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□ まこ×亜美 □

シャッターチャンス

自分の愛機(カメラ)を見てて思いついたネタ




 カシャン

「え?」
 その小気味の良い音に振り返ると、えへへっとイタズラっぽく笑うまことの姿。
 その手にはさきほどコンビニに寄った時に買ったのか、使い捨てカメラが握られていた。
「ヤダ、まこちゃん撮ったの?」
「えへへっ亜美ちゃんかわいい」
「ヘンな顔してなかった?」
「カメラマンの腕を信じなさい」
 ニコニコと微笑むまことが、よしよしと亜美の頭をなでる。
「わたしにも貸して?」
 頭に大きな掌を乗せたまま見上げる。
「ヤダ」
「え?」
 予想だにしなかった答えが返ってきたことに亜美は目を丸くする。
「今日はあたしがカメラマンだよ、亜美ちゃんモデルね」
「え・・・?」
「カメラマンとモデルごっこ♪」
 すっごく楽しそう・・・。

  ☆

「あ、亜美ちゃん!ソフトクリーム売ってる!」
「食べる?」
「うん!」
 公園に時々来ている屋台に何人かの列が出来ていた。
 屋台のそばにいつも飾られているソフトクリームのオブジェにみんな惹かれるのだろう。
 今日みたいにお天気がよくて暖かいと尚更欲しくなる。
 二人はそれぞれ別の味を注文して受け取ると、ベンチに腰をおろすと食べ始めた。
「おいしーっ亜美ちゃんの何?」
「いちご」
 カシャン
「え?」
「亜美ちゃん、ひげ出来てるよ」
 まことがチョンチョンっと自分の唇を指差したかと思うと、その指をそっと亜美の口元に持ってくる。
「ひ・げ」
 カシャン
 再び切れるシャッターの音に我に帰った亜美は
「え?ちょ、ま、まこちゃん今の撮ったの?」
「うん」
 ふふんっとカメラを振ると嬉しそうに笑う。
「やだ、まこちゃん」
 ハンカチで口の周りを拭うと、亜美は真っ赤になって抗議をした。
「そんな亜美ちゃんもかわいい♪」
 あははっと声をあげて笑うまこと。
 亜美は「ぷんっ」と頬を膨らませながらソフトクリームの続きにかかった。
「もう知らない!まこちゃんには食べさせてあげないっ」
「えー?ずーるーいーっ一口!ね?あたしの抹茶もあげるからぁ」
 ソフトクリームごときで懇願するように亜美にの肩に手を乗せて甘えるまことに、亜美はソフトクリームごと背を向けてしまった。
「知らないっ」
「亜美ちゃぁん」
 カシャン
「え?」
「怒ってる亜美ちゃんもかわいい♪」
 全く懲りてないまことだった。

  ☆

 それからもさまざまな所でまことはシャッターを切った。
 亜美が油断をした所を狙うので、中々気が抜けなかった。
 亜美の抗議も聞こえないのか、はたまた写真を撮るのが純粋に楽しいのか、全く聞く耳を持たなかった。

  ☆

「あっ・・・これで最期の一枚だ」
「やっと?」
 ちょっとホっとしたように息をつく亜美をよそに、まことはキョロキョロとあたりを見回している。
「うん、どうしよう?」
「どうしようって?」
「二人で撮ろうか?」
「どうやって?」
 再びきょろきょろと視線を泳がす。
 土曜日のせいか結構散歩に来たりしてる人が多い。
 本格的なカメラを持ってうろうろしてる人もいる。
 そのうちの一人にターゲットを絞ると、まことはつかまえに走った。
「すいません~シャッター切ってもらえませんか?」
 差し出したカメラを快く受け取るおじさまだが、どこを中心に持っていけばわからないのか、カメラがふらふらと泳ぐ。
 やっと定まったのか、ピタっと動きを止めてさぁシャッター切るぞ!
 という瞬間、おじさんがギョっとファインダーから顔を上げた。
「へ?どうかしました?」
 おじさんの視線はまことを捕らえていなかった。
 視線を追う。
 まことと亜美の間をすり抜けてなぜか背後へ。
「ん?」
 二人は視線を追って振り返る。
「げ?」
「え?」
「あ、バレた」
「だから言ったじゃない全く」
『美奈子ちゃん?レイちゃん?』
 いるはずのない二人に仰天したまことと亜美の声がハモる。
 そこには、二人より一段高い位置で悔しそうに指をパチンと鳴らす美奈子と
 無理矢理引っ張られてきたのだろう、大きなため息をつくレイがいた。
「なぁにやってんのよこんなとこで二人で!」
「何って、何でもいいだろ!」
「ふぅん」
 ニヤニヤと小悪魔のような笑みで見下ろすと
「まこちゃんのことだから、亜美ちゃんの写真いっぱい撮って一人でにやにやするつもりなんでしょう?やーらしっ」
「ばっそ、そんなことっ」
 しないとは言い切れないだけに言葉が続かない。
「ちょっとまこちゃん、おじさん困ってるわ」
 ちょんちょんっと困ったように亜美がまことの袖を引く。
「あっ」
「いいかな?」
 おじさんが再びカメラを構える。
 今度はバッチリ4人ともがファインダーに収まっているようだ。
「はい、お願いします」
 ぼそっと小声で後ろの『美奈子』だけに注意する。
 顔は笑っていても声は笑っていなかった。
「美奈子ちゃんしょうがないから入ってていいけど、大人しくしててよね」
「わかってるわよ」
 二人とも全く笑顔を崩さずにそんなやり取りをしているとは、おじさまも思うまい。
 カシャン
 ぎゅーーーーっ
 美奈子は背後から思いっきりまことの首に腕を巻きつけて全体重を乗せた。
「わぁぁぁっ」
 シャッターの切れる音と同時の出来事だった・・・。

  ☆

「あーあ、せっかくのフィルムがぁ~」
 情けない声で肩を落とすまことに、他人事のようにアッサリと美奈子が言う。
「もーいつまで落ち込んでんのよ!また買えばいいじゃない!」
 バンバンっと背中を思いっきり叩く美奈子にまことは怒りを覚えた。
「美奈子ちゃんのばかっ」
「うっ・・・」
 まことの迫力に押されてちょっと後ずさる美奈子。
「わぁかったわよ、もう、新しいの買ってあげるからそれで手を打ちましょう?」
「むぅぅぅっ・・・」
 そんな二人のやり取りを黙って見守る亜美とレイだったが、このままでは収集がつかないようだ。
 亜美はまことのそばに寄ると、ちょんちょんっと袖を引っ張って見上げる。
「まこちゃん」
「ん?」
「また撮ればいいじゃない?ね?今度は一緒に撮りましょう?」
 ニッコリと微笑んでかわいく首をかしげて見上げる亜美に、まことの頬が一瞬にして緩みきった。
「うん、そうだね」
 まことから怒りのオーラが消え、一気にお花畑に蝶が舞う浮かれたオーラに変わっていた。
「いやぁ~さすがだわ亜美ちゃん、亜美ちゃんが最強よねやっぱり」
 その様子を笑って見ていたレイがうんうんとうなづく。
「うん・・・助かったぁ」
 いつの間にかレイの横に非難してきていた美奈子は、心の底から胸を撫で下ろす。
 そして
「ちょっと行ってくるわ」
 とコンビニに走ったのだった。
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Date:2008/08/28
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