Planetarium SS置き場

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□ 夏実×美幸 □

夕立

拍手夏実×美幸
「あぁ~あたしとしたことが・・・」
 美幸は車のパーツを買いに珍しく電車ででかけたのだが、出るときは天気がよかったので天気予報を聞かずに出て来てしまった。
 駅に着いた時にはもう空はすっかり機嫌を損ねていた。
 走って帰ることも考えたが、この雨量じゃ大惨事になることは間違いない。
 タクシー乗り場に視線を向けると美幸と同じように油断していた人らしき人たちが長蛇の列を作っていた。
 バスも同様だ。
 美幸は携帯電話を取り出し、短縮番号ゼロを押した。
 何度かのコールの後、気だるそうな声の相手が出た。
「はいはぁい、夏実でーす。どした?」
「夏実今どこ?」
「家~」
「お願い!今駅降りたら雨が降ってきてるの。うっかり天気予報見そこねて傘忘れちゃったから迎えに来てくれると嬉しいんだけど」
「えぇ~っ」
 電話の向こうで不服そうな声が上がる。
「お願い!」
「わぁかったわかった!んっと、15分くらいで行くわ」
「ありがと!」
「夕飯当番一回交代ね!」
「はいはい、了解」
 言って電話を切ると、再びどんよりと曇った空を見上げながら考えた。
「ご飯・・・何がいいかしら」

  ☆

 目の前のタクシーが入れ替わり立ち代わり人を運んで走り去るのをぼんやりと見つめていた、そこへ
「おじょ~うさん♪お困りのようですね、入りませんか?」
 と、大きな赤い傘を差し出された。
「え?」
「待った?」
 へへっとイタズラっ子のような笑顔を浮かべる夏実がいた。
「夏実!ありが・・・と?」
 赤い傘を握りしめる右手と、何も持っていない左手を交互に見比べる。
「あら、あたしの傘は?」
 当然の質問だ。
「んー大きめの傘選んだつもりなんだけど?」
 赤い傘を見上げる夏実。
 つられて美幸も見上げる。
「だめ?」
 ニッコリと屈託なく笑う夏実にやっと美幸はその意図を理解した。
「これじゃ夕飯当番一回じゃなくて半分こよね」
 美幸も笑って夏実の横に滑り込むと、傘を持つ手に自分の手を重ねた。
「えー?」
「一緒に作ろっか」
「ん、そだね。あたしハンバーグ食べたいなー」
「了解」
 二人は少し小降りになった雨の中を、お互いの肩が濡れないように身を寄せながら帰途についた。


「たまには傘忘れるのもいいかもね」
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Date:2008/08/29
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