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□ まこ×亜美 □

愛してる

亜美ちゃんお誕生日おめでとう!てなわけでママ出演させちゃったよ(←無謀っ汗) 
でも絶対亜美ちゃんは、形はどうあれ愛されて育ってると想うんだよ、あたしは 
じゃなきゃあんなにイイ子には育たないよねぇ~ 
そらまこちゃんもホレるっつーの(笑)


 



 ぴ、ぴ、ぴ、ぴーーーん 
 
 時計の針が夜中の12時を指す。 
「亜美ちゃん、お誕生日おめでとう」 
 瞬間、ソファの隣に腰かけていたまこちゃんが、優しく微笑みながら祝いの言葉をくれた。 
「ありがと、まこちゃん」 
「へへ、今年も一番に言えた!よかった」 
 言って、チュっとわたしの額にキスをする。 
「ん」 
 出会ってからこうして毎年誕生日を一緒にお祝いしてくれるまこちゃん。 
 もちろんみんなとパーティーもするけれど、それでもいつも一番におめでとうの言葉をくれるまこちゃん。 
「お母さんは夜勤だよね?明日は帰るのかい?」 
「うん、一緒にごはん食べようって・・・わたし作って待ってようと思ってるの」 
「へぇ?亜美ちゃんが?外で食べるのじゃなくって」 
「ん、たまにはいいかなって」 
「そか、いいね」 
 まこちゃんのご両親はもう随分前にこの世を去った。 
 そんなまこちゃんの前で、ほとんど一緒にいる時間がないとは言え、まだ健在のわたしの両親の話をするのは正直気が引けたりすることもある。 
 でもまこちゃんはいつも優しく気を配ってくれる。 
 わたしとママの邪魔はするまいと気を使ってくれる。 
 邪魔なんて思ったこと全然ないのに。 
「こんな時間に食べたら太るかなぁ?ま、いっか特別だもんね今日は」 
 と、まこちゃんはマッチを擦ると年齢の数だけ立てられたろうそくに火を灯して行く。 
 つけ終わると立ちあがり、壁にある電気のスイッチに手を当てる。  
「消すよー」 
 パチっと電気が消えた途端、ろうそくの真っ赤な炎が暗闇の中をゆらゆら揺れる。 
「はい、どうぞ亜美ちゃん」 
「ん」 
 わたしは大きく息を吸い込むと、一気に吹き消す。 
 ――瞬間、訪れる暗闇。 
「おめでと~亜美ちゃん」 
 全てを一息で消せたわたしに、まこちゃんが賞賛の拍手を送ってくれた。 
 それが妙に照れくさくて、思わずすでに立ちあがろうとしていたまことの服の裾をちょんっと引っ張った。 
「ん?亜美ちゃん?」
「ありがと、まこちゃんいつもいつもありがとう」 
「うん?」 
 暗闇の中、わたしの目の前に腰を下ろす気配がしたかと思うと、グイっと体が引き寄せられる。 
 暗さのせいかバランス感覚が狂っているような、体が浮遊しているような・・・。 
 いつのまにかわたしはまこちゃんの腕の中にいた。 
「まこちゃん?」 
「大好きだよ亜美ちゃん、また一年よろしくね」 
「うん」 
 真っ暗なのに行き先を迷うことなく真っ直ぐ目的地に舞い降りる柔らかな唇。 
 
 ――大好きよ、まこちゃん―― 
 
  ☆ 
 
「じゃぁ、あたしそろそろ帰るね」 
 と、まこちゃんが暇を告げたのはまだ小一時間ほど前だ。 
 でも今わたしの手には電話の子機が握られていた。 
 もうすっかり覚えてしまった番号を思い浮かべる。 
 ぴっぽっぱ 
 トゥルルル 
「はい?木野です」 
 3度目のコールで、想い人の声が受話器越しに聞こえた。 
「あの、まこちゃん?」 
「あれ?亜美ちゃん?どうしたの?」 
「何してたの?」 
「え?あ、うんTV見てた」 
「ごはん・・・食べた?」 
「いや?どうして?」 
「ん、作りすぎちゃったから・・・」 
「亜美ちゃん???すぐ行く!!」 
 
  ☆ 
 
「待たせてごめん!亜美ちゃん」 
 電話してからまだ30分も経っていないのに、息を切らせてまこちゃんが飛び込んできた。 
「いらっしゃい」 
 台所仕事をしていたので、エプロン姿のまま玄関まで迎えに出る。 
 ダンナさんを出迎えるお嫁さんみたいだわ、と勝手に想像しては頬を染めてしまう。 
「はぁっはぁっ・・・うわっ」 
「え?」 
「かわいい」  
「んもう、何言ってるの?まこちゃん」  
 まこちゃんの一言でわたしの頬が熱を帯びる。  
「新妻だ、亜美ちゃん」  
 言って笑うまことの頬も、心なしか赤く染まっていた。  
 まことはスリッパを履くと、いつものようにリビングに向かう。  
「へぇ?これ全部亜美ちゃんが?」 
 テーブルの上にずらりと並べられた料理を見て、まことは目を丸くする。 
「すごいじゃん!さすがだね!」 
「先生が良いからよ」 
 きゅっとまこちゃんの手を取ると、ニッコリと"先生"を見上げる。 
 まこちゃんは自分のことだと自覚しているのか、頬をぽりぽりと掻きながら恐縮している。 
「えっとさ、そうだ、亜美ちゃん、お母さんと何かあった?」 
「え?」 
「これ、お母さんのために作ったんだよね?」 
 黙って俯くわたしに、続けて問う。 
「帰って来るんじゃないの?一緒にごはん食べるって言ってたよね?」 
「ん」 
「また?」 
 今までにも何度かこういうことがあったことを知っている彼女は、怪訝な表情でわたしを見る。 
「同じ病院の上司に食事誘われたんだけど、わたしも一緒にどうか?って・・・亜美に会いたがってるんだけどって…誕生日プレゼントも買いましょうって」 
「ん」 
「そんなのいらないのに。ただ2人で一緒に過ごせるだけでよかったのに・・・”急患だから”だとまだ納得も理解も出来るんだけど・・・」 
 それ以上声にはならない。 
 顔も上げられない。 
 まこちゃんの目をまっすぐ見ることができない。 
「ごめんね、まこちゃん」 
「亜美ちゃんさぁどうしてそれをお母さんに言わないんだい?」 
「どうせ、”行ってきていいよ”とか言ったんだろ?」 
 コクンと素直にうなづく。 
 突如、まこちゃんの大きな手が肩を抱いたかと思うと、グイっと抱き寄せられた。 
「ばかだなぁ亜美ちゃん、亜美ちゃんイイ子すぎるんだよ。もう少しわがままになってもいいんじゃない?」 
「でも・・・」 
「どうせ"お母さん怒ったかな?"とか考えたりしてるんだろ?だからこんなごはん一杯作っちゃって・・・」 
「ん・・・帰ってこないのにね、バカみたい」 
 少しだけ自虐的に笑むと、自分の行為が本当にバカみたいに思えてきた。 
「どうして一緒にいたいから帰って来てって言わなかったのさ?」 
「だって・・・そんなわがまま言えない」 
「いいんだよ!言っていいんだよ!亜美ちゃん今までたくさんがまんしてきたんだからさ!誕生日くらいわがまま言ってもいいんだよ!」 
「でも・・・」 
 まこちゃんはテーブルの上に広がっていた、晩御飯のおかずをひょいっとつまむ。 
「おいしい!亜美ちゃん上手じゃん」 
「一緒に食べてくれないかなと思って・・・」 
「ごめんあたしこれは食べられないよ」 
 まこちゃんの思いがけない言葉に、わたしは驚いて見上げた。 
「え?どうして?」 
「どうしても。あたし帰るよ」 
 更に続く衝撃的な言葉に、わたしはただただ呆然と立ち尽くすことしかできなかった。 
「え???」 
 やっとのことで返した返事に、まこちゃんの顔がゆがむ。 
「や、そーんな寂しい顔しないでくんないかなぁ?決心揺らぐじゃないか」 
「まこちゃん?」 
「亜美ちゃん、お母さん帰って来るよ!あたしのカンは当たるんだ」 
 一瞬まこちゃんが何を言ってるのか理解が出来なかった。 
「これさ、亜美ちゃんがお母さんのために作った料理でしょ?一緒に食べな。きっと喜んでくれるからさ」 
 わたしの頭をくしゃくしゃーっとなでまわしながら微笑むまこちゃん。 
「でもわざわざ来てもらったのに・・・」 
 それ以上の言葉が続けられずに黙り込むわたしの前に、まこちゃんがしゃがみ込む。 
「くすっ亜美ちゃんが寂しがってんのにほっとけないだろ?電話してくれて嬉しかったよ、今度は亜美ちゃんがあたしのために作ってくれた料理食べさせてよ」 
 コクン 
「ごめんね、まこちゃん…ごめんね」 
 ニッコリ微笑むと、下からツンっと鼻の頭をつついてくる。 
「だぁからっ謝んなくっていいってば!」 
 立ち上がるとまこちゃんの額がコツンとわたしの額に優しく触れる。 
「あ、でももしも1時間たっても帰ってこないようだったら・・・ごめん、もっかい呼んで?飛んでくるから」 
 苦笑いでそう言うと、ポリっと頬を掻く。 
 その言葉を引き金に、わたしの視界がぶわーっとぼやける。 
 まこちゃんの姿が滲んでうまく見えない。 
「わーーはいはいっ泣かないでよぉ、あたし帰れないだろ」 
「ご、ごめんなさい」 
「また謝るっ」 
 
  ☆ 
「じゃぁね、亜美ちゃん」 
「ん」 
 玄関で結局エプロン姿のまま、今度は見送る。 
 まこちゃんが靴を履き終えると、くるりと振り返る。 
「あ、そだ」 
 言うなりグイっとわたしの腰を引き寄せる。 
「え?」 
「これくらいはいいよね?」 
 チュっと音をたてて触れるだけの、優しいキス。 
「じゃね」 
「ばか」 
 あははっと手を振って出て行くまこちゃんの後姿を見送る。 
 ぱたんと閉まる扉。 
 静寂が訪れる。
 途端に猛烈な寂しさが襲いかかる。 
「まこちゃん・・・」 
 
  ☆ 
 
 ――数分後―― 
 
 ぴんぽーん 
「まこちゃん忘れ物かしら?」 
「はい」 
 インターホンの受話器をあげて相手を確認する。 
「亜美?開けて!鍵忘れてきちゃったの」 
「え?ママ?」 
 予想外の人物だったので驚いたけれど、慌ててロックを外してあげる。 
 ありがとっとママが入り口を通るのを確認すると、そろそろかな?というタイミングですぐに玄関のベルが鳴る。
「ただいま~ごめんね亜美、よかったぁいてくれて」 
「あの、食事に行ったんじゃ?」 
「亜美がいないのに行っても仕方ないでしょう?」 
 キョトンとさも当然のように見つめ返す。 
「どうしても亜美に会ってみたいって言うから一応聞いてみますって答えたんだけど、塾があるらしいからって断ってきたわ。せっかく2人で過ごせる数少ないチャンスだもんね」 
 わたしはママの言葉に目をぱちくりさせることしかできなかった。 
「ごめんね亜美、ね、今から食事行こうか?」 
「あの、ごはん作ったの・・・」  
「え?」  
 スーツをハンガーにかけながら、娘の意外な言葉に振り返る。  
 なんだか照れくさい。  
「そうなの?すごいじゃない、じゃぁお言葉に甘えていただこうかな」 
 
  ☆ 
 
「すごいわねーこれ全部亜美が一人で作ったの?」 
 食卓に並べられた料理の数々に目を丸くしてわたしを見た。 
 2人はテーブルにつくと、いただきますっと両手を合わせてきちんとおじぎをする。 
 早速ママはさっきまこちゃんが食べたのと同じオカズを口に運ぶと、んーーーっと頬をさすった。 
「おいしい!これよく出来てる!」 
「そう・・・かな?まこちゃんに教えてもらったの」 
「へぇ?木野さん?そういえばさっき下で会ったわね?」 
「うん、一人じゃ食べきれないと思ったから」 
「亜美、ママが怒ってるとでも思った?」 
 答えずに俯く、図星だったから。 
「顔上げて」 
 そっとママの顔を見上げる。 
 ふわりと微笑むママの笑顔がそこにはあった。 
「天才少女とか騒がれてても、やっぱり中身はただの高校生よね」 
「え?」 
「ママは確かに仕事で忙しくてあまりかまってあげられないけどでもね、亜美が一番大切で一番愛しいことにはかわりないわ、ママの方こそごめんね」 
「うん、ありがとう」 
 ママのこの言葉が何よりのプレゼントだった。 
 まこちゃんがいなかったらきっと、こんな嬉しい言葉聞けなかったかもしれない。 
 こういう気遣いが出来るまこちゃんを好きになってよかった。 
「ママ、わたしを産んでくれて、きちんと育ててくれてありがとう」 
 
  ☆ 
 
「そういえば木野さんはこのごはん食べずに帰っちゃったの?」 
「きっとお母さんはもうすぐ帰って来るから、お母さんと一緒に食べなって・・・お母さんのために作った料理はお母さんと食べるべきだって。まこちゃんのカンは当たるんだって。ホントに当たっちゃった」 
 くすくすっと思い出し笑いをする。 
「そっかーふられちゃったのかー」 
「ん、ふられちゃった」 
「いい子ね」 
「うん」 
 
  ☆ 
 
 ぴんぽーん 
 
 わたしはインターフォンを鳴らす。 
 しばらくの後、はーいっと奥で声がする。 
「はいはーい?亜美ちゃん???どうしたんだい?こんな時間に」 
 意外な人物の存在に、目を丸くしていた。 
「あの、まこちゃん?」 
「帰ってきただろ?」 
 ニカっと歯を見せて笑うと、まぁどうぞっと中に入るよう促す。 
「それにしてもすごいわ、まこちゃんのカン」 
 いつもの定位置に座ると、水色の亜美専用クッションを膝と一緒に抱えて、まことの煎れてくれた紅茶をコクリと飲む。 
「カン???あれは嘘だよ」 
 アハハーと笑うと、ツンっとわたしの額をつつく。 
「え?だって・・・」 
「あたしだったら絶対亜美ちゃん優先させるからね。お母さんは大人だから付き合いとかあるにしても、でも絶対すぐに帰るだろうなーって」
「どうして?」 
「はぁ?決まってるだろ?」 
「え?」 
「亜美ちゃんのこと愛してるからさ」 
「え?あ、あ、あの、まこちゃん?」 
「当たりでしょう?」 
「そんなこと・・・言ってた」 
「だろ?超能力でもなんでもないよ、形は違ってもあたしとお母さんは”亜美ちゃんのことを想ってる”っていう意味では同じ立場だからね」 
「あのっ・・・ありがと」 
「どういたしまして、今日は帰らなくていいの?」 
「うん、さっきまた急患だって呼ばれて行ったからよかったら泊めてもらおうかなって」 
「そっか、大変な仕事だよねぇ~お医者さんって」 
「ん、でもいいの、そんなママのこと尊敬してるし大好きだから」 
「そっか」 
 くしゃくしゃっと髪をかき混ぜられ、頭を抱き寄せられる。 
「あの、ごめんね。まこちゃんいつも気を使ってくれるけど・・・寂しいわよね?」 
「あ?あぁ両親のこと?まぁねぇでももう慣れちゃったよ!今は亜美ちゃんもいてくれるしさ」 
「うん、そばにいる、ずっとまこちゃんのそばにいるわ」 
「ん、愛してるよ、亜美ちゃん」 
 まこちゃんに出会えてよかった、まこちゃんを好きになってよかった 
 こんなに愛してもらえてよかった・・・わたしを産んでくれてありがとう、ママ。 
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Date:2008/08/28
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