっと目を閉じた。
「そんなに怖がらないでよ」
「え?そ、そんな・・・」
「いくらあたしでも少しはヘコむわよ。あたしがそんなに怖い?」
 真っ直ぐ射抜くような、でもどこか寂しげな瞳で見つめられる。
「そ、そういうわけじゃ・・・」
「まことの手は・・・怖くなかったの?」
 上げた手をゆっくり下ろす。
「え?」
「見ちゃった」
 亜美は驚いた顔で一瞬目を見開くが、すぐに俯いて黙り込んでしまったその時だ、キッチンで役目を終えたレンジがチンとそのことを告げた。
「お母さんいないの?」
「あ、うん、夜勤で」
「そうなんだ」
 沈黙が降り注ぐ。
「帰るわ」
「え?」
 ドキドキしていた自分がバカらしくなるくらいアッサリと引かれて驚いた。
「ちょっと心配だっただけだから、じゃね」
 そんな想いなど知らぬかのようにくるりと踵を返すレイ。
 だが、颯爽と立ち去ろうとするレイの手を、亜美は思わず掴んでしまった。
「え?」
「あ・・・」
 一瞬2人の視線が繋がれた手に落ちた。
「あ、ちがっ、ごめんなさい!」
 慌てて手を背中に引っ込めると、頬を真っ赤に染めて俯いた。
「何?亜美ちゃん」
「あのっ・・・違うの」
「だから何が?」
「まこちゃんのことだけ考えてたわけじゃ・・・ないの」
「はい?」
「レイちゃんのことも・・・」
「・・・本当に?」
 コクンと無言で頷く。
「あたしのことも考えてくれてたってことは、少しは望みを持ってもいいってこと?」
「それは・・・その・・・」
 どう答えるべきか、さすがの天才少女でもすぐには答えを出せないらしく、言葉を濁して黙り込んでしまった。
 再び沈黙が2人を包んだ。レイは我慢強く次の言葉を待ち、亜美はそれに答えた。
「レイちゃんの手が怖いわけじゃないの」
「うん?」
「レイちゃんの手にドキドキする自分が怖いの」
「え?」
「わたしはその・・・まこちゃんのことが好きって言ってたのに、レイちゃんに好きって言ってもらってから何だかずっとドキドキしてて、自分の気持ちがどんどんわからなくなっていったの」
「ん」
「自分の想いがそんな簡単なものだったのかなって思うと少しショックだったし」
「ん」
「わたしは・・・どうすればいいのかわからな・・・えっ!?」
 言い終わらないうちに亜美は肩を掴まれ、玄関のドアに身体を押し付けられたかと思うと、その両側をレイの手が通せんぼをするように塞いだ。
 そして次の瞬間、意識を奪われるようなキスが降り注いだ。
「んんっ?」
「もう・・・そろそろ限界なんだけど」
「レイ・・・ちゃん?」
「ずっとずっと我慢してきたわ、亜美ちゃんがまことのこと好きでもかまわないって思ってた。絶対振り向かせてやるって思ってたんだけど、でも・・・そろそろ限界かなって思いはじめてた。亜美ちゃんの気持ちは変えられないのかもって・・・」
「ごめんなさい」
「ううん」
 ふふっと小さく笑い、しがみつくように亜美の首に腕を回した。腕の中に亜美を抱き、喜びに思わず身体が震える。
「あのっ、レ、レイちゃん?」
「何?」
「ご飯、食べてく?」
「は?・・・ちょっと亜美ちゃん」
「え?」
「それ、こんな時に言うセリフ?」
 亜美の天然っぷりに驚き、そして次第に笑いがこみ上げた。
「い~い雰囲気だったのにご飯って」
 余程ツボに入ったのか、くすくすと抱きしめたまま笑い続ける。
「あの、レイちゃん?ごめんなさい」
「ううん、いいの」
「ホント?」
「うん、あ、あたし今日は帰るわ」
「え?どうして?」
 少し不安そうに眉をひそめる。
「そんな顔しないでよ、今これ以上中に入ったらご飯だけじゃ済まなくなりそうだもの」
 ツンツンと額を指で突いた。きょとんと意味がわからないというような顔で見つめる亜美に、レイはまた笑う。
「天才少女なのに・・・ね」
 レイは亜美の頬に手を伸ばす。今度はもう逃げようとしない亜美の唇に深く口づけた。初めてそれに答えてくれた事が嬉しくて、レイは何度も角度を変えてキスを繰り返した。
 繰り返し繰り返し気が済むまで貪るように堪能すると、やっとのことで離れたレイは、半ば意識が落ちかけている亜美の耳元で囁いた。
「これ以上はまだマズイでしょ?」
 ぼんやりとした頭でやっと意味を理解したのか、亜美の頬が再び真っ赤に染まった。
「あのっ、そのっ、えっと」
 狼狽える姿がまたおかしくて、レイは微笑んだ。
「とにかく今日は帰るわ」
「あ、う、うん」
「またね」
「うん・・・あのっレイちゃん!」
「ん?何?」
「来週・・・またママ夜勤だから」
 今度はレイがきょとんとする番だった。
 そして意味を理解した後、ニヤリと唇の端を上げて笑った。

「それじゃあ来週いただくわ」






スポンサーサイト

* 「レイ亜美」目次へ戻る
*    *    *

Information

Date:2009/10/17
Trackback:0
Comment:0

Comment

コメントの投稿








 ブログ管理者以外には秘密にする

Trackback

TrackbackUrl:http://moetetsu7.blog59.fc2.com/tb.php/241-ff2c6701
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

+
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。