Planetarium SS置き場

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□ まこ×亜美 □

トモダチ

まこ亜美です。
ほのぼの目指してたのに気づいたらこんなとこに迷い込んでました。
軌道修正出来なかったので、もうこのままアップします(笑)











「あの・・・ごめんなさい」
 深々と、丁寧すぎるくらい丁寧に頭を下げる。
「そっか、誰か好きな人でもいるの?」
 “好きな人”そう言われ、ドクンと心臓が跳ねる。
「そんな人!・・・いません」
 動揺を悟られないように強く否定する。
 目の前にいるのは隣のクラスの、名前くらいは知っている程度の顔見知りの男子生徒だった。確か委員が同じだったかと思い当たる。
 元々あまり他人に興味を抱かない性質な上に、苦手なものがラブレターというくらいそっち方面には疎い亜美にとって、この状況はかなり拷問に近かった。
 クラスメート経由で放課後、体育館の裏に呼び出された時にはイヤな予感がしたのだが、顔を立てて会うだけ会ってくれと頭を下げられ、断るに断れない状況で結局ついて来てしまった。
 そしてやはり予感は的中した。
 実はここのところ少しだけこういうことが増えていた。何がきっかけかといえば、やはりうさぎたち仲間と出会ってからだとは思う。
 自分が変わったのか、周りが変わったのかはわからないが、確実に自分を見る周りの目が変わって来ていることは肌で感じていた。
「じゃあまだ俺にもチャンスある?」
「え?」
 いつもと違う言葉を発する相手に少し動揺する。大体は頭を下げると結構すぐに諦めてくれたりするのだが。
「彼氏がもういるとか、好きな人がいるんなら諦めもつくけど、そうじゃないなら諦めたくないな」
「えと、でも、困ります」
「何が?」
「あなたのことよく知らないし」
「これから知ってくれたらいいじゃん」
 爽やかな笑顔にチクリと胸が痛む。この笑顔に答えられないことに少し罪悪感を覚える。
「あの、ごめんなさい!」
 もう一度深々と頭を下げると、亜美は逃げるように踵を返して走り去った。
「え、ちょっと!水野さん?」
 背後から追ってくる声に耳を塞ぎたくなる衝動を必死に抑えて、亜美は走った。

  ☆

「まこと先輩!」
「ん?理沙じゃん?どうしたの?部活は?」
 園芸部の後輩が嬉しそうに駆け寄って来る。犬コロみたいに懐いて来るのでついついかわいがってしまう子だった。
 駆け寄った勢いでガシっとまことの腕に自分の腕を絡めて来ると、嬉しそうに見上げて笑う。
「やだなぁテスト前ですよ!一緒に帰りましょ!」
「え?あ、そっかそっか」
 チラリと校舎を見上げる。
 今日は用事があるから先に帰ってくれと言われた以上、待っている理由はないのだが・・・。
「珍しいですね?一人ですか?」
 まことの視線に気づいたのか、同じように校舎を見上げた。
「まぁね」
「いっつも水野先輩とか月野先輩とかと一緒なのに」
「今日2人とも用事あるんだって」
 くるりと校舎に背を向けて歩き出すまことに並んで、理沙が再びまことの腕にぶらさがる。
「じゃあ今日はまこと先輩独り占めしちゃおっと」
「おいおい」
 素直に頬をすりすりとすりよせて甘えてくるかわいい後輩を邪見にする理由も見つからなかった。
 だが隣に並ぶ頭がいつもより少し低い位置にあることに違和感を覚える。
「お茶でも行きませんか?」
「あぁいいよ、じゃあクラウンでも行く?」
「あの・・・違うところにしません?」
 気のせいか少しイヤそうな顔でぷるぷると小さく首を振る。
「え?あ、そう?ならそうするか」
 まことは理沙に連れて行かれた、初めて入る喫茶店に入った。
 クラウンとは違う、女子中高生率が高めの少し騒がしい喫茶店だ。


「先輩はどうして水野先輩たちと仲いいんですか?」
 注文したカフェオレが届き、店員が去ったと思った瞬間だった。
 その言葉にふっと意識を引き戻される。
「どうして?トモダチやんのに理由がいる?」
「そうじゃないけど、あまりにも世界が違う気がするから」
「そうかい?でもまぁ・・・そんなもんじゃない?トモダチなんて」
 トモダチ。
 その言葉が重くのしかかる。
 人前ではそういうことになっている。
 そんな関係。
 ストローでカフェオレをかき混ぜると、カラカラと氷が踊る音がする。
 その時だ、バイブにしていた携帯が着信を知らせるように震えた。
「あ、理沙ちょっとごめん」
「水野先輩ですか?」
「へ?」
「何となくです、どうぞ出てください」
「ごめん」
 席を立つと、迷惑にならないように外に出て、まことは通話ボタンを押した。

  ☆

 亜美はとぼとぼと歩きながらぼんやりとまことのことを想う。
 好きな人がいるなら諦める、と言われ少し動揺した。頭に浮かんだまことの笑顔・・・だがそれを告げることはできなかった。
 携帯電話を開き、ピポパと慣れた手つきで操作する。
 耳元で呼び出し音が鳴り続けるが、中々出る気配もなければ留守番電話に切り替わる気配もない。イライラしながら待つが、10コールほどしたところでさすがに諦めようと電話を切ろうとした、その時だ。
 慌てた声で
「もしもーし!亜美ちゃん!ごめーん!」
 と、呼び止める声が耳に響く。
「まこちゃん?忙しかったんじゃない?ごめんね」
「大丈夫だよ、どうしたの?用事終わった?」
「ん・・・」
「ねぇ・・・何かあった?元気ないよ?」
「ううん、なんでもないの」
「あのさ、亜美ちゃん」
「ん?」
「今一番したいことって、何?」
「え?あの・・・」
 一瞬の沈黙の後

『会いたいな』

 2人の声が重なった。
 わざと合わせたのだろうか、まことが絶妙のタイミングで全く同じ言葉を発した。
「え?」
「同じこと考えてるね」
「まこちゃん・・・」
「ね、会いたいな」
「うん」
「ねぇまこちゃん、今から行っても・・・いい?」
「もっちろん!あたしももう少しで帰るから美味しい紅茶入れて待ってるよ」

  ☆

「悪い理沙、あたし帰るわ」
 まことは電話を切って席に戻るとテーブルの上の伝票を手に取り、パンっと顔の前で両手を合わす。
「えー?今日はつきあってくれるって言ったじゃないですかぁ!」
「ホントごめんな!ココあたしが持つからさ」
「イヤです」
「え?」
「今日は離さない」
 きゅっとまことの制服の袖を掴む。
「理沙ぁ~」
 困ったように眉をしかめ、どうしたもんかと小さな溜息をつく。
「そんなに大事ですか?水野先輩のこと」
「・・・うん」
「どうして?」
「どうしてって・・・」
「あたしも先輩のこと好きですよ?」
「え?」
「負けたくないのにな」
「ごめん」
「即答ですか?」
 寂しそうに笑う。
「理沙はかわいいよ、でも・・・かわいい後輩だ」
「つまんない返事」
 そっと掴んでいた手を離す。
「高いパフェでも頼んどけばよかったかな」
「今度埋め合わせするよ」
 クシャっと頭を一つ撫でて、まことは伝票片手に急いで店を出た。

  ☆

 マンションの部屋の前まで来ておいて、何故か躊躇してしまう。
 果たして急に来てしまってよかったのかな?と。
 どうも電話の感じだと誰かと一緒にいたような気配がしたのに、まことはアッサリとOKしてくれた。まことの自由を自分のせいで奪ってしまっている気がする。
「どうしよう・・・」
 その時だ
「あれ?亜美ちゃん早かったね」
 マンションの廊下を、亜美の姿を見つけたまことが小走りに駆け寄ってきた。。
「ま、まこちゃん」
「ごめんね、待った?」
 鍵をチャリっとポケットから出すまことに、ぷるぷると首を振って答える。
「さ、入ってよ」
 背中に添えられた手に軽く押され、これ以上迷うヒマを与えられなかった。
 玄関に入り、背後をまことに塞がれ、逃げ出すもとも出来ず、立ち止まることも出来なくなってしまった。
 ドクンドクンと緊張で全身の血が駆け巡っているのが感じられる。
 熱い。
 ポンっと肩に手を置かれた。
「きゃっ」
 思わず上がる悲鳴に自分で驚いてしまった。
 その瞬間、肩に置かれた手が前に回り、両手でふわりと抱きしめられた。
「ま、ま、ま、まこちゃん?」
「会いたかったよ」

  ☆

 亜美ちゃんが緊張しているのが、背中に添えた手の先からひしひしと感じられ、その緊張が自分にも伝染しつつあるのがわかる。
 部屋に入るのを躊躇っているような小さな背中。会いたかったと言ったのは嘘だったのだろうか?と不安に駆られる。
 ポンっと肩に手を置く。
「きゃっ」
 え?っと亜美の悲鳴に自分も悲鳴をあげそうになってしまう。そしてその瞬間、逃がしたくない一心で亜美の身体ごと抱き寄せてしまった。
 だが腕の中の存在に、あぁ、やっぱりこれだと思わず感嘆の声が洩れた。
「はぁ~」
 まことの腕の中にいい感じで収まるそのサイズが、誰よりも何よりも安心出来る心地よいサイズだ。
「ま、ま、ま、まこちゃん?」
「会いたかったよ」

  ☆

「何をそんなに緊張してるんだい?亜美ちゃん」
「そんなことっ」
 バクンバクンと心臓が早鐘を打ちはじめ、回された腕に爪の痕がつくくらい強く握りしめてしまう。
「亜美ちゃんさ、何があったの?そんなに不安そうな顔しちゃってさ」
 立てられた爪に痛そうな顔一つせず、優しく耳元で囁く。
「まこちゃんが好きなの」
「え?」
 思いがけない言葉に狼狽するまこと。
「好きなの」
 もう一度繰り返し、ぎゅっと握った腕に顔を埋めてしまうと肩を震わす。
「亜美ちゃん・・・」
 腕を解かれ、くるりと身体を反転させられると、ぽすんとその豊かな胸の中に亜美の身体が抱きしめられた。
「あたしもだよ」
 チュっと溢れた涙に優しくキスをされる。
「ごめんなさい・・・まこちゃん」
「え?何で?」
 予想外の返事に戸惑う。
「今日ね、体育館の裏に呼び出されたの」
「うん?」
 おもいがけない話の展開にただ先を促すだけのまこと。
「好き・・・とか言われて・・・好きな人がいるなら諦める・・・って言われたんだけどね、どうしても言えなくて・・・」
「うん」
「まこちゃんの顔、浮かんでたんだけど・・・」
「うん」
「ごめんなさい」
「なぁんだ、そんなことかぁ?」
「え?」
 よしよしと優しく撫でられた頭を少しだけ上げる。
「しょうがないよ」
 にっこり微笑んで見下ろすまことの顔がもの凄く優しくて、ぽむっと頬が染まる。
「そりゃぁ言えないよなぁ、こんなことしちゃう関係だなんてさ」
 そっとキスを、今度は唇にされる。
 その後一瞬躊躇ったような素振りを見せたまことだったが、意を決して真っ直ぐ見下ろすと口を開いた。
「あたしもさ、さっき後輩に言われたんだ、あたしたちが何で仲いいのかわからないって。世界が違いすぎるんじゃないかって」
「え?」
「トモダチやんのに理由なんかいらないじゃんって言ったんだけどね」
「ん」
「それがさ、自分で言ってて結構ヘコんじゃって」
「え?」
「トモダチなんかじゃないのになって」
 少しだけ寂しそうな顔を見せる。
「まこちゃん・・・その子、まこちゃんのこと好きなのね」
「え?」
「わたしがまこちゃんのそばにいつもいるから悔しいのかなっていうのは・・・自惚れかしら」
 まことの両頬を両の手で包み込むように触れると、泣きそうな顔で笑う。
「あのさ・・・隣に並ぶ頭がいつもより低くてさ、変な感じだったんだよね」
「?」
「このサイズがピッタリフィットなんだよ、あたしにはさ」
 ぎゅーっとそれまで優しかった腕に力がこもる。
「亜美ちゃん以外いらない」
「まこちゃん・・・」
「亜美ちゃん以外見えないし、亜美ちゃん以外好きにならないよ」
「ん」
「亜美ちゃん大好きだよ」
「・・・ありがとう」
 額に、まことの額がコツンとぶつかる。
「不安になる必要なんかないからね」
「うん、大丈夫」
 亜美はそっと踵を上げた。
 まことの柔らかな唇に触れる。
「ごめんなさい、ありがとう、大好き」


おまけ

「ところでさ、亜美ちゃん最近妙にモテてない?」
「え?そ、そ、そんなこと・・・」
「今日だけじゃないだろ?」
「・・・・・・・・・うん」
「参ったなぁ~みんな今頃になって亜美ちゃんのかわいさに気づいても遅いっつーの!絶対誰にもやんないからね」
「わたしも」
「ん?」
「まこちゃんのこと、誰にも取られたくない」
「すっごい・・・・・嬉しいかも、それ」
「誰にもあげない」
 言ってきゅうっとまことの胸に埋めた顔は、これ以上ないってくらいに真っ赤に熟れていた。





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Date:2009/09/22
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