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□ まこ×亜美 □

桜の木の下で


すいませんすいませんすいませんすいません
や、何やえっらい難産やったわ、この子ら!
亜美ちゃん視点で書いたからかな?
でもバカップル(笑)
バカップルに幸あれ!(やけくそ)


桜のトンネルの中をわたしは駆け抜ける。

春の日差しの中を、きっと待ちくたびれている彼女の元へ。





「亜美ちゃん今日塾昼までだよね?」
 どうしたのかしら?春休みの予定は前もって伝えていたけれど、わざわざ確認しに電話してくるなんて。
 疑問に思いながらもうんとうなづく。
「そしたらさ、あたし学校の裏にある公園にいるから来ない?」
「え?」
「ね?」
「え、えぇ」
「じゃあ待ってるからね」
 返事を返す間もなくツーっツーっという機械音が、すでに電話が切れていることを伝える。
 首をかしげる。
「何かあるのかしら?」

  ☆

 しかしこういう時に限って誰かが教えを乞いに来たりするものだ。
 でも自分を頼って来てくれる人を無下に断るなんて・・・出来ないわ、まこちゃんごめんね。
 まこちゃんにはお昼までって言っちゃったけど。
 お昼って12時くらいだと思ってるわよね・・・もう来てるかな。
 わたしはチラリと壁の時計を見上げる。
 何度見ても現在の時間がすでに1時を回ろうとしている事実には変わりない。
 心なしか胃がキリキリと痛みを訴えている気がする。

  ☆

 やっと教師役から開放されたのは、それから更に30分ほど経ってからだった。
 もうこんな時間!まこちゃんきっと待ってるわ!
 普段走ることなんて滅多にないけれど、この時ばかりは必死で走った。
 満開の桜もわたしの視界にはただのピンクのトンネルくらいにしか感じなかった。
 だけどナゼだかふと少し離れた場所にある一本の桜の木が目に止まった。
 そしてその根元にいる・・・。
「まこちゃん!」
 声の届く距離じゃないのに思わず小さく叫んでしまった。
 全速力で駆け寄ると、膝に手を当てて息を整えながらもう一度声をかける。
「まこっ・・はぁっ・・ちゃん、遅れてごめ・・・ん?」
 何の反応もない相手にわたしはふと顔を上げた。
 そこには春の日差しを浴びながら、桜の木の幹に凭れてスゥスゥと気持ちよさそうに寝息を立てているまこちゃんがいた。
「まこちゃん・・・」
 今度は小声で起こさないように名前を呼び、そっと近づくとしゃがんでじっと見つめる。
 お腹に大事そうに抱えているバスケットにはきっと・・・。
「遅くなってごめんね、まこちゃん」
 幸せそうな笑顔で眠るまこちゃんを見ていると、何だか自分まで幸せな気分になってくる。
 ふふっと目を細めて笑う。
「何の夢を見ているのかしら、まこちゃん」
 呟いて何とはなしにちょこんと隣に並んで腰を下ろす。
 そっとまこちゃんの肩にもたれかかると、そよそよと気持ちのいい風を感じながら目を閉じてみた。
 春が来たんだなぁと改めて感じる。
 勉強勉強の毎日だった頃はこんなことあまり感じなかった。
 ただ毎日が漠然と過ぎていくばかりで、春夏秋冬などただの季節の移り変わりぐらいにしか思ってなかった。
 毎日違う空の色や、雲の形、たくさんの花や木々の成長。
 そんなこと全く見えていなかった、興味もなかったモノクロのような日々。

 「下ばっかり見てたら、大事なもの見逃しちゃうよ」

 随分前にまこちゃんに言われた言葉だ。
 教科書ばかり見ていたわたしが、空を見上げるキッカケになった言葉。
 空を見上げた瞬間、何て広いんだろう、大きいんだろうとちょっとびっくりしたのを覚えてる。
 勉強を教えることはいくらでも出来るけれど、でももっと大切なことがたくさんあることに気づかされた。
 まこちゃんには勉強だけでは得られないたくさんのことを教わった。
 おかげでモノクロ生活から、色とりどりのカラー生活に変わった。
 まこちゃんがわたしのそばにいてくれることがとてつもなく幸せなんだということにも気づいたわ。
 誰かのことを想うことがこんなに幸せだって、初めて知ったわ。
「まこちゃん、大好きよ」
 周りに人がいないことを素早く目だけで確認して、そっとまこちゃんの頬に唇を寄せる。
「ん・・・」
 触れた瞬間にピクンと体を震わせると、まこちゃんの目がうっすらと開いた。
「あ・・・」
「亜美・・・ちゃん?」
「ごめんね、ごめんねまこちゃん」
「へ?あ、れ?ふあぁぁぁぁっあたし寝ちゃってたんだぁ。もう塾終わったの?」
 コシコシと眠そうに目をこすり、まこちゃんはうんっと思いっきり伸びをする。
「うん、遅くなってごめんね」
「やーいいっていいって、あたしが無理矢理誘っちゃったんだもん」
「でもお昼に終わるって言ったのに」
「つかまっちゃったんだろ?」
「え?」
「亜美ちゃん教え方うまいんだもん」
 へへっと全部お見通しだよっと笑うまこちゃんの笑顔が眩しい。
「そんなことないけど・・・でもそうなの、ごめんね」
「だからいいんだって!桜の花があんまりキレイでさ、見上げてるうちに気持ちよくなっちゃってつい寝ちゃった。だからそんなに待ってないよ」
「ふふ、まこちゃんホントに気持ちよさそうだったわ」
「うん、夢・・・見てたんだ」
「夢?」
「うん・・・亜美ちゃんとぉ」
「うん」
「桜の木の下でねぇ」
「うん」
「へへっナイショ」
「え?」
 イタズラっぽく笑うまこちゃん。
 わたしが不平を言おうと口を開きかけたその時、突然ふわりと体が宙に浮いた。
 ――ぽすん――
 景色がくるりと反転したかと思うと、わたしの体がまこちゃんの腕の中にスッポリと収まって背中からきゅっと抱きしめられた。
 手のやり場に困ってついまこちゃんの立てた膝頭をつかんだ。
 え?っと顔だけで振り返ろうとすると、同時にまこちゃんがわたしの頬にスリスリと頬ずりをしようとする。
 まこちゃんが甘えたい時の仕草なのよね、これ。
「まこちゃん?」
「亜美ちゃん」
「ん?」
「ランチにしようね♪」
「夢の話は?」
「はい、あーん」
「あの・・・」
「あーん、は?」
「・・・あーん」
 根負けしたわたしは、ぱくっとまこちゃんが差し出したサンドウィッチを少しだけかじる。
「はい、よくできました」
 なでなでと優しくわたしの頭をなでる大きな手。
「おいし?」
「うん、美味しい」
「じゃぁねぇ次はツナサンド、はい、あーん」
「あの・・・あーん」
 ぱくっ
 すっかり夢の話を聞きそびれてしまった。
「あの・・・まこちゃん?」
「ん?なんだい?」
「あーん」
「え?」
 わたしはゴソゴソと体を反転させると、バスケットからつまんだサンドウィッチをまこちゃんの口元に運んだ。
「へへっあーん」
 ぱくっ
「ふふっ」
「あははっ」
 わたしたちは何となくお互い顔を見合わせると、どちらともなく笑い出してしまった。
「ねぇまこちゃん?今日は突然どうしたの?」
「ん?朝起きたら無性に亜美ちゃんに会いたくなったんだ。で、窓開けたら桜が満開でさ、お弁当持ってランチもいいなと思ってね、張り切っちゃった」
「遅くなってごめんね」
「ううん、いい夢見られて得しちゃったからね♪」
「あの、その夢って一体・・・」
「はい、あーん」
「・・・あーん」
 結局最期までごまかされ続けちゃったわ。
 まこちゃん一体どんな夢を見てたのかしら・・・。
 幸せな夢だといいな。
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Date:2008/08/28
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