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□ 美奈×レイ □

名前~Side Rei~

レイちゃんバージョンです
この頃レイちゃん強気になってきたよな




 《Side Rei》 
 
「前世、前世って!前世の記憶とか使命とかってそんなに大事なワケ?」 
 驚きに見開く彼女の瞳。 
 まさかあたしがそんな言葉を吐くとは、コレっぽっちも思ってなかったって顔。 
 何故か彼女の病気のことを知らされてるのはあたしだけだ。 
 そんなあたしにぶつけられた思いもよらない無責任な言葉。 
 驚くのも無理はない。 
「あ、あなたはわかってないのよ!前世の使命の重さが!」 
 必死で抵抗しようと言葉を探しているみたい・・・でも・・・。 
 また前世!? 
 前世、前世、前世、前世! 
 もうウンザリだわ! 
「わかってないのはアンタよ!」 
「え?」 
「あたしはアイドルなんか全く興味なんてないし、アンタがどんだけ有名なアイドルかなんてうさぎやまことがいなかったらきっと一生知らなかったわ!でもね、そんなあたしにもわかるのよ」 
「何がよ?」 
「歌、好きなクセに」 
 ビクっと肩を震わせて目を見開く彼女。 
 あたしはたたみかけるように言葉を吐きつづける。
「歌やめるって?残りの命を無駄に過ごしたくないから?バッカじゃないの?」 
「なっ?」 
 開いた口が塞がらないかしら? 
 いつもいつも言い負かされてるけど、今日だけは絶対譲らないわ。 
「あなたはね、逃げてるだけなのよ!前世の使命を言い訳にして、戦って死ねたらカッコイイとか本望とか思ってるんでしょ?そんなの生きられる可能性から逃げてるだけよ!手術を怖がってるだけ」 
「あなたに・・・何がわかるの?死ぬかもしれない手術なのよ?」 
 あたしの目をニラミつける…相当腹が立ってるみたいね。 
「わからないわよ!残り少ない命とか言われたことないし・・・でもね、大事な人に先立たれるのはもうイヤなのよ」 
 母が亡くなった時のことを思い出す。 
 母の病気に気付いたときには完全に手遅れだった。 
 猛烈に寂しくて、悲しくて、やりきれなくて、泣くことしかできなかったあの時のあたし。 
 彼女はじっと黙ってあたしの話を聞いていた。 
 フッとあたしは今日のことを思い出した。 
「ねぇ、今日さ・・・楽しくなかった?」 
「・・・うん」 
 今日のバカ騒ぎを思い出したのか、コクリと素直にうなずく彼女。 
「そうよね、あたしも実はスッゴク楽しかったんだ」 
 あたしもみんなで大暴れしたことを思い出して笑う。 
「アレ、あなたが考えたの?」 
「うん、アルテミスに聞いて社長に直談判に言ったら何だかそんな話になっちゃって。社長さん、いい人ね」 
「まぁね」 
 と、少しだけ微笑む。 
 彼女も社長のことは好きらしい。 
 ホントはあたしにもデビューの誘いの話があったことは黙ってよう・・・ガラじゃないしね。
「あたしはね、今のあたし達の生活…犠牲にすることないと思ってるの」 
「?」 
「確かにあたしも少し前までは生きてても全然楽しくなかったわ」 
「うん?」 
 何が言いたいの?というような怪訝な表情。 
「うさぎや亜美やまことに会って、しょっちゅうバカ騒ぎしてみたりケンカしたり家出したり色々やらかしたけどでもね、毎日楽しくて、飽きなくて、あの子たちに会えてよかったと今は思ってる――初めて仲間っていいなって思ったの」 
 真っ直ぐ彼女を見つめる。 
「こんな現世(いま)があってもよくない?」 
「マーズ」 
「――違うわ」 
「え?」 
「火野・・・レイ・・・現世(いま)のあたしの名前よ、そしてあなたの名前は・・・」 
「・・・愛野美奈子?」 
 思わず笑ってしまう。 
「どうして疑問系なのよ?でも・・・その通りよ。トップアイドルのクセにド素人のド新人に仕事を取られそうになって、ムキになって勝負!とか言っちゃうような、負けずキライで、歌が好きな、普通の女子中学生の・・・ね」 
 ――あ、泣きそうな顔してる。 
 彼女の・・・普段ミョーに強気な彼女のそんな切ない表情を見てしまった瞬間、あたしの心がグラリと揺れた。 
 気がついたらあたしは、彼女をフワリと抱きしめてしまっていた。 
 ピクっと緊張する肩。 
 あたしはそんな彼女を落ち着かせようと、ゆっくり背中を何度も何度もなでる。 
 少しずつ解けて行く緊張。 
 あたしの肩に預けられる彼女の額。 
 ゆっくりと大きな深呼吸が繰り返される。 
 そっと名前を呼ぶ。 
「ねぇ、美奈?」 
「何?」 
 顔を上げずにポツリと答える。 
「正直に言うわ・・・あたしにとって今一番大事なものは、大して覚えてない前世の記憶よりも、前世からの使命よりも、プリンセスよりも、あなたと過ごす時間よ、怒られるかもしれないけどね」 
「マー・・・レイ・・・」 
  彼女は一瞬いつものクセで呼ぼうとして、改めた。
「それともあたしじゃ・・・あたしの存在くらいじゃ手術をする気にはならないかしら?」
 体を少しだけ離すと、あたしはコツンと彼女の額に自分の額で触れる。 
 視線を泳がす彼女。 
「こっち見て、美奈」 
 彼女はゆっくりとあたしに視線を戻す。 
 そんな彼女の唇に、そっと自分の唇を重ねる。 
 彼女は一瞬驚いた表情をしてあたしの体を押し返そうとするが、あきらめたのか次第に力が抜けて行く。 
 それを感じるとあたしもゆっくり目を閉じた。 
 呼吸もままならなくなるほどに、何度も何度も繰り返す。 
 ゆっくりと唇を離したとき、目の前に見えたのは美奈の少し泣きそうな顔。 
 そっと抱きしめる。 
「泣き言…言いたかったらいいなさいよ、泣きたいんなら泣けばいい。 
 あたしたちはみんな、あなたのためだったらいつだって飛んで来るし、そばにいるわ」 
「・・・あなたも?」 
「バカっ当たり前でしょう?誰よりも真っ先に行くわよ、約束する」 
 と、あたしは小指を立てると彼女の前に差し出す。 
「何?」 
 キョトンとソレを見つめる彼女。 
「ユビキリげんまんよ!」 
 あたしはむりやり小指を絡めると、ブンブンと振りまわす。 
 クスクス 
 あ、笑った。 
「あなたはこの世に未練残したまま死んじゃう程バカじゃないでしょう?」 
「未練?」 
「あたしに負けたままでいいの?ま、いいんならいいけどさ。あなたがいなくなったあとの芸能界はあたしが背負ってあげるから心配はいらないしね」
「あなたにはムリよ!それに負けた記憶もないわ!」 
「そうだったかしら?」 
「そうよ!なんだったら何回でも勝負するわよ!」 
 ムキになる彼女の顔がなんだかオカシイ。 
 でも・・・。 
「そうね、受けて立つわ、何度でもね・・・だから逃げないでよね」 
 そう、逃げるなんて許さない。 
 逃がさない。 
 あたしたちの勝負はまだまだこれからなんだから――。 
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Date:2008/08/31
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