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□ 夏実×美幸 □

眠れぬ夜

逮捕更新です
夏実が犬みたいです(笑)
あれ?夏実ってこんなんやっけ?
久々すぎて感覚が・・・(ドキドキ)





 




 夏実はリビングをうろうろしていた。
 熊のようにあっち行ったりこっち来たりと落ち着かない。
「あぁ~もう!何時だと思ってんの?遅い!」
 夏実は左手の拳を握りしめ、もう片方の手には携帯を握ったまま小さく叫ぶ。
 夏実は美幸を待っていた。
 2週間ほど前からアメリカに研修に行っていた美幸から今日帰国するというメールを受け取っていた夏実は、嬉しくて夕飯の用意をしたり掃除や洗濯をして時間を潰したが、テンションが高いせいか、はかどり過ぎて時間が余る。
 だが聞いていた予定時間になっても美幸は帰って来なかった。
 で、リビングを無駄にうろうろするハメになっていたのだ。
「あーーー!やっぱ迎えに行けばよかった!」
 クシャクシャっと頭を掻きむしった。
 その時だ、玄関の鍵がカチャカチャと音を立てて開いた。
「美幸?」
 ピクンっとご主人様が帰って来る物音に気づいて反応する犬のように顔を上げ、玄関に走った。
「ただいま~」
「おかえり!」
 ガバっと犬がじゃれるようにいきなり抱きつき、首にスリスリっと顔をすりつけた。
「え?ちょ、夏実?」
 勢いに押され、閉めたばかりのドアに押し付けられた。
「いったぁい、何?どうしたのよ夏実」
「ごめん、大丈夫?美幸」
 くぅんと申し訳なさそうに眉を寄せる。
「うん・・・で?」
「寂しかった~」
 呆れたように小さな溜息をつきつつ、どこか嬉しそうな美幸は今度は胸に顔を埋めて来る夏実の頭を優しく撫でる。
「ふふっただいま、夏実」

  ☆

「あたしがいない間何もなかった?」
「うん、なーんも。美幸がいないから頼子と組んだんだけどさ、これがまた頼りない運転でさー」
 美幸の為にと作っていた晩ご飯をもぎゅもぎゅと口に含みながら、美幸がいなかった間の近況を話しはじめた。
「美幸は?どうだった?」
 ぷらぷらとビールの缶を揺らしながら、少し酔いが回りはじめたのか頬を赤らめた夏実が美幸の報告を促した。
「うん、有意義な研修だったわよ」
「そっかぁよかったじゃん」
「ん」
「でも・・・」
 この2週間のことを急に思い出したのか、夏実がふっと遠い目をした。
「夏実?」
「ん?あ、ううん何でも無い」
「そ?ね、疲れたからもうシャワー浴びて寝ようと思うんだけど」
「だね、ごめんごめん、ここ片付けとくよ」
「ありがとう」

  ☆

 シャワーを浴びる音が夏実の部屋からでもかすかに聞こえる。
「怒るかなぁ・・・美幸」
 天井を見つめてぼんやりと考える。久しぶりに自分の部屋の天井を見上げた気がする。
 シャワーの音が止まった。そんないつもは気にならない音にまで反応するって・・・。
「どんだけ敏感になってんだっつーの」
 ゴロリと右腕を枕にして横になったその瞬間、コンコンとドアを叩く音がしたような気がした。
 気のせいかと思い、一度聞き流す。
 もう一度鳴る。
 気のせいじゃなかった。
 慌ててドアを開けに走る。
「美幸?どうしたの?」
 バスタオルで髪を拭きながら美幸がすまなそうに見上げる。髪から滴る水滴が妙に色っぽくてドキドキする。
「ううん・・・せっかく帰ってきたのに、やっぱり夏実ともう少し一緒にいてもいいかなって」
「え?でも・・・疲れてるんじゃないの?」
「大丈夫よ」
「・・・入る?」
「うん」

  ☆

 ギシっとベッドの端に腰掛ける美幸に、ミネラルウォーターを片手に戻って来た夏実がほいっと投げ渡した。
「ありがと」
 上手く受けとった美幸は、ゴクっと喉を潤すように少しづつ飲み干して行く。風呂あがりで火照った身体から少しづつ熱が引いていったせいか、赤みを帯びていた頬の色が落ち着いていった。
 半分ほど無くなったペットボトルのフタをきゅっきゅっと閉め、夏実に返そうと手を伸ばす。
「もういいの?」
「ん」
 それを夏実が受け取ったのをきっかけに美幸は口を開いた。
「夏実、あたしの部屋で寝てたでしょ?」
「え?」
 二人の間を繋いでいるペットボトルから、バクバクと早鐘を打つ自分の心臓の音が聞こえるんじゃないかと緊張して思わず手を離してしまった。
 動揺がバレバレだった。
 ニコニコと美幸が見上げる。
「うっ・・・」
 慌てて視線を逸らすが、時すでに遅し・・・だ。
 紅潮した頬を戻すことは無理だった。
「ご、ごめん」
 チラリと横目で美幸の反応を伺うが、何故か美幸も少し恥ずかしそうに頬を染めていた。
 今度は身体の火照りのせいじゃないだろうが・・・。
「あのっ、ホントごめん!何か一人だと思うと眠れなくて、美幸の部屋なら眠れるかなって・・・ごめん!」
 パンっと顔の前で両手を拝むように会わせながら頭を下げた。こういうのは勢いが肝心だと思い直した夏実らしい行動だ。
「いいのよ」
「へ?」
「別に怒ってるわけじゃないから」
「え?そ、そうなの?」
「多分・・・あたしが同じ状況だったらきっと同じことしたと思うから」
 ペットボトルをサイドテーブルに置いて再び夏実に向かって手を伸ばす。
 その手に導かれるように夏実も伸ばし、触れる。
「今日は・・・寝れる?」
 夏実の腰の辺りにある、美幸の下ろした髪に指を差し入れ、梳き、流す。
 腰をかがめ、その耳にそっと唇を寄せる。
「今日は・・・ホンモノがいるから」
 ニッコリとからかうような笑顔でくすぐったそうに美幸は小さく首を竦め
「あら?あたしココで寝るって言ったかしら?」
 と、お返しに夏実の耳元で囁き返す。
「えーーーーー!」
「じゃあそろそろ戻ろっかなぁ」
 すっくと立ち上がって部屋を出ようとする美幸を慌てて追う。
「ちょ、ま、み、美幸?」
「ん?」
 や、そんなかわいい笑顔で振り向かれても!
 恐る恐る美幸のパジャマの袖を摘む。
「えっと・・・一緒に寝て・・・よ」
「くすっ」
「え?」
「冗談よ」
 言って美幸はぱふっと、ふくよかな夏実の胸に飛び込んだかと思うとそのまま一緒にベッドに倒れこんだ。
「いてっ」
 夏実の顔の両脇に腕をついて身体を持ち上げ、くすくす笑って見下ろした。
「あたしが一緒だからって眠れるの?」
「うーん、自信・・・ないかも」
 その身体を再び自分に密着させるようにぎゅっと抱きしめた。
「ばかね」
「寂しかったよ、おかえり・・・美幸」
「ただいま」
 美幸の唇が夏実のそれに重なった。








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Date:2009/07/11
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