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□ 美奈×レイ □

覚悟

実写つづくなぁ~(笑)





「ん・・・ちょっ・・・美奈っ・・・ヤメっ」
「何よ・・・」
「ヤメなさ・・・い!」
 ドンっ
 壁に追い詰められ、無理矢理に近く唇を奪われたレイは、持てる力の全てを腕に集中させて目の前にある肩を掴むと突き飛ばした。
「どうしてよ・・・レイ」
「こっちのセリフよ」
「どうしていつも拒むの?そんなにあたしがキライ?」
 少し悲しそうに眉をひそめると、単調な・・・だがまるでドラマのセリフを読む女優のような言い方をする。
「そんなんじゃ・・・」
「じゃあどうして?他に拒む理由がわからない!」
 美奈のまっすぐな視線を受け止めきれない。
 黙って俯く。
 レイの頭の中に、何度も今日の学校帰りの出来事がフラッシュバックしはじめた。

  ☆

「あ、愛野美奈子だ!」
 その名前を耳にするたびにドクンっと心臓が跳ね上がる。
 思わずその見知らぬ女子高生と同じ方向に視線を向けた。
(あ、美奈・・・)
 ビルの巨大スクリーンに写る美奈子は、新曲を歌っていた。
 プロモーションビデオか何かだろう。
「いいよねぇ今度の新曲も」
「うん、いつ発売だっけ?」
「あ、明日だよ!買いに行こうか」
「うん!それにしてもさぁ最近大人っぽくなったっていうか、キレイになったよね、美奈子」
「そうそう!何かあったのかな?カレシでも出来た・・・とか?」
「えーーー?」
「オンナがキレイになるって言ったら基本的にオトコでしょ?」
「まぁねぇ・・・どんな人なんだろねあぁいうアイドルと付き合うって」
「そこらのペーペーじゃ釣り合わないカンジするよね」
「ねぇ」
 顔を見合わせて笑い、次の瞬間にはもう違う話題を始めている。
 でもレイの頭の中には妙にこびりついてしまった。

  ☆

 気持ち悪い・・・。
 レイは口元を押さえてしゃがみこんだ。
 スクリーンからは笑顔の美奈子が見下ろしていた。
 その視線から、声から逃げ出すようにレイは立ち上がると、ダっとその場から逃げ出してしまった。

  ☆

「何よ?」
「なんでもないわ」
「何でもないじゃわからない!」
 グイっとレイの両腕を掴むと壁に押し付けた。
 ドンっ
 その勢いで再びレイの唇を塞ぐ。
 強引に舌をねじ込む。
 呼吸すら許さないというように。
「ん・・・んんっ」
 暴れるレイの手首を握る手に更に力をこめる。
 次第に痛さのせいか辛さのせいか、レイの体から力が抜けて行くのを感じた。
 弛緩しきった体は、美奈を受け入れる力も、拒む力すらも残してはいなかった。
 美奈が解放すると同時にレイの体がズルズルと壁にもたれたまま崩れ落ちた。
「レイ?」
 俯いたままレイは呟いた。
「女同士なのよ、あたしたち」
「わかってるわ」
「あなたはアイドルなのよ」
「それもわかってる」
「あなたにはもっと相応しい相手がいるでしょう?」
「何ソレ?」
 同じ目線までしゃがむと美奈はギロっとレイを睨み付けた。
「あたしたちはうまくいかない、幸せになんてなれない、苦しい想いしかしない」
「どうして決め付けるの?まだ始まってもいないじゃない」
「わかるわよ!」
 顔を上げた目の前にはやっぱり変わらずまっすぐ、でも泣きそうな顔で美奈が見つめ返していた。
「わかんないわ」
「どうして・・・どうしてあたしなの?」
 力なくうなだれる。
「は?」
「どうしてあたしなのよ?」
 とうとうガマン仕切れなかった涙が溢れ、流れ落ち、頬をぬらした。
「レ、レイ?」
 驚いた美奈が目を丸くし、珍しく動揺を見せた。
「いくら想っても、どれだけ想ってもどうにもならないこともあるわ」
「ないわよ」
「え?」
「そんなのないわよ、どうにかなるもの」
 いつの間にか冷静さを取り戻していた美奈の指がレイの頬を撫で、親指が涙を拭う。
「あたしにはあなたしかいないの」
「美奈?」
「どうしてって聞かれてもわかんないわ、ただ・・・レイじゃないとダメなの・・・自分がアイドルなのも女なのも自覚してるわ。こんなことが世間にバレたらどうなるかもわかってる・・・それでもレイがいいの、レイじゃないとダメなの!」
 ポスンとレイの胸に倒れこむと、きゅっと服を掴む。
「好きなの、レイが」
「美奈」
「あたしのこと・・・キライ?」
「そんなわけないじゃない」
「ちゃんと言って」
「・・・好きよ、美奈」
「レイ・・・」
 美奈は膝で立ち上がると、レイの頬を両手で包み込む。
「もう逃がさない」
「もう逃げない」
 視線がぶつかり、そして閉じられた。
 少しだけ頬を傾け、そっと唇を啄ばみ、そして深く、長く口付けた。
 唇を離し、ふと顔を見合わせた瞬間、どちらからともなく笑い出してしまった。
 レイはしかしすぐに真面目な顔になると、人差指を美奈の鼻先に突きつけた。
「ぜぇっっっったい秘密だからね!」
「わぁかってるってば!あたしだってバレたらヤバイもん」
「うっ・・・」
「それに・・・こぉんな意地っ張りなのにかわいいレイのこと、もったいなくて誰にも話せないわよ、じゃあね」
 チュっとキスをすると、美奈子は微笑んだ。
 これからまた仕事だという。
 わずかな時間を使ってレイに会いに来たのだろう。
 そんなちょっとした事なのにそれがレイには嬉しかった。
「頑張りなさいよ」
「レイの応援が一番頑張れるわ」
「ふん、早く行きなさいよ」
「はぁいはいっと、まったね」
 チュっと今度は耳元に唇を寄せた。
 ビクンと反る背中がゾクリとあわ立つ。
「あら・・・今度はゆっくり出来そうね」
「な、な、何がよ!」
「さぁ~ね」
 イジワルに笑う美奈は、ひらひらと手を振って出て行った。
「美奈のバカ・・・」
 美奈の背中を見送りながら、レイが膝を抱えてクスリっと笑った。
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Date:2008/08/31
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