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□ 美奈×レイ □

美奈子の悩み

美奈レイです
でも美奈って結構モテてもいいと思うねんけどなぁ。
レイとは違う意味でさ。
レイちゃんは憧れのお姉さまやけど
美奈は身近で頼れる?お姉さま・・・アリじゃね?




「あの・・・すいません」
 はぁぁぁぁっ、今日何度目だろう?全くぅぅぅ
 クッっとカバンを握り締める手に力が入る。
「何よ!??」
「あの、コレ・・・!」
 ガバっと直角になるくらいに腰を曲げながら差し出されたソレは、今日何度目だろう?
 ピンクの包装紙にラッピングされて、赤いリボンをかけられた、毎年この日になると学校中を横行するモノだった。
「はいはい、今度はダレ?またまこちゃん?それとも意表をついて亜美ちゃんかしら?まさかうさぎちゃんじゃないとは思うけど・・・ちょっと、まさか他校のレイちゃんてオチはないわよねぇ?」
 ブツブツ文句を言いながらも不機嫌そうにソレに手を伸ばす美奈子。
「あの・・・美奈子先輩になんですけど・・・」
「・・・へ?」
 掌に包みを乗せたまま、美奈子はキョトンと相手の女の子を改めて見つめた。
「あたし?」
 予想もしていなかった答えに動揺する。
「はい、美奈子先輩です・・・迷惑・・・ですか?」
 頬を真っ赤に染めて、瞳を潤ませておずおずと見上げてくる視線はどうやら本物らしい。
(え?ちょ、ど、どうしよう?)
「あの~えっと、うん、ありがとね」
 当たり障りのないようにとりあえず受け取る。
「美奈子先輩はその・・・彼氏とかいるんですか?」
「え?あ、いや、いない・・・けど」
(カノジョなら一応・・・)
「そうですかぁ、よかった」
(よかったって何がよ!困るわよあたしは!)
 アタフタと内心かなり動揺していた美奈子は
「あなたも早くカッコイイ彼氏見つけてね」
 ミもフタもないことを言ってしまう始末だった。
「・・・」
 女の子の表情がわずかに翳る。
(ホンキなのかしら?もぉこういう時まこちゃんどうしてるのかしら一体?)
 毎年必ずといっていいほど女の子からチョコレートを貰っている友人を思い浮かべる。
 彼女がいつもどう相手しているのか、からかってないでちゃんと聞いておくんだったと後悔するが、時すでに遅し・・・であった。
「あ、その、とにかくありがたく貰っとくわね、ありがとう」
「あの!・・・また会ってもらえますか?」
「えっとあの・・・ねぇ、あはは」
「ふふっ美奈子先輩ったら♪じゃぁまた」
「あぁ、うん」
 あぁ~あたしのバカバカバカバカっ!

  ☆

「あっはっは!やったね美奈子ちゃん!モテてんじゃないか」
「まこちゃん!冗談じゃないんだからね!」
「わかってる、クックックッ、ごめんって」
 まだ笑いが止まらずにお腹と口元を押さえてくっくっと笑いをこらえるのは、先ほど何度も心の中で助けを求めて思い浮かべていたまことだった。
「ねぇ~まこちゃんはいつもどうしてんの?」
「あたし?あたしはまぁ・・・初めて言われた時はやっぱり動揺したよぉ~思わず受け取っちゃったしね」
「でしょう?貰っちゃうわよねぇ?」
「貰っちゃう貰っちゃう」
「で?」
「うん、チョコレートに罪はないし、この日のチョコレートだけは特別に想いがこもってるじゃない?だから無下に出来ないんだよね」
「うん・・・で?亜美ちゃんは何て?」
「はじめは機嫌悪かったけど今はわかってくれてるよ。それに女の子たちにはちゃんと言うしね、好きな人がいるからお返しは出来ないよって」
「そうなんだ」
「だってさぁ~コソコソ貰って、見つかった後の方が怖いもん、亜美ちゃん。でもいつもこの時期になったら太っちゃうって、結局怒られるけどね」
 ポリポリと頬をかくと、まことはそれでも幸せそうに笑った。
「あ~はいはい・・・そか、レイちゃんに言った方がいいかなぁ」
「だね、でもレイちゃんも貰ってるだろ?女子高だしレイちゃん学校では猫かぶってるせいか異常に人気あるじゃない?」
「うん、貰ってる!腹立つくらい貰ってる!悔しいからいつもあたしが食べるもん」
「あはは、じゃあ問題ないんじゃない?」
「うーん」
 美奈子は腕を組んでテーブルの上にチョコンと置かれたチョコレートと睨めっこをした。

  ☆

「ねぇレイちゃん?」
「ん?なに?」
 まことと別れて美奈子はレイの家に直行した。
 コタツに潜り込んだ美奈子は、ゴソゴソと紙袋の中身を整理しているレイの姿をぼんやりと見つめていた。
 案の定今年も大量だったらしい想いの数々。
 そんなものを見ていると、美奈子は自分の悩みがバカバカしく思えてきた。
 めんどくさがりの彼女のことだ、断るのも面倒だったのだろう。
 その結果がこれだ。
 まぁ貰ってくれたからといってレイちゃんと付き合えるわけじゃないのは、レイちゃんの態度を見れば一目瞭然だろうし、くれた子たちもホンキでレイにアタックしようなんていうツワモノはいないでしょう・・・ようするにファンなだけよね、とタカをくくってはいる美奈子だったが・・・。
 数あるファンの一つより、想いのこもった一つのチョコレートよねぇ。
「こんなの貰っちゃったの、あたし」
 おずおずと包みを差し出す美奈子。
「何これ?チョコレート?」
「ん、後輩に貰っちゃったんだけど・・・」
「へぇ~よかったじゃない美奈」
 思いがけずアッサリな反応に戸惑う。
「へ?」
「へ?って美奈チョコレート好きでしょ?」
「え?あ、うん、まぁ」
「じゃあよかったじゃない?」
 キョトンと、あたし何か間違ってる?というような顔で問う。
「あの・・・レイちゃん?」
「何?」
「何とも思わないの?」
「何が?」
「あたしが・これを・今日・もらったことに、よ」
「バレンタインに貰ったって事?だってそれは・・・」
「この子あたしのこと好きだって」
(そうは言われてないけど)
「ふーん」
 無表情を貫くレイ。
「つきあってくださいって言われちゃった」
(ウソだけど)
「だから?美奈どうしたいの?付き合いたいの?」
 まだ続く、ポーカーフェイス。
「・・・もういい」
「美奈?」
「レイちゃんのばかぁっ」
「え?ちょ、み、美奈?」
 チョコレートを掴んで勢いよく立ち上がった美奈子を見て、初めてレイは瞳を揺らした。
「バッカみたい!」
 視界が滲んでくる。
「あたしばっかりヤキモチ焼いちゃってさ、レイちゃんモテるの知ってるけど、でもすっごく悔しいもん!あたしのだもんって言いたいのに言えないしさ。すっっっごく悔しいのにさっ!レイちゃんはそんなこと思ってもくれないんだ。ばかっっっ!」
「美奈?」
「何よ!もう知らない!帰る!」
「これ、いらないの?」
「何がよ!」
 くるりと振り向く美奈子の視界は涙で完全にボヤけて、レイの姿形がハッキリしなくなっていた。
 その目の前に差し出されるモノの正体もわからずぼんやり見つめる。
「ホラぁもう泣かないの、悪かったわよ」
 中々受け取らない美奈子の頭の上にポンとそれを乗せると、照れ隠しのようにくるりと背中を向けた。
「レイ・・・ちゃん?」
 頭の上に乗せられたモノを受け取ると、袖でゴシゴシと涙を拭う。
「何これ?」
 かけられた赤いリボンを解いて、ペリっと金色の包装紙をはがす。
「チョコレート?」
「美奈好きでしょ、ソコのチョコ」
「うん、好き・・・でもこれ」
「何?」
「朝からすっごく並ばないと手に入らないんだよ?」
「知ってるわよ、いつも美奈騒いでるじゃない」
「レイちゃんが?並んだの?朝から行列に?」
「悪い?」
「もしかして・・・あたしの為に?」
「・・・ばか」
 背中越しにだけど、レイがものっすごく照れているのがわかる。
「ありがとうレイちゃん!」
 ガバぁっと美奈子はレイの背中を思いっきり抱きしめた。
「きゃっ、ちょ、な、何よ美奈?」
 ジタバタと暴れて逃れようとするが、嬉しさ全開の美奈子のパワーに勝るものはなかった。
「嬉しいよぉ~すっごく嬉しい!」
「そ、そう?わかったから離して~」
「うん!誰からのチョコよりも、手作りじゃなくても、レイちゃんがくれたチョコが一番嬉しい!」
 ぐすっと鼻をすすると美奈子はレイの背中に顔を埋めた。
「わぁかったから美奈!もう泣かない!」
 腕の力が少し緩んだ隙に逃れるとくるりと振り返り、レイはぽんぽんと美奈子の頭をあやすように優しく撫でる。
「あのねぇ、あたしだって貰いたくてもらってるわけじゃないわ、まこちゃん見習ってるだけよ」
「え?」
「まこちゃんに聞いたら、チョコレートに罪はないから・・・とか言うから」
「あぁ、そういえば言ってた言ってた」
「それに亜美ちゃんと一緒に食べてるって言うし、美奈もチョコレート好きだから・・・」
「そっか・・・そうなんだ」
「うん、ごめん、それにそんなに気にしてるとは思わなかったの」
「レイちゃん・・・でもあたしのチョコのことは?気にならないの?」
「だってあれウソでしょ?貰ったのは本当みたいだけど好きだとか付き合ってとか云々は・・・まぁせいぜい憧れてますとか、彼氏いますか?とか、でしょ?」
「どうしてぇぇぇ?」
「あたしを誰だと思ってんのよ」
「うっ・・・」
「ふふっ、それにね美奈」
「え?」
「何があってもあなたがあたし以外の人、好きになるとは思えないわ」
「へ?」
「でしょ?」
「・・・うん」
 その通りだ。
 ここまで読まれるとグウの音も出ない。
 でもそれが妙に嬉しい。
 レイが自分を信じてくれていたのが嬉しかった。
「大好き!レイちゃん!!!」
 力いっぱい想いを込めて、美奈子はレイを抱きしめた。
「で?美奈はあたしにくれないワケ?チョ・コ」
「あっいや、ホワイトデーに、ね」
「3倍返しって世間では言われてるらしいわね」
「・・・そんなくだらない情報は知ってるんだ、レイちゃん」
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Date:2008/08/31
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