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□ 美奈×レイ □

たった一つの欲しいもの

美奈子誕生日企画です





「ねぇ、何か欲しいものある?」 
「は?」 
 突然の問いに、一瞬意味がわからず美奈子はまぬけな返事をする。 
「だぁから、もうすぐ誕生日でしょう?10月22日」 
「あ・・・」 
「忘れてたの?自分の誕生日なのに?」 
「ちょ、ちょっと最近忙しかったのよ!何よ!レイこそよく覚えてたじゃない?」 
 レイはぱらぱらと手元にあった雑誌をめくって見せると 
「これだけあっちこっちに載ってるのを見たら、イヤでも覚えちゃうわよねぇ」 
 他にもそばに美奈子のインタビューが載っている雑誌が数冊積まれていた。 
「あぁ、そっかそうよね、レイってそういうのいちいち覚えてるタイプじゃないもんね」
「失礼ね!まぁ否定はできないけど」 
「でしょう?」 
「で?欲しいものあるの?いらないんならいーけどね!」 
 確信を突かれたレイは、あきらかに動揺していたがそれをごまかすかのように(ごまかせてはいないけどね) 
 強気な物の言い方をする。 
 これもレイのクセだとすでにわかっている美奈子は、そんな態度は意にも介さず、ガバっと後からレイを羽交い締めにした。  
「な、何すんのよ?バカ」 
「愛!」 
「はぁぁ?」 
「愛が欲しい~」 
 ガバっと美奈子の腕をムリヤリ引き剥がすと、レイはガタンっとイスを蹴って立ち上がる。 
「ばっかじゃないの?そんなの。あたしにどうしろっていうのよ?だ、大体何?その抽象的なモノ!?よくわかんないわよ!あなたファンのみんなや、まわりにもたくさん愛されてるじゃない?今更愛って何ソレ?」 
「一番欲しい愛は・・・たった1つよ」 
「?」  
「愛の女神と呼ばれたこのあたしがよ?たった1つの愛がもらえないなんてそんなの!・・・あっていいわけないじゃない」 
 ジリジリと壁際にレイを追いつめる。 
 悲しそうに、寂しそうに見つめる美奈子の瞳が痛い。 
 レイもわかっていた。 
 美奈子が言いたいこと、美奈子の欲しいものの意味を。 
 だけどそれをどう表したらいいのかがわからなかった。 
 どうしたら彼女は満足するのだろう? 
 自問自答が繰り返される頭の中で、答えは見つからないままレイは壁を背中にしょった。
「ど、どうすれば・・・いいの?どうすればあなたは満足してくれるの?」 
 気づいた時には、美奈子の顔は目の前10cmの所まで迫っていた。 
「そんなの自分で考えなさいよ」 
「わからないから聞いてるの」 
「あたしだって・・・わかんないわよ」 
 吐き捨てるように言う美奈子の思いがけない言葉に、レイの思考が停止した。 
「はぁ?」 
 ふっと美奈子の息遣いが遠のいたかと思うと、レイに背中を向けた。 
 両手を軽く上げて肩をすくめると 
「あたしだって何を求めてるのかわかんないわよ。あなたにどうして欲しいのかなんてわかって言ったわけじゃない。ただ、ファンのみんなが知ってるあたしの姿は所詮虚像なの。虚像のあたしに向けた愛なの。でもあなたは本当のあたしを知ってる数少ない・・・ううん、たった一人の人なの。そのたった一人の人にはやっぱり・・・愛されたいじゃない?」 
「美奈」 
「あたしはレイが好き」 
「!?」 
「レイに愛されたい」 
「美奈?」 
「それがあたしのたったひとつの望みよ」 
 キッパリと、真っ直ぐレイの瞳を見つめて言い切った。 
 レイはフっと息を吐くとそっと美奈子の頭を抱き寄せて、ポンポンっと軽く撫でる。 
「他には?本当にもう無いの?」 
「え?」 
「だって、それはもうとっくに・・・」 
 ゴニョゴニョと語尾をごまかすレイの頬は真っ赤に染まっている。 
「何?レイ・・・やっぱりダメなの?」 
「ばか」  
 そっと美奈子の額に唇を寄せる。  
 チュっと音を立ててキスをすると、そのまま耳元で囁く。  
 
 
 ――もうとっくにその望みは叶ってるじゃない―― 
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Date:2008/08/31
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