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□ 夏実×美幸 □

続・朝の風景

またしても長谷みどり様からのいただきものです!
夏実×美幸で、前回頂いた『朝の風景』の事後という感じですが、これがもう・・・萌えた!
ってか癒された!
ありがとうございました!






ゆったりと長い髪を梳き、さらさらと毀れていく感触を楽しむ。
美幸の枝毛一つ無い、艶やかな黒髪は夏実のお気に入りで、それを知ってか知らずか、彼女はどんなに忙しくても、短くしようかと言い出した事は無い。
その美幸は、行為の後の心地良い倦怠感に身を任せ、胸元に頬を寄せて、満腹になった仔猫のような満足げな表情で、幸せそうに瞼を閉じていた。
────うーん、こんだけ気持良さそうにしてられると、起こし難いんだけど…
完全に眠ってはいないだろうが、夢現なのは見て取れる。
そして、現実との狭間にあるふわふわとしたこの状態が、この上なく心地良いのも、睡眠を愛する夏実には非常に良く理解出来るのだが。
────でも、もうお昼近いし
カーテンの隙間から差し込む陽の光はかなり短くなっているが、上天気なのは解っている。
此の侭ベッドで過ごすのも悪くは無いが、こんな良い天気の日に、折角の非番を篭りっ放しで終えるのは勿体無い気がした。
勿体無い、だけなら兎も角、美幸の方は何か遣りたい事があると昨日言っていたから、そろそろ起きなければ後日に皺寄せが行くだろう。
今朝もそう考えて、ぎりぎりまで寝かせて置くべく、先にベッドを抜け出した。
昨夜し損ねた炊飯器のセットをしてからシャワーを浴び、その上で美幸を起こしに来たのだが、結局、誘われる侭に再びベッドに雪崩れ込んでしまった。
あれから二時間。
数時間前と全く同じ事を考えつつも、今回先に抜け出そうとしていないのは、美幸が確りと夏実の腰にしがみ付いているからだ。
この腕から当人を起こさずに抜けるには、相応の時間と技術が要る事は確かで、時間も時間だし、と先に起きるのはすっぱり諦める。
「おーい、仔猫さん」
そろそろ起きない?
もう、お昼になるよ。
「ん……」
耳元で囁けば、声に反応したのか、小さく呻った後、ゆるゆると瞼が持ち上がる。
が、何時もは聡明な光を湛えているその瞳は、茫洋と霞んでいて。
確かに、夢現で無理矢理起こされると、現実にリンクするのに時間掛かるんだけどね、と普段寝起きの良い人の寝惚けた様子に苦笑する。
こんな美幸も確かに可愛いけれど、それでも矢張り、何時もの美幸が良いと思うのだ。
「外も良い天気だし、何か遣りたい事、あるんでしょ?」
折角のお休み、寝て過ごすのは勿体無いよ。
落ちて来る髪を耳に掛け、囁く序に甘噛みする。
が、自身の二の腕を枕にしているその人は、再びゆるりと瞼を閉じると、より一層胸元に擦り寄って来るばかりで。
────あーあ、私、これに弱いんだよねえ…
この如何にも仔猫じみた甘えたな様子は、こういった夢現の状態の時に此れまでも時折見せていたのだが、まさか昨夜のような、酔った際にまで見られるとは思わなかった。
あんなに酔った美幸を見るのは初めてなのだから当然といえば当然だが、考えてみれば、理性の箍が外れた時に、本音が顔を出しているのだと思えば納得は行く。
『…夏実は、そういう方が好きなの?』
そう言って上目遣いに見上げて来た、今朝の頼りなげな表情を思い出す。
どうも美幸は、素直になれない、意地っ張りの自身を気にしているようだが、それを向けられる当の夏実は実はそれ程気にしていない。
何しろ、そういった行為の際の理性が飛んだ時の彼女は、素直過ぎる程素直で、彼女の気持を疑う余地等まるで無いのだ。
勿論、喧嘩した際や、機嫌を損ねた際等は、あの意地っ張りには大いに手を焼かされる事になるけれど、毛を逆立てた懐かない仔猫を相手にしているようで、可愛いと思う気持もあったりする。
「美幸、ホントに起きないと、夕方になっちゃうよ」
後で文句言っても、知らないよー?
「うん…起きる、から……起こして…」
「……はいはい」
甘えをたっぷり含んだ彼女の台詞に苦笑し、細いウエストに腕を回す。
彼女が未だ、回した腕を解いていないのを幸いに、美幸の身体ごとひょいと半身を起こせば、事は大層スムーズに済んだ。
尤も、陽の光に照らされた透き通るような雪肌は、所々に残された鬱血の跡と相俟り、酷く煽情的に見えて、夏実は慌てて近くにあったバスローブで包んでやる羽目になったのだけれど。
「おはよ、美幸」
眼は覚めた?
ひたりと額に唇を落とすと、貌を覗き込んでにこりと笑う。
流石に身体を起こした所為か、ゆっくりと彼女の瞳に力が戻って行くのが見て取れた。
まだ少し時間は掛かるかも知れないが、この分なら、そう掛からず自分で起きて来るに違いない。
何しろ美幸は、夏実等よりも、余程目覚めが良い性質をしているのだ。
「ん、はよ…」
多少ふあんとはしていたが、それでも返された笑みに安心し、それじゃ起きるかと、何時の間にかベッドの下に落ちていた、今朝ほど着ていたワイシャツを拾い、前は留めずに袖だけ通す。
が、ベッドを降りようと身体を捩った処で、引き止める腕が伸びて来て。
「美幸?」
するりと頸に絡み付いた腕がぐいと引かれれば、全くの無防備だった身体は簡単に引かれた方に傾ぐ。
「ちょ、美幸、何を…んっ……」
今朝も似たような展開だったような、とは考える間も無く、あっという間に唇を塞がれる。
心構えの全く無い状態からの口接けに唐突に持ち込まれた夏実は、結局、どちらもものともつかぬ唾液が喉元を伝い、すっかりと身体から力が抜け落ちる迄、解放しては貰えなかった。
やがて、漸く満足したらしい美幸が、夏実から身を離した頃には、完全に息は切れ、くったりとその肩に懐く羽目になっていて。
「ちょっと、美幸ぃ、御目覚めの接吻(キス)にしちゃ、濃厚過ぎない?」
「気付け代わり」
くすくすと震える肩に、伏せていた面を上げれば、何時もの理知的な光を湛えた瞳が、悪戯げに笑っていた。
完全に眼が覚めたその様子から、先刻の台詞も強ち嘘ではなさそうだったが、下手に突っ込みを入れて毎度こんな事をされれば、夏実の方の身が保たない。
「あー、はいはい」
それで、二日酔いの方は如何?
食欲はある?
事更におざなりな素振りで問い掛け、そっと頬に手を掛ける。
少しはアルコールも抜けて来たのだろう、今朝に比べれば、顔色は大分良くなっている。
そもそも病気ではないのだが、二日酔いの辛さは、夏実の方が良く理解っていた。
「んー、まだ頭痛は少し残ってるけど…さっきよりは、大分良いみたい」
でも、食欲は、あんまり……。
「そっか」
んじゃ、取り敢えず、シャワー浴びてさ。
何も食べないのも良くないし、簡単に御粥でも作るから、一寸だけでもお腹に入れなよ。
ね、と貌を覗き込めば、ぽうと薄く頬が染まる。
先刻までの、大胆な行動は何だったのかと言いたくなるが、どうやら彼女は、自ら手を出すのは良くても、相手に手を伸ばされるのには弱いらしい。
意地っ張りで、時折素直で。
恥ずかしがり屋の癖に、偶に大胆で。
普段は過ぎる程慎重なのに、いざとなれば平気で無茶をする。
美幸がその身に内包する矛盾やギャップは、却って彼女を酷く魅力的に見せ、目の当たりにする度、夏実は惹き付けられるのだ。
「それじゃ、美幸、今度こそ起きよ」
私は此の侭シャワーに直行するけど…何なら、美幸も一緒に入る?
揶揄いを含んだ問い掛けに対し、シャツの袖を掴んだ手は、無言の返答。
二人の休日は、此れから始まる。

END



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Date:2009/01/05
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