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□ 静留×なつき □

静なつのつもりがなつ静になってしまった風呂場ネタ
 



 ――ガチャン―― 
 
 差しこんだ鍵が渇いた音を立てて回ると、なつきはゆっくりと扉を開ける。 
 誰もいない部屋。 
 誰も迎えてはくれない部屋。 
 扉の閉まる音がやけにうるさく響く。 
 なつきはライダースーツのジッパーを下ろしながらドカドカと部屋に向かう。 
「おかえり、なつき」 
 ビクっっっ 
 リビングに足を踏み入れた途端、聞こえるはずのない所からなつきを出迎える声。 
「え?し、し、静留?何だ来てたのか?」 
「えぇ、おかえりなつき」 
 もう一度改めて同じ言葉でなつきを迎える静留。 
 そういえば玄関に靴がきちんと揃えて並べてあったような…。 
「大学行くようなってからなつきに中々会えまへんしなぁ、ごはんでも作ってあげよかおもて寄ったんよ」 
 ぷらぷらと以前なつきが渡したこのマンションの鍵を、嬉しそうに顔の前で揺らす。 
「そうか」 
「ほらなつき、いつまでもそないな格好してんと、お風呂沸かしてあるさかい入っといで」
「あぁ、ありがとう…ってコラっそれはいい!静留!」 
 ライダースーツを脱がそうとする静留を慌てて制止するなつきはバタバタと半分開きかけた胸元を押さえて逃げるように脱衣所に飛び込んだ。 
「あぁん、なつきぃ?残念やわ」 
 ホンキなんだか冗談なんだかサッパリわからない静留の態度に、なつきはいつも振りまわされている。 
 ――出会った頃からずっと。  
 だがそれがイヤかと問われると…そうではないのだが。 
 
  ☆ 

「全く静留のヤツ…何考えてるんだ…」 
 ブツブツ呟きながら、なつきは長い髪を丁寧に洗い始める。 
 その時だ。 
「うちのこと呼びました?なつき?」 
「うおぃっっ!」 
 鏡越しに見えた静留の姿になつきはツッコむと同時に、思わず自分の胸元を両手で隠してしまう。 
「な、な、な、何で?し、し、静留?その格好?」 
 バスタオルを一枚巻いただけの格好…それを取ったら間違いなくその… 
 おそらく何も着けていないであろう静留の姿になつきの鼓動は激しく動揺した。 
「ついでやからうちも入らせてもらお思て」 
 さらっととんでもないことを口走る静留の頬には、なぜか少し紅が差していた。 
 いや、まぁ女同士で温泉やら銭湯やら行くことはあるし、それを考えたら別におかしいこともないとは思うのだが――相手は静留だ。 
 かといって特に断る理由も見つからず…。 
「なつきの髪、うちにも洗わせてくれへん?」 
 静留はなつきの背後に膝をつくと、サラっとなつきの髪を一房掬う。 
「あ?あぁ」 
「キレイやねぇホンマ。髪は女の命いいますからね、大事にせんとあかんよ?」 
「わかってる」 
 ゆっくりと髪を梳く静留の指先の感覚が全身に伝わる。 
 静留の指はどうやら特別仕様らしい。 
 ゾクリっとなつきの背中がそぞろ立ち、ビクンっと跳ねる体。 
「どうしたん?なつき」 
 驚いて鏡越しになつきを見つめる静留と目が合う。 
 なつきの頬にも、いつしか紅が差し始めていた。 
 な、何を求めてるんだ?私は! 
 必死で自制しつつも、静留の指がどんどんなつきを狂わせて行く。 
「…や、な、なんでも…」 
「気持ちええ?」 
「…あぁ」 
 思わずそう素直に答えた瞬間、静留はなつきの髪を肩から前にはらりと落とすと空いた背中にそっと唇を這わせた。 
 ビクッッ 
 なつきの背中が追われる唇から逃げ出そうとのけぞる。 
「うっ…なっ…しず…る」 
「キレイやわ、なつきの背中…」 
「やめっ…はぁっ」 
 静留の唇は背中からうなじにかけて、ゆっくりと何度も往復を始めた。 
 唇の動きと比例して、今度は手がゆっくりと前に回り動き始めた。 
「???」 
 なつきが必死で隠そうと胸元で交差させていた両手をこじ開けるように侵入すると、手の平にすっぽりと納まるなつきの胸をそっと包み込んだ。 
 キュっと刺激を与えるように力を込める。 
「はうっっ」 
「なつき…なつき…なつき…ごめんなぁ、うちやっぱりあんたのこと好きなんよ。 
 諦めることなんてできるわけあらしません」 
 眉根を寄せ何度も何度も謝罪の言葉を吐きながらも、静留の手や唇は休むことはなく動き続ける。 
 だが、なつきの頭にはすでに静留の声は届いてはいなかった。 
 なつきの脳内はすでに真っ白になって、意識はひたすら静留の指先と唇の動きを追っていた。 
 そしてやっと搾り出した言葉が、 
「ば…か…静留のばか」 
「え?」 
 眉を寄せて少し困った顔を見せる静留。 
「私は…お前のことが…好きだと言ったはずだ…」 
「でもそれはっっ」 
 ピタリと初めて手が止まる。 
「…友達として…親友としてですやろ?」 
「親友に…口付けなんかするか!ばか静留!」 
「そないばかばかゆわんでも…」 
 しょんぼりと落ち込む静留に、なつきは向き直って微笑む。 
「なぁ静留?こんな不意打ちをしなくても…私はいつでもお前を…受け入れるつもりではあるんだぞ?」 
「…ホンマに?」 
「あぁ、ホントだ。ただ少しそのぉ…タイミングが…そう、タイミングがだなぁ…つかめなかっただけで…」 
 そう言ってキュっと静留を抱き寄せたなつきの心臓は、もう今にも破裂しそうなほどにドキドキしていた。 
 静留の、なつきよりも少しふくよかな胸の感触に、なつきの意識が集中する。 
「嬉しい」 
「あぁ」 
「一緒におってええのん?うち」 
「だから鍵、渡したんじゃないか」 
 ふっと笑むと、なつきはそっと腕を解放した。 
 イスに腰掛けている分、少し高い位置から静留を見下ろす。 
「ばかだな、静留」 
 言ってなつきは、そっと静留の顎を持ち上げると唇を寄せた。 
 触れるか触れないかの所まで寄ると、ボソリと 
「お前が好きだ、静留」 
 そしてふっと開こうとする静留の唇を、有無を言わせずなつきは一気に塞ぎに行った。 
「んっんんっ!」 
 服を着ていないせいで掴むところがない静留の手が空を掴む。 
 行き場所を求めた手は、結局なつきの背中をしっかりと拘束した。 
 なつきの手は静留のバスタオルを掴む。 
 はらりと簡単に外れたバスタオルの下からは、案の定何も着けていない身体が露になった。 
 唇を離した二人の荒い息が欲室内に響く。 
「はぁっ…こんな…はぁっ…ところで…?」 
「お前が…悪いんだろう?」 
 なつきも荒い呼吸を繰り返す。 
「そう…どすな…こういう所でってなんでこない興奮するんやろ」 
「し、し、知るかっ!」 
「なつきに抱きしめられるん…気持ちええわ」 
「…いつでも…言えばそれくらいは…してやる」 
「ホンマに?」 
「あぁ」 
「おおきに」 
 言うと、今度は静留がなつきの胸に寄りかかる。 
 バスタオル越しではなく今度は直接静留の胸が当たるのを、なつきの身体が敏感に感じている。 
 柔らかい静留の感触になつきの理性はかろうじて持ちこたえている状態だ。 
「愛してます、なつき」 
「あ、あぁ」 
 しがみついたまま潤んだ瞳でなつきを見上げる。 
 か、かわいいんだよな静留は。 
 普段は優等生だなんだと"イイ女"を演じているのかはわからないが、なつきの静留に対する印象はコロコロ変わる。 
 在学中の学校での印象は静留に憧れる生徒(主に女子)と同じくカッコイイ女だなという印象が強いのだが、二人でいる時の静留はイイ女というよりカワイイ女の印象の方が遥かに強い。 
 こんな静留は他では見られないと思うとなつきの頬が緩む。 
 プツっと理性がキレかけた…瞬間
 
 
 ――グーーっきゅるるっ 
 
 
 欲室内に今までとは違う種類の音が響いた。 
「うっ…」 
「なつき…お腹すいたん?」 
「あ、あぁ…実は昼ご飯を食べ損ねたんだ」 
 途端にハの字にゆがむ眉。 
 何もこんな時に思い出さなくても…。 
 自分のお腹のことながら腹が立つ。 
「くすくすっ。ほなはよう上がってご飯にしましょか」 
「あ、あぁ」 
 がっくりと勢いのつきかけたなつきの肩が――落ちた。 
 だが空腹には勝てないと悟ったなつきは静留の提案に素直に応じた。 
「なつき?そないがっかりせんでも今晩泊まらせてもらいますさかいに、な?」 
「ん」 
「ほな先あがって用意しときますから、よぉ温まってから出ておいで」 
「わかった」 
 カチャリと扉が閉まる音。 
 一人でいた頃はその音が何とも寂しく響いたものだったが、静留がいるというだけで全くそう思わなくなった。 
 扉を開ければ静留がいる、静留の笑顔が迎えてくれると思うと寂しいとは思わない。 
 静留がいてよかった。 
 静留でよかったと心の底からそう思う。  
「さて、今晩のメニューはなんだろうな」 

 なつきはゆっくりと腰を上げた――。 
 
     
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Date:2008/08/22
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