Planetarium SS置き場

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助っ人

あたし実はバレー詳しくないっすよ!だから何かヘンなとこあっても
スルーやで!スルー!
あ、ちなみにこれはスキピオさんから頂いたリクのまこ美奈でした。
まこ亜美じゃん!というツッコミもありましょうが、あたしの中ではまこ美奈(美奈まこ?)です!





「だーーーーーっ疲れた!」
 バタンと中庭の芝生で本を読んでいた亜美のそばに学校指定のジャージ姿で駆け寄ってきたまことが、ゴロンと寝転んで長い両手両足を思いっきり広げると、うーんと伸びをした。
 亜美が読んでいた本にしおりを挟むとぱたんと閉じ、かけていた眼鏡を外す。
「おつかれさま、まこちゃん」
「んん~?」
「次で最後よね?」
「あーもう行きたくないなー」
 ガバっと勢いをつけて上半身を起こすと一言。
「美奈子ちゃんのところよね」
「あぁ、一番人使いの荒いところだよ全く」
 はぁ~っとため息をつくと、モミモミと自分で自分の左肩を揉む。
「空手部、陸上部、バスケ部、で、バレー部か」
 まことが今まで助っ人として参加した部活を指折り数えて行く。
「まこちゃん運動神経いいからひっぱりだこね」
「ありがたいやら迷惑やら、まぁ時間がかぶらなかったのがせめてもの救いだよ全く」
 はぁっと深いため息をつくと、立てた膝と膝の間に顔を埋める。
「どぉして同じ日に練習試合やら大会やらが重なるかねぇ」
「おつかれさま」
 亜美は少し低い位置から見上げるとまことの頭に手を伸ばし、よしよしと優しく頭をなでる。
「えへへー元気出たっ」
 にへらっと頬を緩ませると目を細めて微笑む。
 亜美の手の感触を堪能するように黙ってされるがままになっていたその時
「ちょっとちょっとぉぉぉっ?なぁにを二人の世界作ってくれちゃってんのよ!鼻の下伸ばしてる場合じゃないわよ!まこちゃん」
 ギクっと肩を震わせると、ゆっくりと振り返る。
「まだまだ元気そうじゃない?まこちゃん」
 バレーのユニホーム姿にボールを脇に抱えてニヤニヤと笑う美奈子と、休日とはいえTA女学院の制服姿のレイが二人並んで歩いてきた。
「な、なんだよーまだ試合までには時間あるだろ?」
 亜美によって蓄えられた元気を、一気に吸い取られたかのようにげっそりと肩を落とす。
「まだ時間はあるけど、まこちゃんに時間はないわ!最後の仕上げよ!さ、特訓特訓!」
「か、勘弁してよぉぉぉっこの一週間特訓漬けだったじゃないかぁ」
「まだまだよ!今日の試合は絶対負けらんないんだからね!さ、行くわよーーー」
 明らかにまことより小さな体で美奈子は、ぼーっと座り込むまことの背後から両脇に手を突っ込んで体を浮かすと、ずるずると引きずっていく。
「ちょ、み、美奈子ちゃん???」
「じゃねレイちゃん!亜美ちゃん!シッカリ応援してねーーーーっ」
「わ、わかったから美奈子ちゃん!行くからっ離してよぉ」
 あれよあれよと言う間に連れ去られたまことに、亜美は小声でつぶやいた。
「頑張ってね・・・まこちゃん」
「気の毒にねぇ、まこちゃんも今の美奈の勢いにかかっちゃどうにもなんないわ」
 両手を軽く上げて肩を竦めると、レイは気の毒そうに首を振る。
「楽しみね」
「レ、レイちゃん?」
 人事だからというようにニヤリっと唇の端をあげて笑うレイだった。

  ☆

「さ、まこちゃん!あたしの得意技!フライング回転レシーブをマスターしてもらうわよ!」
「えーーーっあんなのムリだよ!美奈子ちゃんだから出来るんじゃん」
「やる前からそんなことでどうするの!時間はもうないのよ!」
「だから言ってるんじゃないか」
「まこちゃんなら出来るわ!行くわよ!それっ」
 有無を言わせず容赦なく美奈子のアタックが乱れ飛んでくる。
「ちょ、えーーーっ?」
「まこちゃん他のことは大概こなせるんだからさ!がんばって!あたしたちの勝利はまこちゃんにかかってるのよ!」
「うそだろぉぉっっ」
 言いながらもまことの体はボールを拾うためにシッカリ反応する。
 ここんところ美奈子によって受け続けた特訓のせいか、『パブロフの犬』のように条件反射で体が動いてしまう。
 半々くらいで拾えるようにはなったのだが、やはり付け焼刃では美奈子のようには行かない。
 ましてやフライング回転レシーブなんて・・・。
「ほらほらほらぁぁぁっ反応が甘い!そんなこっちゃ勝てないわよぉぉっ!」
 はぁっはぁっと息を切らしながらも、まことの心は次第に無になっていった。
 いくらなんでも試合前にやる練習じゃないだろう・・・とはチラリと思ったものの、結局シッカリとギリギリまで付き合ってしまうまことだった。

  ☆

「まーったく!とうとうマスター出来なかったわねぇ」
 腰に両手を当てて仁王立ちで自分より高い位置にあるまことを見上げると、ふるふると首を振った。
 しょんぼりと肩を落とすまことを見て美奈子は力が抜けたのか、ふっと微笑む。
「でもまこちゃん・・・やっぱりあたしはまこちゃんに期待しちゃうわ。まこちゃんの運動神経の良さとパワーは誰よりもよく知ってるつもりだもの」
 苦笑いを浮かべたまことは、そりゃどーもっと持っていたスポーツドリンクを一気に飲み干した。
「あと1時間ね、あとはもう亜美ちゃんとイチャつくなり何なりしててよ!後で呼びに行くわ~」
 ひらひら~っと手を振ると、美奈子は軽い足取りでさっさと駆けて行ってしまった。
 ボールを打っていた方とはいえ、結構疲れるハズなのに・・・。
 呆然とその後姿を見送るまことは、自分は今日だけですでに3種目をこなしてきた自分の体力を棚に上げて
「さ、さすが美奈子ちゃん、元気だな」
 と感心していた。

  ☆

「まこちゃん?」
「あぁ、亜美ちゃん・・・あれ?レイちゃんは?」
「美奈子ちゃんに連れてかれちゃったわ・・・大丈夫?」
「ん?あぁ大丈夫さ!ここんとこ受けてた美奈子ちゃんの特訓のおかげかなぁ?体力ついたみたいでさ、結構平気なんだよね」
 両腕で力瘤を作るようにむんっと曲げると
「ほらね」
 っとニッコリ微笑む。
「それにさ、亜美ちゃんがそばにいてくれるだけで元気になるんだ♪」
「まこちゃんったら」
 ふふっと口元に手を当てて小さく笑う亜美に、思わずまことは見惚れる。
 特訓で火照った体とは違う頬の火照りをまことは感じていた。
「もう後は時間まで亜美ちゃんとイチャつくなりなんなりしてていいってさ」
「イ、イチャっ?っつくだなんて・・・」
 亜美の薄紅色に染まった頬を、まことの両手が挟み込む。
「ははっとにかく休憩休憩」
 二人はなるべく人のいない静かな場所を求めて歩き出した。

  ☆

「時間よまこちゃん!」
 甲高い声が耳元で響く。
 ビクンっと飛び起きたまことは、キョロキョロと見回す。
「な、何?」
「ヤダまこちゃん寝てたの?」
 まことののんびり屋加減に呆れながらもからかうように美奈子は、ウリウリとまことの額をつつく。
「へ?あうぅっ」
「しかも亜美ちゃんの膝枕ぁ?ホントイチャつくのに場所選ばないわよね!」
 そばにいたレイのツッコミに、やっと自分がどういう状況にいたのかを思い出した。
「うあっっご、ごめん亜美ちゃん!重たかったよね?」
「ううん、大丈夫よ、まこちゃんがんばってね」
「うん!」
「はいはい、仲いいのはもうわかったからさ!行くわよまこちゃん!」
 まことは寝ぼけた頭を目覚めさせるように、両手でぱんっと自分の頬をはたく。
「よっし!やることはやった!行くよ美奈子ちゃん!」
「おうっじゃぁ亜美ちゃんレイちゃん2階の観客席にいてね」
「了解」
「がんばって」
 二人は振り返ると同時に親指を立ててハモる。
『まかせて!』
 こうしてまことと美奈子はコートへ、レイと亜美はギャラリーへと別れた。

  ☆

 試合前の緊張感が漂うコート。
 コーチの周りに集合して耳を傾ける両チームメンバー。
 ざわざわと見守るギャラリー。
「そろそろね」
 レイが腕時計を見てつぶやく。
 と、それが合図だったかのように、メンバーが元気よく飛び出してきた。
 その中にはまことの姿もあった。
「まこちゃんが小さく見える気がするわ」
「確かに・・・っていうか普通に見えるし、美奈が小さく見えるわ」
 バレー選手は背の高い人が多いが、相手チームにはまことと変わらないか、少し大きいくらいの選手もいた。
 ぴっという審判の笛の合図で頭を下げるとそれぞれのポジションに散っていった。

  ☆

 バシィっ
 何度か続いたラリーの末、決まった美奈子のスパイクは強烈だった。
 セッターの上げた高いトスを、まことと美奈子が同時にジャンプ。
 まことはフェイクだった。
「やったーっ」
 ガッツポーズで満面の笑顔を浮かべる美奈子にチームメイトが答えた。
「やったね美奈子ちゃん!」
「まぁかせて!まこちゃんも頼むわよ!」
「ん」
 二人はネットを目の前にして腰を落とすと、味方のサーブを待った。
 バシィっと長いサーブが相手コートに向かう。
 アッサリ拾われると相手の・・・まことと同じくらいの身長の選手がまことの目の前で高く飛ぶ。
「来るわよまこちゃん!」
「おおっ!」
 美奈子の声を合図にまこともタイミングを合わせて飛ぶ。
 ビシィっとまことの指先にボールが触れる。
 ボールの軌道が変わり、味方がそれを拾ってくれる。
「ナイスよまこちゃん!」
 味方のレシーブを今度は美奈子が上げ、まことが飛ぶ。
 元々身長は美奈子より随分高い上にジャンプ力も実はそう変わらないので、タイミングさえ合えばさっきの美奈子よりも高い位置からのスパイクは誰にも止められなかった。
 美奈子とまことはよっしゃーーーっとパシンっとハイタッチをすると再び構えた。
 二人が前衛にいる間に点を取ろうとチームメイトも出来る限り二人にボールを集めた。

  ☆

 それでも試合は一進一退の攻防を繰り返していた。
 1セット目は相手に取られたが、2セット目は試合に慣れてきたまことと美奈子の活躍で取り返し、すでに最終セットに突入していた。
「まこちゃんシッカリ拾ってよ!」
「おうっ」
 美奈子を前に残して何度目かの後衛に回ったまことに、美奈子は気合を入れた。
 今度こそ特訓の成果を見せる時だった。
 拾って拾って拾いまくってやる!
 だてに美奈子ちゃんの特訓につきあって・・・いや、耐えてきたわけじゃないぞ!
 少し荒くなった呼吸を整えると、スっと前方を見つめる。
 まことが前衛にいない分、ブロックが低くなった場所からスパイクが打ち込まれる。
 だが・・・まことは近くに飛んできたボールにことごとく飛び込んだ。
 ほとんど拾うことが出来たが、まことが上げ損なったボールは味方が拾ってくれた。
 ラインを割りそうになりながらも追いかけて拾ってくれる味方が頼もしい。

 ――楽しいな――

 純粋にそう感じ、もう体力も随分と限界に近くなってきているがそれでもまだ頑張れる気がした。
 まことはユニホームの袖で額の汗を拭うと、ニヤリと笑って構えた。

 ――絶対負けないぞ――

 でもあれだな、以外に凄いボールじゃないよな。
 何だか美奈子ちゃんの方が全然鋭い気がする。
 もしかしたら出来るかも・・・。
 頭の片隅にチラリとよぎったのは、美奈子が必死で教えようとしていた技の映像だった。
「行ったわよ!まこちゃん!!!」
「おぉぉぉっ!」
 まことは飛んできたボールに向かって思い切って飛び込んだ。

 ――届くか!?――

 くるりと回転しながら飛び込んだまことの腕に感じたボールの感触。
 ボールは高く舞いあがると味方の元に飛んでいく。
「まこちゃん???」
 一瞬目を丸くした美奈子だが、すぐに頭を切り替えると次の瞬間には高く飛び上がっていた。
 まことの拾ったボールを相手のコートに叩きつけるために・・・。

  ☆

 試合は十番高校の勝利に終わった。
「まこちゃんお疲れ!」
 美奈子は片手を上げると、同じように手を上げたまことの手の平をぴしっとはたく。
「うん!やったね!」
 そんな二人をチームメイトが取り囲む。
「やった!勝った!!」
「二人ともスゴイじゃない!」
「息ぴったりじゃん!」
 元々メンバーの一人がケガをして出られなくなった為に急遽呼ばれたまことだったが、急造の助っ人のワリにはすっかり馴染んでいた。
「木野さん、助かったわ」
 当の怪我をした本人が腕を三角巾で吊ったまま寄ってくる。
「いやぁあたしなんかでお役に立てるなら」
 へへっと頭をぽりぽりと掻きながらまことは頬を染めて照れる。
「美奈子が無茶言ったみたいでごめんね~おかげであたしも次の試合に出られるわ」
「よかったですね、早く治してくださいよ」
「ちょっと~無茶って何ですか?先輩!?先輩の為に絶対今日は勝ちたかっただけなのにー!まこちゃんなら出来ると思ったんだもん」
「ははっありがとう美奈子。でも惜しいなぁ木野さんのそのパワーと運動神経!欲しいわ。どう?バレー部に?」
「ははっ考えときます」

  ☆

 シャワーを浴びて着替えると、まことはロッカールームでぼんやりとベンチに腰掛ける。
 残っているのはまことと美奈子だけだった。
「疲れた・・・」
 全てが終わり全身の力が抜けたのか、ガックリと肩を落とすまことに美奈子が声をかける。
「お疲れ様、まこちゃん。助かったわ今日は」
「ん?あぁ・・・あたしこそ楽しかったよ。団体競技もいいね」
「そう?あたしもまこちゃんがあそこまでやってくれるとは驚きだったわよ。しかも回転レシーブまでやってくれちゃって!びっくりしちゃった」
「ははっ何だかさ、美奈子ちゃんの特訓のおかげかな?相手のスパイクがそんなに凄いって思えなかったんだ。美奈子ちゃんのがよっぽど強烈だったよ」
 ははっと笑うとまことは目の前に立つ美奈子を見上げる。
「美奈子ちゃんって凄いよな」
「そう?そう?やっとあたしの凄さがわかった?ありがとう・・・今日はね絶対勝ちたかったんだ。先輩すっごいがんばってたのにケガしちゃって・・・今日負けちゃったら先輩そのまま引退だったからさ・・・助かった、まこちゃんがいてくれてよかった」
 一瞬おどけた美奈子だったが、すぐに珍しく真顔でそう言うと、普段はあまり見せない優しい笑顔を見せた。
 ねぇ?と美奈子は腰に手を当てて人差し指を立てるとまことの前につきつけた。
「どう?先輩が引退した後あたしと組む気ない?」
「美奈子ちゃん?ははっ本気かい?・・・まぁでも・・・考えとくよ」
「そか・・・んじゃま今日はお疲れ様!レイちゃん待たせてるから行くわ」
「あぁ、おつかれさま」
 美奈子が出て行った後のロッカールームはシーンと静まり返っていた。
 まことは一人、再びがっくりと肩を落とす。
 実はもう立ち上がる気力も失いかけていた。
 カラリと遠慮がちに開けられる扉の音にも気づかなかった。
「まこちゃん?」
「?」
 ふっと顔を上げると、まことが今一番会いたいと願っていた相手がそこにいた。
「亜美ちゃん・・・」
 トコトコと寄って来ると、さっまで美奈子の立っていた場所に立つと優しい瞳でまことを見下ろす。
「おつかれさま、まこちゃんおめでとう」
「うん、ありがとう」
 まことは亜美の腰に腕を回すと、キュっと抱き寄せた。
「疲れた・・・さすがに」
「そうね、今日は大変だったものね」
 よしよしと頭をなでてくれる亜美の手が心地よく、まことはそのまま瞳を閉じた。
 すぅーーーっと意識が遠のく。
 ストンっとまことの意識が途切れた。

  ☆

「ん・・・んー?」
「まこちゃん?気がついた?」
「へ?あれ?亜美ちゃん?」
 ガバっと体を起こすとすぐには状況が理解出来ず、キョロキョロと見回す。
 どうやらまたしてもまことは亜美の膝で眠っていたらしい。
「まこちゃんよっぽど疲れてたのね」
「ん、だねぇごめんねつき合わせちゃって。どれくらい寝てた?」
「少しだけよ。帰る?」
「うん、帰る・・・ね、亜美ちゃん?」
「ん?なぁに?」
「泊まってかない?今日」
「いいわよ、そのつもりだったし」
「そっか・・・うん、そっかじゃぁ帰ろう」
 へへっとまことは嬉しそうに微笑むと亜美の手をきゅっと握る。
 亜美の膝でもう少しだけ眠りたかった。
 今はもうただ眠りたかった・・・そして亜美にはそばにいて欲しかった。
 ただそばに・・・。
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Date:2008/08/29
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