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□ 静留×なつき □

何よりも大事なもの

今度は普通になつきの風邪話。
ちなみにネギは出て来ません(笑)


久しぶりにドラマCDを聞いたから・・・さ。






「ゲホっゴホっ」
 食欲もなく、吐くものももうないハズなのに、再び胃液が逆流しそうになる。
「うーーーーっ・・・気持ち悪い」
 サイドテーブルに置いてあるペットボトルに手を伸ばすと、コクリと残った水分を全て飲み干した。
 喉・・・渇いたな。
「静留・・・」
 思わず今一番会いたい人の名前を呟いてしまう。
 昨日から静留は大学のレポートの追い込みに入るとかで、3日ほど来られないと行って帰って行った。そんな静留に迷惑をかけたくないという思いから、こんな状況でも電話をかけられずにいる。
 電話をしてしまうと、静留のことだ、何を置いても飛んで来るに決まっている。結構大事なレポートだと言っていたのに、だ。
 そんなわけにはいかない。
 だがさすがにもう限界に近づいていた。
 朦朧とする意識の中、携帯を手に取るとなつきはアドレスを検索し始めた。プっとボタンを押すと、発信音が鳴り始めた。
「はい」
 相手の声が聞こえた瞬間、なつきは
「助けてくれ・・・熱が出て動けないんだ・・・」
 言った瞬間、するりと手から携帯がこぼれ落ちた。拾う気力もなく、なつきはそのまま気を失った。
 落ちた携帯からは、何度もなつきの名を呼ぶ声が聞こえているが、異変を察知したのか電話は切れた。

  ☆

「ん・・・」
 額に乗せられたタオルがひんやりとなつきの熱を吸い取る。
 目を覚ましたなつきは、まだ朦朧とした意識のまま目の前の人物に焦点を合わせようと目をこする。認識した瞬間、目を丸くした。
「し、静留?どう・・・して?」
「何でって、なつきが電話くれたんやないの」
「え?」
 思い返してみるが、静留に電話した覚えはない。舞衣に電話をしたつもりだった。
 名前を間違えるようなところに並んでいるわけでもないのに、どうして間違えたのかわけがわからない。
 だが、携帯の発信記録を見ても確かに静留に電話をしていた形跡があった。
「すまない」
 しょんぼりと布団に半分顔を埋めて見上げる。
「何が?」
 きょとんとなつきを見つめる。
「レポート・・・やってたんだろ?」
「あぁ、そんなん気にしてはったん?」
「だって!・・・大事なレポートだって言ってたじゃないか・・・」
「なつきより大事なものなんか、この世にありまへん」
 きっぱり言い切ると、そっとなつきの熱くなった頬に手を当てる。
「そやし、なつきは一体うちとどんだけつきおーてんの?」
「え?」
「うちはデキる女なんどすぇ?」
 はんなりと微笑む静留に思わず見惚れてしまう。どんな時でも余裕たっぷりだ。
「そうだったな」
 背後にチラリと見えたテキストやノートが、結構切迫していることを物語っているのに、それでも心配かけまいと笑う静留が愛おしくなった。
「それに、留年したらしたで、一年でも多くなつきと一緒に大学生できますし、それはそれでアリかもしれまへん」
 半ば本気で言っているような気がする。
「ばか、こんなことでお前を留年させたら周りに何言われるかわからんだろ、お前の親にも申し訳ない」
「ふふっおおきに、頑張ります。ほなここに水分置いときますさかい喉渇いたら飲むんやよ?」
「あっ・・・その・・・少し・・・くれ」
「え?」
「喉・・・渇いた」
「ん」
 きゅっとペットボトルのフタを開けると、なつきの口に近づける。
 だがあまり身体を起こせそうにないなつきに飲ませようとしてもこぼしてしまいそうだ。
「なつき」
「ん?」
 静留は自分の口に少し含むと、そっとなつきの唇にくちづけ、水分を送り込んだ。
「ん・・・???」
 一瞬何が起こったのかわからず、うまく飲み込むことが出来なかったなつきは少しムセた。
「ちゃんと飲み込んでみ?」
 言って再び同じことを繰り返す静留。
 今度は心の準備が出来ていたなつきは、コクリとちゃんと飲み込んだ。
 静留の柔らかい唇と一緒にスポーツドリンク特有の甘い味が口の中に広がった。
 途端、喉の乾きが消えた。
「飲んだ?」
「・・・ばか」
「え?」
「風邪・・・移るだろ」
「なつきの風邪やったら大歓迎どす」
 顔を真っ赤に染めたなつきが、ごろりと静留に背を向けるようにして寝返りを打つ。
「わ、わたしはもう寝る!お前はちゃんとレポート仕上げろ」
「はいはい、ほなお言葉に甘えますわ」
「パ、パジャマはいつものとこにあるから」
「え?」
「帰るなよ」
「帰れゆわれても帰りまへん」
「あ・・・ありがと・・・な」
 ぼそりと聞こえるか聞こえないかの小声で呟くが、静留の耳にはしっかりと届いていた。


「こっちこそやわ・・・うちを呼んでくれておおきに、な」


 後日、レポートを終えた静留にきっちりなつきの風邪が移ったとか・・・。

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Date:2009/01/18
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