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So you don't have to worry

『まえがきと御礼』

 
深森様より、HP開設祝いまこ亜美SSを頂戴いたしました!O(≧▽≦)O ワーイ♪
 ホントにうれしいです!頂いて速攻アップ(笑)
 今年は本当に色々お世話になっちゃって、ありがとうございましたm(__)m
 ナンだカンだ言ってものっすごく楽しくて充実した一年を過ごせた気がします!
 来年もがんばります!




深森 薫

  

 夜も更けて、時計の短針が左上がりになり始める頃。
 お風呂から出たあたしは、いつものように頭から被ったタオルで髪を拭きながらリビングへと戻る。街ではそろそろ冬物にバーゲン札が付き始めたとはいえ、実際にはこれからまだまだ寒くなろうというこの季節、バスルームの中と外にあまり温度差がないのは小さな1DKの良いところかもしれない。一戸建てじゃ、たぶんこうはいかない。
「亜美ちゃん。お風呂、お先------」
 声を掛けようとして、肝心の亜美ちゃんの姿が見えなくて。
 あたしは一瞬どきりとした。
 でも、床に流れる彼女の髪が炬燵の陰からちらりと見えて、問題はすぐに解決。
「・・・あーみちゃん?」
 近づいて声を掛けても返事がないところをみると、どうやら彼女はいま夢の中のようだ。炬燵に体を半分埋め、横を向いて、少しうつ伏せ加減で、読みかけの本に手を添えて。眼鏡も掛けたままだ。親指が途中のページにしっかり挟まっているところが、何だかとても彼女らしい。
 あたしは、彼女の枕元------枕をしてなくてもそう言うのかな------に座って、彼女の寝顔を覗き込んだ。
 呼吸に合わせて規則正しく動く、肩と胸。
 微笑んでいるような口元。
 ------薔薇色の唇、とはよく言ったものだと思う。
 赤やピンクじゃなく、桃でも桜でもなく、薔薇。見た目だけじゃなく、そこはかとなく漂う色香のようなものも含めて、薔薇なんだ。きっと。
「あ------」
 もう一度名を呼ぼうとして、あたしはふと思い直す。
 皓々と灯る部屋の明かりの下で見る寝顔は、朝のベッドの中で見るそれとはまた違った趣で。
 もう少し眺めていたい気がして、あたしは、彼女の眠りを妨げないようにそっと眼鏡にかかる前髪を払った。軽く合わさった瞼は、今暫くは開きそうもない。
 その姿は、あまりにも無防備で。

『守ってあげたい』

 なんて。
 ふと、そんな言葉が胸を過ぎる。
 守ってあげる、ってのは、身を挺して彼女を庇うとか自ら危険の中に飛び込んでいくとか、そいうことじゃなくて。
 あたし自身が、彼女の安らげる場所であり続けること。
 いつも何かを考えて、いつも誰かのことを気遣っている彼女。
 そんな彼女が、何もかも忘れて休むことのできる場所。
 そういうもので、あたしはありたい。
 ------そう、こんな風に。
「・・・さて」
 とはいえ。
 ずっと眺めていたいのはやまやまだけど、炬燵でうたた寝は冬の風邪ひき原因ナンバーワンだし。
 勿体ないけど、起こしますか。
「亜美ちゃん。あーみちゃん」
「ん・・・」
 肩に手を添えて軽く揺すると、鼻に掛かった小さな声。合わさった睫毛が小さく震えて、ゆっくりと瞼が開かれる。
「おはよ。とりあえず起きて、お風呂入っといで」
「・・・ん」
 彼女はゆっくりと仰向けに体を倒した。目を擦ろうとした手が眼鏡に当たる。
「・・・私、どのくらい寝てた?」
「ほんの一寸。あたしがお風呂に入って出てくる間くらい」
 照れくさそうに問う彼女の顔を上から覗き込んで、あたしは答える。
「よーく寝てたよ? おかげで、暫く可愛い寝顔を拝ませて貰っちゃった」
「・・・・・・・・・すぐ起こしてくれても良かったのに」
 彼女は顔を赤らめ、眼鏡を外しながら身を起こした。
「そんな勿体ないこと。しっかり堪能させて頂きました。合掌」
「もうっ」
 恥ずかしそうにぷいと横を向く仕草もまた可愛いんだ、これが。
「へへ・・・・・・っくしゅ!」
「ほら、ひとの寝顔なんか眺めてるから」
 彼女は仇を取ったようにくすりと笑って、立ち上がりすがらあたしの背中を撫でる。
「早く上に何か着ないと、湯冷めするわ?」
「大丈夫。あとで亜美ちゃんにじーっくり、温めて貰うし」
 そう簡単にはやり込められません。
「もう・・・本当に風邪ひいても知らないんだから」
 彼女はまた照れたようにそっぽを向いて、いそいそとバスルームへと向かう。
「ああ、パジャマとか何とか、いつもの所に入れてあるから」
 あたしはそう言って、彼女の背中を見送った。
 ・・・さて。
 もう少ししたら、お湯を沸かそう。
 ティーポットと二人分のマグカップを温めて、バスルームから出てくる彼女をカモミールの香りで迎えよう。
 世界中の誰よりも大切な彼女の為に。
 その大切な彼女と過ごす、至福のひとときの為に。
「、っくしゅ!」
 とりあえず。
 あたしは彼女の言いつけ通り、カーディガンを拾ってパジャマの上から羽織った。

  

---So you don't have to worry・終
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Date:2008/08/22
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