Planetarium SS置き場

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□ 静留×なつき □

ネクタイ

即興SS
何かよくない?こういう新婚夫婦みたいなシチュエーション(笑)

ということで静なつです
 



 ぴんぽんぴんぽんぴんぽーーーーん!
 なつきが来るというので夕食を作っている最中の事だ。
 インターフォンがけたたましく鳴り響いた。基本的にやかましいのが好きではない静留をイラっとさせる音だったが、鳴らしている相手が多分愛しのなつきであろうと思われる為、いそいそとドアを開けに出る。
「なつき?」
「静留!教えてくれ!」
 勢いよくなつきが飛び込んで来た。
「え?」
「これの巻き方教えてくれ!」
 握りしめていたものを目の前に突き出す。
「・・・ネク・・・タイ?」
「そうだ!」
 言った途端、なつきのお腹がぐーーっと悲鳴を上げた。
「とりあえず落ちつきまひょか」

  ☆

 とりあえず静留の用意した夕食を食べ、二人はリビングで向かいあって座っていた。
「ネクタイなんぞどないしますの?」
「学園祭の衣装で使うんだ。でも上手く結べなくて舞衣に呆れられた」
 ブスっと頬を膨らませてそっぽを向く。
「学園祭どすか、懐かしいどすなぁ」
「そうかぁ?」
「うちは生徒会の仕事が忙しいばっかりで今まではそない楽しめまへんかったけど、今年は楽しみたいどすなぁ」
「まさか・・・来る気なのか?」
「もちろんどす」
 満面の笑顔でそう答え、静留はなつきが手にするネクタイを取り上げ、くるりとなつきの首に巻いた。
「ん?」
 あれよあれよと言う間にネクタイは、キレイになつきの首元に収まっていく。
「え?」
「はい、おしまい」
 ぽんっと胸元を軽くたたく。あまりの手際の良さになつきは呆然とした。
「なつき?」
「え?あ、いや、すまない、よくわからなかった」
「ん?ほなもっかいやりまひょか?」
 小さく首を傾げて笑う静留に何だかドギマギする。そんななつきの心中を知ってか知らずか、するすると再びネクタイを解くと、今度はゆっくりと説明しながら巻いて行く。
「ここをこうクルっと巻いて、ここを通して、きゅっと上げておしまいどす」
 ものすごく至近距離に感じる静留の匂いが、なつきの頭をクラクラさせる。
 何か・・・ヘンな感じだな。
 そんななつきの心の声が聞こえたように、ふと静留は顔を上げた。
「どないしたん?」
「あ、いや、うん・・・何でもない」
 頬を真っ赤に染めたなつきがぷるぷると頭を振る。
「そう?ほななつき今度は自分でやってみ?」
「ん」
 再び解き、静留の手際を思い出しながら挑戦してみるが、どうにもうまく巻けない。
 自分の不器用さにイライラする。
「あーーーっやっぱり出来ない!」
 バシっとネクタイを投げ捨てる。
「そない癇癪起こさんと」
 それを拾い、静留はふてくされるなつきの背後に回った。
「?」
「一緒にやりまひょ」
 耳元でそう囁くと、背後から抱きしめるような格好でネクタイを首に回し、なつきの手でネクタイを掴ませると、今度はその手を包みこむように静留も手を重ねた。
「まずはこう」
「うん」
「ほんでこう」
「ん」
「ほんでここを通すやろ?」
「うん」
「で、ここを持ちながらこっちをきゅっと上げるんどす、どない?わかりました?」
「ん・・・何かわかった気がする」
「ホンマ?よかった」
「あ、ありがとう、やってみる」
「ん」
 なつきは今度こそ、と一生懸命巻いて行く。
 つたない手つきだったが、今までとは違い確実に上達していた。
「出来た!」
「ほんま?どれ、見せてみ?」
 静留は再び前に回り込む。
「ホンマやね、合格ですわ」
 きゅっと軽くネクタイを引っ張る。
「お?」
 バランスを崩し、前のめりに倒れそうになるなつき。
 それを阻止するように静留の唇がなつきの唇を捉えた。
「ん!?」
「ごほうびどす」
 ニッコリ微笑む静留。
「ば、ばかっな、何を急にっ?」
「ん?あかんかった?」
「いや、そ、そういうことじゃなくて・・・」
 今にも湯気が出そうなくらい顔を真っ赤にして俯くなつき。
 ん?っと正座をしたまま静留は、なつきの次の言葉を小首をかしげて待っていた。
 そんな仕草が可愛くて、なつきは一瞬言葉を失った。
「ちょっと・・・びっくりしただけだ」
「学園祭・・・楽しみどすなぁ」
「ん」

  ☆

「ところで静留」
「ん?」
「お前なんでこんなの巻けるんだ?」
「え?」
「だってこんなのお前に用はないだろ?わたしだってそんなのなかったから出来ないんだぞ?」
「そらぁまぁ・・・うちは器用ですさかいになぁ」
 理由にもならない理由を口にする。
「そんなもんか?それにしては手際いいよな?何でも出来るんだな・・・」
「まぁええやないの、そんなことは」
「誰かに巻くために練習した・・・とか?」
 まさかそんなことは無いだろうと思いながらも、自分で言って、シュンと落ち込むなつき。
 そんななつきの頭をよしよしと撫で、きゅっと抱き寄せる。
「ホンマにそないな理由ありまへんぇ?」
「ホントか?」
「ん、昔お母はんにちょぉ教わっただけです」
「そか・・・ん、そっか」
 安心したように静留の腕に身を任せる。
「そない不安に思ってくれるやなんて、なんやうち嬉しいわぁ」
「ば、ばかっそんなんじゃない!」
「ふふっそうどすか?」
 イジワルを言う時の顔だ。
 それでもなつきは静留の背中に手を回して、きゅっと服を掴む。
「お前はっ・・・今は・・・わたしのだから・・・大丈夫だ」
 今度は静留が頬を染める番だった。



 もう・・・ホンマに・・・この子にはかなわへんわ。
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Date:2008/11/11
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