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□ 静留×なつき □

生物学的現象

静なつです
まぁ・・・色々ありますよ、女性の身体には。
全く困ったもんですが、鈍感ななつきが好きです。
そして舞衣も大変だなと思います(笑)






「けぇへん・・・」
 壁のカレンダーを見ながらそう呟いて小さく溜息をつく静留に、隣でゲームに興じていたなつきはコントロラーを握りしめ、「よっ」とか、「ほっ」とか言いながら聞き返す。
「何だ?客でも来る予定だったのか?」
 そんな、ある意味予想通りの返事に静留はもう一度溜息をついた。

  ☆

 翌日の昼、なつきは舞衣と一緒に弁当を食べていた。
 いつも一緒のはずの命は今日は奈緒と一緒に食べにいくと言って珍しく別行動だ。また何かくだらないことやらかさなきゃいいけどさっという舞衣に、なつきも以前の援助交際事件を思い出していた。
「珍しいね、なつきが購買のパンなんて」
 ふと、なつきの前に置かれたパン袋に目を留めた舞衣が問うた。
 以前のなつきだったらコンビニのおにぎりやサンドイッチで済ませるのはあたりまえのことだった。
 だが今は違う、なつきが購買のパンで済ませることは珍しいことだった。静留が弁当を持たせてくれるようになったのだ。
 同じ敷地にあるからついでだと言ってわざわざ届けてくれたり、朝一緒にいる時は持たせてくれる・・・が、今日は連絡もない。
「あんた何かしたの?」
 うりうりと冗談半分でからかうようになつきの肘をつつく。
「そういえば・・・昨日静留がカレンダーを見上げながら何かが来ないと言い出したんだが、私は客が来る予定でもあったのかと思って遠慮して帰ったんだけど」
 ふと思い出したように空中を見つめながらそう言うと、一口パンをかじった。
「うん?」
「それっきりだ」
「はい~?」
「え?」
「いや、まさかね、あの静留さんに限って・・・」
 弁当そっちのけで独り言をブツブツ言い始める舞衣に、手持ち無沙汰ななつきはとりあえず舞衣の弁当箱から卵焼きを一つ摘んだ。
「おい!舞衣?」
「え?あ、ごめん何?」
「何なんださっきから」
「あのさー、そのセリフとかシチュエーションってドラマとかで見た事ない?」
「はぁ?」
「女の人がさ、ダンナさんとか彼氏とか不倫相手とかによく言ってるとことか見た事・・・ない?」
「何を?」
 どこまでも鈍感な・・・むしろ逆ギレ気味ななつきに若干イラついた舞衣は盛大な溜息をつき、とりあえず落ち着こうとペットボトルのお茶を一口飲む。
「まぁさ、なつき相手でそんなことは絶対ないハズなんだけどさぁ」
「だから一体何が言いたいんだ!」
 あまりの遠回しな言い方にしびれを切らしたなつきは、ドンっと机を叩いて促した。
「だから!女同士で妊娠はしないでしょ!!」
 いい加減察しの悪いなつきにめんどくさくなった舞衣は、バンバンと机を叩き返しながら豪速球のストレートを投げつけた。
 ぶほっ、げほっ、ごほっ
「ま、なっ、はぁぁぁぁ???」
 大きく咳き込んだなつきは目を白黒させて舞衣を睨んだ。
「だって生物学的にそうでしょ?」
「あのなぁ~?」
「だから”あの静留さんが”、なんじゃない」
「うっ・・・」
 何も言い返すことのできないなつきは黙ってパンの最後の一口を放り込んだ。

  ☆

 なつきは放課後こっそり大学のキャンパスに足を踏み入れた。
 万が一にも静留に限ってないとは思っているが、もしも舞衣が言ったことがホントだったらと思うと気が気で無かった。
 きょろきょろと視線を泳がせ、静留の姿を探す視線の先に人だかりが目に入った。なつきはイヤな予感をひしひしと感じた。
 ずんずんと肩で風を切るように近づくと、ぴょんぴょんと男女入り交じりの人だかりの中心を覗こうと飛んでみる。
「やっぱり・・・」
 チラリと見えたその中心にいたのは予想通り静留だった。
 はぁ~っと相変わらずの人気者っぷりに、どうしてこんなヤツに惚れてしまったんだろうと思わず溜息が出てしまう。
 なつきは人波をかきわけながら前に進んだ。
「おいっ、ちょ、どけ!」
「ん?」
 ざわめく人たちの間からひょこっと顔を出したなつきに、中心で笑顔を振りまいていた静留が目を丸くした。
「なつき???」
「うむ」
 ふと我に返り、急に恥ずかしくなったなつきは頬を染めて俯いた。
「どないしたん?学校終わったん?」
「あぁ・・・迎えにきた」
「どないな風の吹き回しやろ」
 言葉とは裏腹に嬉しそうに笑う。
 何だ?いつも通りじゃないか!と思いながらきょろきょろと周りを見渡す。
「い、いいから!帰るぞ!」
 ぐいっと強引に手を引っ張って歩き出すと、まるでモーゼの十戒を思わせるかのように人波がキレイに別れて二人の為の通路が出来上がった。
「ほな」
 はんなりと微笑み、静留は空いている手でひらひらと手を振った。

  ☆

 強引にヘルメットをかぶせてバイクに乗せると、なつきは軽くアクセルを吹かせ、静留の身体を気遣うようにゆっくりと発進させていつもよりスピードを落として走り出した。
 静留のマンションまで送ると、なつきは何も言わずそのまま一緒に上がり込んだ。
 いつものように定位置のソファに座ると黙って俯いていた。
「なつき?どないかしたん?」
 少し様子がおかしいなつきに、さすがの静留も怪訝な顔で問うた。
「あの・・・来た・・・のか?」
「え?」
 きょとんと何のことかわからない静留は、言いにくそうに頬を染めて俯くなつきをじっと見つめた。
「だからそのっ・・・アレ?」
「アレ?」
 なつきはチラリと壁のカレンダーに視線をやる。
 その視線を静留も追う。
「あ・・・」
「え?」
「まだどす」
「だ、大丈夫・・・なのか身体?」
 少し泣きそうな顔。
「ん」
「そんな覚えがある・・・とか?」
「・・・何?」
「相手、さっきのヤツらの中にいる・・・とか?」
「なつき・・・あんた本気でゆうてるん?」
「え?」
 いきなり表情を無くしたように顔から笑みが消えた静留に、ドクンドクンっとなつきの心臓が早鐘を打ち始めた。
 サァ~っと血の気が引く。
「で、で、でも!だって私じゃそんなことありえないんじゃないのか?」
「だから?」
「だから・・・」
「そんなことくらいでうちの浮気を疑ごうた・・・と」
「ちがっ・・・」
 言いかけて黙りこんでしまうなつき。
 事実だから。
 人に囲まれてはんなり微笑む静留の顔が頭から離れない。
 あの静留が本物じゃないのは高校時代にイヤというほど知らされたはずなのに、それでも惑わされる。
 なつきと違って人当たりはいいから人気者になるのは当然といえば当然なのだが、静留の性質がその中の誰かを選ぶことを許さなかった。
 それは誰よりもなつきが一番わかっているはずなのに・・・。
「あんたはうちを誰やと思うてんの?」
「静留・・・」
「長い付き合いやのに・・・」
「疑って・・・悪かった」
 ペコリと素直に頭を下げた。
「誰かに何か言われたんやろ?」
「ん、私が相手じゃ妊娠はしないだろうって」
「奈緒・・・いや、舞衣はん?」
 コクンとうなづく。
「確かに生物学的にはそうどすなぁ」
「うん」
 そうだよな、と同意を求めるようにコクコクと必死で首を振る。
「でも、そんなことあるかもしれまへんぇ?人体の神秘どすなぁ」
「え?」
「ふふっうちどないしまひょ、まだ学生やのに。お父はんにどないゆぅたらえぇやろ」
「ちょ、おい?」
「なつきに養育費稼いでもらわなあかんかなぁ」
 ほんのり頬を染めて絨毯に指先でのの字を書く。
「なつきは男の子と女の子どっちがえぇ?」
 恥ずかしそうに上目遣いで見つめられる。
 トドメだった。
「はぁぁぁ???」
「色々準備とかあるさかいなつきうちに引っ越して来る?一緒に暮らした方が何かと便利やし」
「ちょ、し、静留?」
「ふふっ」
 冗談だと頭ではわかってはいるものの、半ば泣きそうな顔で後ずさる。
「あら、冗談やと思ってはるん?」
「ち、違うのか?」
「さぁ、どうですやろ」
 ふふふっと唇の端を上げて笑う静留は、アノ祀りの時の静留を思い出させてなつきを凍り付かせた。
「ご、ごめんなさい」
 心の底からなつきは謝った。

  ☆

 後日
「うち毎年春になったら情緒不安定になって体調にも影響出たりするんやけどこ、今回はちょぉ長かったどすなぁ」
「え?」
「残念やったわぁ、なつきに似た子ぉやったら嬉しかったのに」
 本気なのか冗談なのか、静留は心底残念そうに溜息をつく。
 隣で雑誌を捲っていたなつきは、そのままきゅっと自分の膝を抱きしめると
「お前に似た子でも・・・私は嬉しい・・・けど」
 と、真っ赤になった顔を見られないように顔を埋めたまま、なつきはしどろもどろにポツポツ言葉を紡ぐ。
「え?」
 予想外の答えに今度は本気で静留の頬が紅潮した。
「もっかいゆぅて?」
「うっ・・・何回も言わすな!」
「なぁ、なつきぃ~?」
 横からすりすりと体重を預けて甘える。
「だから!」
「ん?」
 なつきの髪に頬刷りをしながら促す。
「お前が・・・もしもそんなことになっても、わたしはそばにいる・・・し、どっちに似ててもわたしは嬉しい・・・ぞ」
「なつき!」
 ぎゅーーーっと全力で抱きしめる。
「うっ」
 自分の言葉のあまりの恥ずかしさに真っ赤に染まった顔を上げることが出来ず、俯いたままぎゅっと拳を握りしめた。



「なつきはうちが幸せにします」
「いやセリフ逆だろここは!」







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Date:2009/04/03
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