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□ 美奈×レイ □

記憶

もう1つの美奈レイストーリーやと思ってください。 
1つ1つは一応終わらせてるのですが、なんていうのでしょうか・・・ 
続いてるような続いてないような・・・。 
流れ的には続いてます・・・かな? 
あ、ちなみに本編とは違う流れを歩んでますのでツッコミ不可です(笑) 





《Side Mina》 
 

「あと・・・半年?」 
 衝撃的な医者の言葉が頭の中で何度も何度もリフレインする。 
 結果、導き出される答え=理解不能。 
 アタシはフラリと病室を出る。 
 背後で医者が何か言ってるようだが、もはやアタシの耳には何も入ってこない。 
「どうして・・・アタシが?」 
 
  ☆ 
 
 数ヶ月後 
 
「あたしが戻った以上、あなたはサブよ、マーズ」 
 そう言い放つアタシをまっすぐニラミつける瞳。 
 その、人を真っ直ぐ射抜くような瞳をこんな時に不謹慎かもしれないが、キレイだと一瞬見惚れてしまう。 
 アタシの使命を・・・アタシの想いを引き継ぐのはやはり彼女しかいないのか。 
 数ヶ月前、アタシはまだただの国民的アイドルだった。 
 戦士でもなく、ましてや前世なんてコレっぽっちも思い出してなかったしね。 
 でも、思い出してしまった・・・出会ってしまった。 
 彼女に・・・。 
 
  ☆ 
 
 普段の姿は人気絶頂のアイドルと世間知らずの霊感少女。 
 何の接点もないアタシたちが出会ったのはやはり運命なのだろうかと思ってしまう。 
 セーラームーンやジュピターがアタシをアイドルとしてあこがれの目で見てる中で、彼女だけはアタシに出会っても、『アイドルの愛野美奈子』だということに気がつかなかった。
 あろうことか『どうりでドコかで見たことがあると思った』等と言い放った。 
 これだけ世間に顔が知れてるのに。 
 でも不思議なことに自信をなくすどころか、むしろ安心した。 
 このアタシとくっだらないことで張り合うなんて、アタシもあんなにムキになることなんてなかったのについつい。 
 意地っ張りなあなたを見ていると、イジワルしたくなるのよね。 
 でも、あなたの負けずキライを利用しない手はないと思って 
 リーダーとしての自覚を持つように仕向けたのよ、マーズ。 
 そして、覚醒してくれた・・・前世を思い出してくれた。 
 でもね、あなたがひとつだけ思い出してないことがあるのよ。 
 アタシと・・・あなたの関係。 
 誰よりも心から信頼しあって、常に行動を共にしていたあの頃のことを。 
 アタシは一目見て全てを思い出したわよ、マーズ。 
 あなたは、アタシが前世で愛していた炎の戦士・セーラーマーズだって・・・。 
 そして再び出会ってしまった今…やはりあなたのその瞳にアタシは強く惹かれている。 
 なのに・・・。 
 まだ言えない、マーキュリーを敵から取り戻して落ち着くまでは。 
 
  ☆ 
 
「ただいま!」 
 マーキュリーが彼女たちの元に帰って来た。 
 ラジオ局にアタシを頼ってきたマーズとジュピター。 
 うれしそうなジュピターの顔とはうらはらに少し悔しそうな顔のマーズ。 
 そんなにアタシに頼るのがイヤだったのかしら? 
 でも、そんなマーズがやはり愛しいと想えてやまない。 
 彼女に告げなきゃいけない時は近いかも・・・ね。 
 
  ☆ 

《Side Rei》 

 
 RRRRR 
 
 携帯のベルが鳴る。  
 この携帯を鳴らすのは同じ使命を持つ仲間だけであるはずなのだが・・・。 
「はい?」 
「マーズ?」 
 聞こえてきた声はあたしのことを現世名の「レイ」ではなく前世名である「マーズ」と呼ぶ。 
 そしてあたしも思わず相手の前世名で答えてしまう。 
「ヴィーナス?」 
「マーズ?話があるの、会えない?」 
「え?」 
「今晩教会で待ってるから・・・9時に」 
「ちょ?え?」 
「一人で来て、必ず・・・」 
 そう言うと一方的に電話は切れた。 
 なんなのよ!全くもう。 
 
  ☆ 
 
 先日、亜美と一緒に夜出歩いていて補導をされたばかりなので少し慎重になる。 
 教会に一歩足を踏み入れると、つい母親のお墓に目が行く。 
 母の眠る墓地。そして父の気持ちを確認できた場所。 
 その墓前に人影がたたずんでいる。 
「ヴィーナス?」 
「火野リサって、お母さん?」 
 コクンとうなずく。 
「そう・・・もう9年も前なのね」 
「ん」 
「寂しい?」 
「別に・・・もう慣れたわ」 
 あたしはつい思ってもいないことを口にする、悪いクセだとはわかっているんだけど。 
「そう・・・」 
 気のせいか、ヴィーナスが一瞬だけ少し寂しそうな表情を見せた気がした。 
「で?話って何?どうしてあたしだけをこんな時間にこんなところに呼び出したの?」 
 あたしは気付かないフリをして話を促す。 
「マーズ、前に言ったわね?アタシが戻った以上あなたはサブだって」 
 その言葉にあの時の記憶が呼び覚まされてカチンとくる。 
「それがどうかした?」 
「アタシが・・・いなくなったら、やっぱりあなたがリーダーよ」 
「?」 
 ヴィーナスの言葉の意味が理解できない。 
「アタシの意思を・・・継いでほしいの」 
「はぁ?」 
 この時のあたしはすっごく間抜けな返事しか出来なかった。
 だって意味がわからない。 
 この人は一体何を言っているのだろう? 
「何よ?まるでこの世からいなくなるみたいな・・・」 
「マーズ・・・アタシの命はもうあと少ししか・・・」 
 頭が真っ白になる。 
 今、この人は何を言った? 
 命?あと少し?何の話? 
「マーズ?」 
 我に返ると目の前にヴィーナスの顔が迫っていた。 
「え?」 
「聞いてた?」 
 と不満そうにあたしの顔をのぞき込む。 
「えっと・・・?」 
「病気なのよ、たぶん治らない。あなたと病院で会った時に言ったことがあったわね?健康診断だって。検査よ・・・この半年、検査と応急処置の繰り返しだったわ、それで何とか今までもったけど、もう・・・」 
「・・・」 
「うさぎちゃんから聞いてない?先週コンサート中にアタシ、倒れちゃったんだ。 
 アイドルが舞台放棄しちゃうなんて、失格よね」 
 フフっと微笑むヴィーナス。 
 こんな話をしながら笑えるこの人がわからない。  
 でも確かに聞いた、先週うさぎが大騒ぎしていたのを。 
 でもまさかこんな・・・命にかかわることだったなんて思いもしなかった。 
「ねぇ、マーズ?」 
「え?」 
「全部・・・思い出した?」 
「前世?少しづつ・・・」 
「アタシのことは?」 
「?」 
 努めて冷静に会話を続けるが、頭の中では今までの色々な記憶がフラッシュバックする。
 前世?ヴィーナスのこと? 
 しかしどれだけプリンセスや仲間のことを思い出しても、ソコだけ・・・ヴィーナスとの記憶だけが霧がかかったように曖昧だった。 
 何だか大事なことを忘れている気がする。
 何だろう?  
「ヴィーナス?何なの?言いなさいよ!」  
 あたしはイライラして詰め寄ると、胸倉をつかんで引き寄せる。  
 上着の第一ボタンが弾け飛ぶ。  
「アタシが消えちゃう前に、自力で思い出して欲しかったけど・・・間に合いそうにないわね」 
 そう言った瞬間、ヴィーナスの両手があたしの手首を拘束した。 
 目の前には目を閉じたヴィーナスの顔。 
 ――瞬間、唇にはやわらかな感触。 
「???」 
 あたしはそっと目を閉じて彼女を受けとめる。 
 長い長いキスの間にザァーーーっと次々押し寄せる記憶の波。 
 途切れ途切れではあるけれど、記憶がフラッシュバックをはじめた。 
 あたしは、あたしとこの人は・・・。 
「マーズ?」 
 ヴィーナスの指があたしの瞼に触れる。 
 その長くてキレイな指にあたしは思わず見惚れる。 
「泣かないで、マーズ」 
「え?」 
 あたしの瞳に、知らぬうちに涙があふれていたらしい。 
「思い出した?」 
 その言葉に我に返ったあたしは、自分の手の甲で涙をぬぐう。 
「前世でそういう関係だったからといって、現世でもそうなるとは限らないわ 
 でもね、あなたには、あなたにだけはアタシを忘れて欲しくなかったの・・・ただのアタシのワガママよ」 
「ヴィナ」 
 くすっ 
「そう・・・呼ばれてたわね、あなたにだけは」 
「あなた・・・ズルイわ」 
「そうね」 
「あなたも・・・あたしを一人にするのね・・・こんなツライ記憶ばかりを残して」 
「・・・」 
「バカっ!ズルイ・・・わよぉ」 
 あたしは自分の瞳からとめどなく流れる涙を隠すために、ヴィーナスの胸元に額を預ける。 
「マーズ・・・」 
 ヴィーナスの手が優しく背中をなでてくれる。 
「寂しくないわけ・・・ないじゃない!ママが死んだ時も、ママがいない現在(いま)も・・・あなたがいなくなる未来も・・・寂しくないわけないじゃない!」 
「・・・ごめん」 
「ヴィナ・・・」 
「ん?」 
 あたしは顔を上げてヴィーナスを、いや、愛野美奈子を見つめる。 
「ホントに勝手よね・・・でも忘れないわ。忘れられるわけがないじゃない!ヴィーナスのことも!愛野・・・美奈子のことも」 
 フっと笑みを浮かべると、彼女はあたしの背中にまわした手に力を込めて抱き寄せた。 
「ありがとう」 
 それだけを言うと、あたしの顎を軽く持ち上げてもう一度唇を重ね、そして離れる。 
 あたしが我に帰って瞳を開けたとき、すでに彼女の姿はそこにはなかった。 
 柔らかな感触だけを残して・・・。 
 
  ☆ 
 
 残りの時間、アタシは使命を果たすために全力を注げる。 
 もう思い残すことはないわ。 
 この命、全てを賭けてプリンセスと、仲間を守る! 
 そして・・・あなたのために。 
 マーズ―――。 
 
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Date:2008/08/30
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