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□ 美奈×レイ □

二つの願い

マッキーの歌聴いてたんっすよー。
したらポンっと浮かんじゃってね
素直じゃないけど、誰よりも素直な二人かもしんないなぁ





――2つの願いは必ず、1つしか叶わない――


「レイ」
「ん?」
 ベッドの脇で美奈子のインタビューが載っている雑誌をパラパラとめくっているレイは、顔も上げずに返事だけを返す。
「2つの願いは・・・絶対1つしか叶わないのかしら?」
 小さな音でずっとついていたラジオから、曲が流れていたことにレイは初めて気がついた。
 少し古い曲らしい。
「2つの願い?」
「うん」
 パチンと曲が終わってDJの声に切り替わったところでラジオの電源を美奈子は切る。
「美奈の願いは・・・何?」
 静まり返った空気をレイが破る。
「この状況でそれ聞くかなぁ?」
 ふふっと可笑しそうに笑う。
「ごめん」
 入院中の病室で聞くことじゃなかったと、少し落ち込んだようにうなだれながら謝る。
「冗談よ」
 そんな珍しい光景を目にした美奈子は、やっぱり可笑しそうに笑った。
「でもさ・・・レイ」
「うん?」
「もう1つの願いくらいは・・・さ」
「え?」
「叶えてくれてもいいと思わない?」
 ニッコリと何かを期待するように微笑む。
「美奈」
「っていうかその理屈だと1つは叶うってことよねぇ?それならさ・・・ね?」
 今度は誘うような視線で、しなやかな指をレイの頬に這わすと妖艶に微笑む。
「もう1つの願い?」
 ここにきてそう問い返すレイに、さすがの美奈子も今度は笑顔の代わりにため息が出た。
「はぁ~」
「美奈?」
「いや、いいんだけどさぁ、叶いそうにもないわね、それも」
 再びため息をつく。
「ちょっと何よ!ハッキリ言いなさいよ!もう!」
 バカにされたような気がしてレイがいきり立つ。
 バフンっと布団を思いっきり叩きながら体を乗り出して詰め寄った。
「一人はイヤ」
 まっすぐに見上げるその視線に囚われる。
 想いの強さを物語る瞳にレイの心が揺れる。
 視線を外せないレイは、黙って睨みかえす。
 沈黙の中、果てしない睨み合いが続く。
「バカじゃないの?」
 何十秒か続いたそれに、先に痺れを切らしたのはレイだった。
 ボソっと一言そう言い放つと、ゆっくりと元の椅子に腰を下ろす。
「何が?」
 その動きを目で追いながら美奈子が問う。
「神様なんかいないわ、ホントにいたら母さんは死んでない!あの頃まだ幼かったあたしは毎日必死に願ったもの。でも叶わないものは叶わない」
「レイ・・・それじゃあたしは何一つ手に入れられないまま死んじゃうってこと?」
「違うわ!」
「え?」
「神様はいないとあたしは思ってるけど、でも・・・あたしはいるわ」
 言い慣れない言葉に恥ずかしさを隠せないレイの顔は真っ赤に熟れていた。
 今にも泣きそうな顔で、それでも気丈に唇を噛んで泣くのをガマンしている。
「ばかっ」
「ばかってちょっとレイ?」
「あたしはそんな架空の存在じゃない。ここにいる現実(リアル)な存在よ。美奈が望めばあたしは答えることが出来るのよ!」
 レイは美奈子の手を取ると、そっと自分の頬に触れさせた。
「あたしはここよ」
「レイ・・・」
「な、何よ?」
「・・・そばにいて」
 頬に触れていた手をほどき、ぎゅっとレイの首に腕を回した。 
「はじめっから・・・そう言えばいいのよ」
 ポンポンと背中を優しくあやす。
「ん、それもそうね」
「ばかなんだから」
「ごめん」
 あやしながらレイは、母親が子供に言い聞かせるように言う。
「誰かさんがそんな泣きそうな顔でそこまで言うんだもんねぇ~しょうがないわね」
 カチンと頭に来た美奈子も負けずに言い返す。
「そっちこそあたしがいなくなっちゃうと寂しくて泣いちゃうんじゃないの?しょうがないわよねぇ」


「そばにいてあげるわ」

「そばにいさせてあげるわ」
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Date:2008/08/31
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